
『ロング・グッドバイ』
”The Long Goodbye”
1973年・米
監督:ロバート・アルトマン
フィリップ・マーロウ…エリオット・グールド
ロジャー・ウェイド…スターリング・ヘイドン
アイリーン・ウェイド…ニーナ・バン・パラント
製作総指揮:エリオット・カストナー
製作:ジェリー・ビック
監督:ロバート・アルトマン
原作:レイモンド・チャンドラー
脚本:リー・ブラケット
ゆるぅ・・・。
原作を清水俊二で読み込み、村上春樹の訳で読み込み
「本当のギムレットって言うのはね・・・」
と台詞の真似までした鬱陶しいチャンドラー・ファンからすると、そのユルさ加減に脱力。
フィリップ・マーロウの友人、テリー・レノックスの死の謎に迫るあの手紙が、ザクッと割愛。
読者を唸らせるあのどんでん返しも、映像化が難しいのでパスッと割愛。
あと、エリオット・グールドはお猿系で、云わばブラッド・ピットに続く系譜。
嫌いじゃないんだけど、俺の思うマーロウはきっと違うんだよね、顔の系統が。
ちなみに、チャンドラー本人は
「一番マーロウのイメージに近いのはケイリー・グラント」
と言っていたそうです。
顔のイメージとしては、言ってること非常によく分かるな。
グラントのマーロウも1作くらい観てみたかったねぇ。
ところが、面白いことに、アルトマンが暇つぶしに撮ったかのようにユルいこのロング・グッドバイが、数あるマーロウ物の中で、一番マーロウっぽい反骨精神は出てるんだよね。
まあ、ミッチャムやボギーでは、マーロウにはちょっとマトモすぎるでしょう。
この映画は夜景が凄くクール。
マーロウの住んでいるアパートメントは、とてつもなくイカしてる。
そして、主題歌を真似して歌うけど、何回歌っても音程が取れない。
そんな映画。
■チャンドラー 自己中心派
(1)長編
・『長いお別れ』 (1976年・ハヤカワ文庫)
・『さらば愛しき女よ』 (1976年・ハヤカワ文庫)
・『湖中の女』 (1986年・ハヤカワ文庫)
・『高い窓』 (1988年・ハヤカワ文庫)
・『リトル・シスター』 (2010年・早川書房)
(2)短篇
・『ヌーン街で拾ったもの』 (1961年・ハヤカワミステリ)
・『赤い風』 (1963年・創元推理文庫)
・『チャンドラー短篇全集』 (2007年・ハヤカワ文庫)
(3)トリビュート/アンソロジー
・『プードル・スプリングス物語』 (1997年・ハヤカワ文庫)
・『フィリップ・マーロウの事件』 (2007年・ハヤカワ文庫)
(4)チャンドラー研究
・『レイモンド・チャンドラー読本』 (1988年・早川書房)
(5)映画でチャンドラー
・『三つ数えろ』 "The Big Sleep"(1946年)
・『ロング・グッドバイ』 "The Long Goodbye"(1973年)
・『さらば愛しき女よ』 "Farewell My Lovely"(1975年)
(6)ドラマでチャンドラー
・『ロング・グッドバイ』 (2013年・NHK・浅野忠信主演)
■所謂、アメリカン・ニューシネマ
・『卒業』(The Graduate/1967)
・『俺たちに明日はない』(Bonnie And Cryde/1967)
・『ワイルドバンチ』(The Wild Bunch/1968)
・『明日に向かって撃て!』(Butch Cassidy and Sundance Kid/1969)
・『ダーティーハリー』(Diry Harry/1971)
・『ロング・グッドバイ』(The Long Goodbye/1973)
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