
日本中がそうなのか、東京だけなのか知らないが。
タクシー業界の方に会ったら、ぜひ伝えたい。
後部座席に、あの小っちゃいモニターをつけて、イケてないCM動画を延々見せ続けるのを止めちくり、と。
明け方にタクシーで帰宅しつつ、シートに沈んでいる時間は俺の宝物なのだ。
思う存分、沈ませてほしーの宣言。(ほしのあき、どこ行った)
音楽もいらない。
運ちゃんのおしゃべりいらない。
CM動画ぜったいにいらない。
シルバーウィーク後半から会社に出て。
朝方まで提案書を書いて過ごす日々。
毎夜4時だか5時だか会社を出て、
フラつく足取りでタクシーを止め、
シャワーを浴びて髭をそって1時間だけ寝るために家に帰る。
明け方のタクシーがどれくらい飛ばすか、貴方はご存知だろうか。
きっとご存知だろう。
青になったとたん、暴力的に加速する。
国会議事堂。
東京タワー。
誰もいない東京は知らない街のようだ。
3時間後にはまた会社にいて会議をしている自分を思うと憂鬱だが、
俺はあの、後部座席で完全に沈殿している状態が好きだ。
空一面を覆う、
すっごい迫力のある雲を見た。
低く垂れこめ、いつだって東京中を水浸しにできると、こちらを圧するようだった。
雲の間に、顔を出した月は驚くほど大きかったが。
写真に撮ると、まあその小さいこと!
何万画素とか言っても、写真はしょせん写真だ。
俺はずっと生きていたい。
写真でなく肉眼で雲を見ていたい。
寝不足で倒れそうでなければ、もっと雲を見ていたかった。
そんなわけで、来週はたくさん肉を食おう。