『夜間飛行』

また靴を履いて出かけるのは何故だろう
未開の地なんて、もう何処にもないのに

映画 『アジャストメント』

2014-02-25 | Movie(映画):映画ってさ

『アジャストメント』
"The Adjustment Bureau"
監督、脚本:ジョージ・ノルフィ
原作:フィリップ・K・ディック『調整班』
2011年・米


それにしても、ソチでの真央ちゃんの演技は泣けましたね。

ニュースとかで5秒くらいのダイジェストを見るだけで、いまだに毎回泣いてるんだけど・・・、

私の涙腺はおかしいのでしょうか。


いや、おかしくないッ!

俺の場合、おかしいのは膀胱(ぼうこう)と肝臓だけなのだ。



そりゃ、あなた方はいいだろう。

ディック原作の映像化作品を全部見るという、重い十字架を背負っていないのだから。

あれ?

この出だし、なんか前にも書いたような?



意外にもちゃんとした映画で。

原作はディックの短編『調整班』。

「僕の知ってる世界は、実は全部、偽物でした」

という、いわゆるいつものディックなんですが。


いや~。

あのディックを、よくもまあ、こうも綺麗なラブストーリーに仕立てあげたもんだね!

でも、全然、悪くないですよ。


エミリー・ブラント、意外といいじゃないかッ!

ただ有坂来瞳に似てるというだけじゃなかった。

癖になりそな、この目。

厳密には隈(クマ)なわけ?それって?



男女の出会いは様々ですが。

この映画は、出会い方からして違う。

だいたいさぁ。


便所で独り言を喋ってるところだけは、見られたくないわけ。

特に女子には!

上院議員選挙に負けて落ち込みながらも、しょうがないから敗北宣言のスピーチをブツブツ練習してたら・・・、

聞いてんだもんなぁ、個室で!

アンタ、なんで居るのさ、ここ男子便よ。

ヤんなっちゃうなぁ、もう。


しかし、そこは、意外性のある出会いを果たした若い男女のこと。

ふと気付くと、トイレで揺れているのはマット・デーモンのKINTAMAだけではなかった。
 
乙女心だって揺れる。

ダンスを取るか、男子を取るか・・・。


上手いこと言うなぁ、俺。

誰か俺に『AERA』の中吊り広告のキャッチコピーみたいな仕事とってきてくれませんかね?

かならずや、毎週のトピックを見事KINTAMAに引っ掛けてご覧に入れます!


さて、ダンサー役のエミリー・ブラントは特別レッスンでダンスを仕上げてきた。

この映画、ダンサー観点で、是非なっちゃんに観て欲しい!


ダンサーとして大成するけど、あんまし好きじゃない旦那と結婚、か、

運命のKINTAMAと結婚するんだけど、ダンサーとしては陽の目を見ずに終わる、か。



ひみはらどーふる?(君ならどーする?)

おっと、ごめんごめん。

ちょっとキスしながらだったからさ。


個人的なこと、言わせてもらってEかな

ダメだぜ、ちゃんと大好きな人と結婚しないと。

もし、結婚するんだったらね。


■おまけ

 
しかし、いくらディック贔屓の俺でも。

さすがに古いよね。

「我々は人類が一方へ偏りそうな時、絶えず、白と黒の間のグレーの領域に引き戻すべく活動してきた」

的な設定って、もう。


この映画では「調整班」を純粋にラブ・ストーリーの味付けくらいにしか使ってなくて。

それは、それで正しい。


唯一、モロにディック的なのがこのシーン。

ビビビビビ。

これは、ほんまにおかしい(笑)


<フィリップ・K・ディックの世界>
 ■本でP・K・D!!
『去年を待ちながら』(1989年・創元SF文庫) 
『流れよわが涙、と警官は行った』(1989年・ハヤカワ文庫) 
『マイノリティ・リポート』(1999年・ハヤカワ文庫) 
『フィリップ・K・ディック・リポート』(2002年・ハヤカワ文庫) 
『最後から二番目の真実』 (2007年・創元SF文庫)

■映画でP・K・D!
『マイノリティ・リポート』 (2002年・米・スティーブン・スピルバーグ)  
『スキャナー・ダークリー』 (2006年・米・リチャード・リンクレイター) 
『NEXT -ネクスト-』 (2007年・米・リー・タマホリ) 
『アジャストメント』 (2011年・米・ジョージ・ノルフィ) 
『トータル・リコール』 (2012年・米・レン・ワイズマン) 


<Amazon>

アジャストメント(デジタル・コピー付) [Blu-ray]
マット・デイモン,エミリー・ブラント,テレンス・スタンプ,アンソニー・マッキー
ジェネオン・ユニバーサル
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アジャストメント―ディック短篇傑作選 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-20)
大森望,大森望,浅倉久志
早川書房

 


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