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経営法務研究室2023

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リアルタイム型不正行為?

2011-02-27 | (法律)
むかし大学の学部試験でもカンニングがどうこうという話はよく聞きましたが、ここまでくるとは・・・


京大2次試験問題 ネット掲示板に投稿…数・英の試験中
毎日新聞 2月26日(土)21時44分配信
「京都大で25、26日に実施された前期日程の2次試験で、数学と英語の入試問題が、試験時間中にインターネットの質問掲示板に投稿され、第三者が回答していたことが26日分かった。いずれも試験開始7分後から、数学は文系の問題すべてが流れ、英語は問題の一部だった。京大は入試問題が漏えいした可能性があるとみて調査を始めた。同じ投稿者名で早稲田大、立教大、同志社大の入試問題でも同様の投稿があり、回答があったことも分かった。」



 これは、実際に行動を起こした人が掲示板を利用したからこそ発覚したものであり、特定人と特定人のやりとりであった場合、発覚すらどうであったかということを考えるとすごいことです。

 実行者の目的が本当のところどこにあるのにかもよりますが、不完全なやり方であったための発覚ですね。


 京大を受験するという段階である程度の学力を備えているとは思いますが、掲示板からあがってきた第三者の回答をそのまま写すことで、合格という話もかなり不安なところです。まず正解かどうかを判断する能力が必要なわけで、掲示板に複数回答があがってきたら、どれかという選択の問題は起こります・・・
 
 また判断できるのであれば、要は自分で解いた方が早いわけで・・・


 だから、実際の行為者が合格点をとれたかどうかは難しいところなのかもしれません。

 あるいは複数の人たちで行われているか・・だとすれば、回答者をもともと知っている状況だと正解を記入できるような気がしますが、それでも「ヤフー知恵袋」を利用する意味がわかりません。その意味でもやはり合格は・・・

 実際に掲示板を見てみましたが、回答が試験時間内に間に合ってないであろいうと思われる部分もありました・・・



 そういえば、むかし、クイズミリオネアという番組がありましたね。クイズの問題に対して、困ったときに、ライフラインといって、問題の回答をするのにヘルプを受けられるルールでした。

 そのなかのひとつに、テレフォンというのがあって、早い話答えがわからないときに、電話をして、その人に相談できるというものでしたが、相談相手が知らないとそれまでなんですね。

 今回ので、ちょっと思い出しただけなのですが・・・・



・・・というかこの問題はそこではないですね。




 よく、施設にもよりますが、携帯電波を通じにくくするという装置があり、そうした装置を取り付けている建物も結構あります。大学側としては、自衛手段として、試験の適正を保つという意味ではそうした工夫も求められる可能性もありそうですね。今回のは、もしかしたら、きちんと試験管が監視していれば見つかったような手口かもしれませんが・・・


 ニュースでは、携帯電話という話ですが、実際上「ヤフー知恵袋」を利用している点で、スマートフォンタイプ携帯電話のような気がします。短時間での打ち込みは難しいと思いますので・・・



 今スマートフォンがはやってて、売る方も、携帯2台を持つのが当たり前のような話だとキャンペーンなども行っているので、ちょっとだけ水をさされるような感じかもしれませんね。今のスマートフォンでも機能的にもっと何とかなってほしい部分があるので、スマートフォンがもっと売れていろいろどんどん開発されていってほしいので、その意味でちょっとだけ残念です。



 あと、最後に法律のお話しですが、ニュースでは、偽計業務妨害罪の可能性という話ですね。


 判例は抽象的危険犯と理解していますので、適用には、具体的な妨害結果まで必要なしです。だととしても、さすがに、試験中の試験は少なくとも会場内では通常とかわらない形で実施したという話だと思うので、そこを「試験の公正さ」という話まで持ち出して、処罰するのは、難しい気もしますが・・・

 それと、今回の手口が、「偽計」という手段として位置付けられることですが、むかしから刑法の条文は変わっていませんが、こうして、ネットの通信環境、受信デバイス、入力デバイスなどいろいろ発達していくと偽計の概念がどんどん広くなっていきますね。しばらくは大丈夫だとしても、そのうち見直し時期がくるのでしょうね。

 業務妨害罪の範囲がきわめて広くなりますし・・

 
 今回の件も含めて、今は、刑法で処罰より、大学側の自衛を求める方向ではないかと思います。