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経営法務研究室2023

 情報の選別・整理のためのブログ。
 備忘録的利用がメイン。

企業法務で主なもの

2011-11-02 | (法律)


 企業法務では、主に問題となるものは、債権回収、労働問題、クレーム対策、契約書等書面チェックあたりであると思います。

 このうち、特におろそかになりそうなものが、労働問題です。


 会社の内部の問題であるがゆえに、なあなあになりそうなところもありますが、後日のトラブル防止のため、雇用契約書をはじめ、就業規則やそのほかの条件等については、形に残すことが望ましいです。

 
 雇用契約書、就業規則、賃金規程、そのほかの通知書類は、きちんと整えておきましょう。


 
 残業代含みの賃金の規定など、各企業皆様工夫をされています。


 自社の定め方がどうなっているのかを見直しましょう。



法人 新規設立 のときに 行うこと

2011-10-31 | (法律)

 法人設立に際して行うことについて、ご質問をいただきましたので、簡単にまとめますね。


まず、税務署に対して

1 法人設立届出書の提出            設立から2か月以内
2 給与支払事務所等の解説届出書        設立から1か月以内
3 棚卸資産の評価方法の届出書         確定申告提出期限内
4 減価償却資産の償却方法の届出書       確定申告提出期限内
5 青色申告の承認申請書            設立から3か月以内もしくは最初の事業年度終了日の早い日の前日
6 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 提出月の翌月以後に支払

次に、都道府県税事務所に対して
 事業開始等申告書

また社会保険事務所に対して
 健康保険、厚生年金保険のため
1 新規適用届          すみやかに
2 新規適用事業所現況届     すみやかに
3 被保険者資格取得届      すみやかに
4 被扶養者届          すみやかに
5 国民年金第三号被保険者関係届 すみやかに

そのほか公共職業安定所に対して
雇用保険のため
1 適用事業所設置届       雇用後10日以内
2 被保険者資格取得届      雇用後翌月10日まで

さらに労働基準監督署に対して
労働保険のため
1 保険関係成立届        事業開始10日以内
2 適用事業報告         事業開始10日以内
(3 就業規則          10人以上の場合)

が必要です。


上記の手続きは、経営者の方でも自分でできますが、依頼するとすれば、行政書士、司法書士あるいは税理士の方が適切だと思います。

賃貸借契約と更新料の話

2011-10-17 | (法律)

 本日は、勉強会でした。

 以前にこのブログでも、お知らせいたしましたように、賃貸借契約における更新料の合意が、消費者契約法10条に違反し無効ではないかということが争われた事案について、平成23年7月15日、最高裁の判断がなされ、基本的に、更新料の合意は、消費者契約法10条には、違反しないという判断がなされました。

 この最高裁判例では、更新料は、賃料とともに賃貸人の事業の収益の一部を構成するのが通常であるとの認識で、不相当なレベルでない限り、更新料の合意は有効であるニュアンスの判断で、結局のところ、諸事情を考慮して、更新料の適正さについては、判断の幅をもたせるものでありました。

 具体的に、一体更新料がどのぐらいのレベルであれば無効なのかについては、実際上なかなか判断が難しいところです。

 賃貸人としては、やはり、まずは契約書に具体的な金額を更新料として、盛り込んでおくことが重要であり、一方で、賃借人としては、更新料の合意がない賃貸借契約では、安易に応じないという対応が重要です。

 また、賃貸人と賃借人の関係に破産手続きが絡むと、なかなか難しい問題があります。

 賃貸人、賃借人、それぞれ、相手方の資力や信用危機については、敏感になっておく、なるべく早急な対応が望ましいと思います。



  

更新料の合意は有効という判断になりました。

2011-07-15 | (法律)

(ヤフーニュース 毎日新聞 7月15日(金)13時44分配信)
 マンションの借り主が賃貸借契約の更新時に貸主に支払う「更新料」について、(消費者契約法上)無効である(消費者に一方的な不利益を押しつける「無効」な契約条項である。)として、借主が貸主を相手取り、支払った更新料の返還などを求めた3件の訴訟の上告審の判断が、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)でなされました。

結論としては、更新料は「有効」とする判断がなされました。貸主側の勝訴となりました。


以前から更新料については、議論がなされているところでした。


借地借家法上は、借主側を保護していることから、個人的な考えとしては、そのカウンターバランスとして、貸主側にも一定のメリットをあたえる更新料を認めてあげる必要性はあるかと思います。

また実際上、関東を中心とする首都圏においては、更新料という考えた方は通常のことというか、賃貸借契約においてよくみられるものではないかとも思います。これを無効とするのは、現実的ではないような気がします。

その意味では妥当な判断であったと思います。


とりわけ地代は、通常はそれほど高くないので、土地の賃貸の場合には、更新料は重要な要素となり、地主としては、いただかないと難しい現状もあるとは思います。


なお、むかしから、合意書上は記載なくても、更新料をなんとなく支払っている方には、この判決は大きな意味があることになります。更新料を事実上払っていれば、更新料の支払い合意があるという見方ができるからです。


気になる方は、これを機に、更新料について、自分の賃貸借契約書ではどのようになっているのか、確認をした方がよいかもしれませんね。













ソニー情報流出問題

2011-06-11 | (法律)

  ソニー不正侵入で3人逮捕=国際的ハッカー集団か―スペイン警察

  時事通信 6月11日(土)0時22分配信(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110611-00000002-jij-int)


 【ニューヨーク時事】スペイン警察当局は10日、ソニーのネットワークサービス「プレイステーション・ネットワーク」(PSN)に不正侵入した容疑などで、ハッカー3人を逮捕したと発表した。3人は国際的ハッカー集団「アノニマス(匿名)」のスペイン国内のリーダーとみられ、ソニー以外にも世界中の政府・企業のウェブサイトに攻撃をしていた疑いが持たれている。
 スペイン警察によると、3人はスペイン国内のアルメリア、バルセロナ、バレンシアでそれぞれ逮捕された。このうち、31歳の男性容疑者は、自身のアパート内のコンピューターサーバーから、ソニーのPSNなどに攻撃をしていたという。ただ、容疑者らが、ソニーが世界の複数のグループ会社で受けているハッカー攻撃の全てに関与しているかは不明だという。』
 


 ついに逮捕されましたね。ハッカーは、通常自分の痕跡をのこさないように、プロキシ―サーバー経由や他人のPCを利用したりして、自分までたどらせないようにするようですが、逮捕に至るとはさすがですね。それでもこれだけの時間がかかるというのは、ハッカーの方たちもかなりの手練れということなのでしょう。
 
 
 日本ではこうしたことと同じようなことができるかというと、確かにやればできるかもしれませんが、現在は、だんだんと規制を強めつつあり、行いにくい環境になってきています。企業のIPアドレスなどは公開情報となっている上、数年前設けられたいわゆるプロバイダー責任制限法では、本来憲法上の要請でもある通信の秘密との関係で情報開示が原則制限されるところ、一定の場合情報開示をして良いということになりました。

それとさらに、昨年から、ネットカフェへの規制の必要が指摘され、東京都では、条例でネットカフェの利用に、証明書による身分確認などで本人確認できる状況を整えることになっています。


 これは、漫画喫茶の本人確認できる状況とISP(インターネットサービスプロバイダー)が提供するIPアドレス等の組み合わせで、限りなく個人を特定できる環境になったということですよね。

 さらに、現在では、漫画喫茶内部や外のビルにも防犯カメラもついていますので、まず行為者の特定に支障をきたすことはなくなっています。

 

 大企業のデータにハッキングという話でなくとも、違法サイトからのダウンロード等でも個人を特定しうる状況になっているし、それでの処罰(著作権法違反等)も十分可能な状況になっているのです。


 最近、ネットカフェの身分確認のながれは、東京都以外でも、千葉県で、業界自主団体によって、身分確認をしようということにもなってきています。こうした動きはいずれは、全国へという形になるのでしょう。



 ただ、だとすればなぜ一気に法律ができないかというところでもありますが、実際全国でこうした動きとなった場合、いずれは完全に個人を特定でき、個人情報を管理するシステムの構築という流れになりそうで、根強い反対もあるようです。
 
 むかしから、納税者番号など一人一人に与えて、国民を統一的に管理できないかという話もありますが、それと同じような話です。


 ちなみに、お隣の韓国では、サイトの認証に、韓国の住民番号を利用しないとアクセスできないサイトがかなりを占める状況です。
 究極的には、データ管理者にとっては、住民番号によって各人のネットの接続状況がすべてわかってしまう状況になっています。携帯電話契約や銀行取引でも住民番号が必要なので、個人の特定のキーとして広く利用されてもいます。
 最近は、住民番号でなくとも、住民番号で認証を受けてもらったID等でもサイトの認証が可能となっているようですが、それとて、結局のところ、データベースの照合可能範囲が広がったという意味でもあり、すでに、結局各人のネット生活状況と携帯電話利用と銀行取引内容の情報が管理されているような状況です。


 
 こういう社会になればなるほど、セキュリティへの意識が高くないとだめですよね。

 
 普段は、自分のパソコンに入っているセキュリティソフトとかも、無駄にPCのパフォーマンスを悪くしているだけで、本当に役にたっているのだろうかと思ってしまうのは、私だけではないと思いますが、何かあってからでは遅いんですよね。きっと。


 そういえば、先日関東圏で、ドコモの携帯がほぼ1日中不通になりましたが、あれも実はそういう類の問題であったのでしょうかね?

 最近のスマートフォンの利用者の増えっぷりといい、なんとなく、あれ以来、迷惑メールが増えた気もしますし、特に携帯キャリアのドメインで来るメールが・・・・・

  
 素人的にはウィルスとかハッカーによる攻撃の話であっても不思議ではない気もしますね・・・・(説明では、「通信設備はインターネットにつながっていないので、外部攻撃ではない」とのことらしいですが、素人的にこの説明ほんとかな?と思ってしまいます。)

→6月14日のニュースでは、位置情報等の制御装置の故障ということみたいですね。




後遺障害における外貌醜状の等級について

2011-03-09 | (法律)
 後遺障害の外貌醜状の等級のお話です。
 
 昨年の平成22年5月27日(判タ2093号)、京都地裁において、労災による男性の著しい外貌の醜状障害につき、女性の7級に対して、12級と定める労災保険法「障害等級表」は憲法14条に反するとの判断がなされました(国控訴せず平成22年6月確定)。

この判決をうけ、厚生労働省は、検討会を開催し、平成22年12月1日報告書が発表され、結果障害等級と認定基準を改正しました。

 これによって、労災保険の分野では、男女の違いで、醜状障害の等級が変わってしまうという不合理な区分が撤廃されました。

 今後は、醜状障害の等級は、7級の「外貌に著しい醜状を残すもの」、9級に「外貌に相当程度の醜状を残すもの」、12級に「外貌に醜状を残すもの」という3つの区分となります(この適用は、平成23年2月1日からとなっています。)

 なお、以前は、男性の外貌の醜状につき14級という区分もありましたが、女性の12にあわせ、14級区分は廃止となりました。


 今後は、自賠責基準なども後遺障害の等級の見直しがなされると思われます。


 もはや時間の問題でもありますので、今後は、交通事故や医療事故の示談交渉や法的紛争においては、上記のような点を考慮していくべきでしょう。


 センターニュース(医療事故情報センター発行)情報センター日誌No276 松山健弁護士(愛知県弁護士会)より~

 
 なお、松山健弁護士は、私の勉強仲間です。名古屋の方、何かございましたら、是非ご相談を。よろしくお願いします。


賃貸借契約の更新料

2011-03-06 | (法律)


更新料の事件について、最高裁での弁論が開かれるようですね。

<賃貸マンション>更新料訴訟3件、統一判断へ 最高裁
毎日新聞 3月4日(金)19時43分配信(yahooニュース)
「賃貸マンションの更新料を徴収する契約が消費者契約法に反するかどうかが争われ、高裁段階の判断が分かれた3件の訴訟で、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は、借り主と貸主側の双方から意見を聞く弁論を6月10日に一括して行うことを決めた。弁論を経て判決で統一判断を示すことになる。」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110304-00000066-mai-soci



まず一般に最高裁に上告ないし上告受理申立がなされても、最高裁は、それを門前払いすることがほとんどです。上告ないし上告受理申立がなされても、最高裁が判断するような重要な問題でなければ取り上げないのです。

取り上げても、必ず、結論が変わるというわけではないです。とりわけ、今回のように、高裁の判断が分かれている場合は、最高裁としてはどちらかの結論をとるので、どちらかだけ変更ということもあります。

さて、問題の中身ですが、これまで賃貸借契約では更新料という話しが当たり前のようになっていましたが、今回の訴訟は、それをとること自体が消費者契約法に反するのではないかという争いです。(なお、更新料の条項がない場合でも支払要求されるケースもありますが、今回は条項があっても、それは無効なのではないかという話しです。)

更新料をとることが違法であるかどうかという話しは、やはり、これまで、更新料は賃貸借契約の関係において、それなりの地位を築いてきています。
たとえば、それを払わない場合債務不履行によって賃貸借契約を解除できるという判例もでています。

また、上記ニュースによれば、現状では、「更新料が設定されているマンションは全国で100万戸以上とされる。国土交通省の10年の調査では、全国の貸主の23.5%が採用している。」とのことです。

この状況で、違法の判断は実際上難しいのではないかと思います。違法の判断をするとしても、当該賃貸借関係における他の条項との関係で(契約当初の礼金、保証金等の償却などの他の条項とのバランス)のみ、違法の余地を認めるのがせいいっぱいのような気がします。なので、そのあたりを指摘して、原審に差し戻しか、違法ではないとの判断をするかというところでしょうか・・・



この問題って、一般に社会的に弱い立場の方を保護する局面の話しなのですが、実際のところ、これは景気にも大きく左右される話しだと思います。

借地借家法、消費者契約法、労働基準法などは、社会的に不利な立場に立つ者の保護という観点からその保護を強めていますが、実際のところ不景気によって、家主、業者、使用者も弱ってきているのです。

こうした状況で、不利な立場の人を国がどこまで応援するかという問題です。

応援しすぎると家主、業者、使用者がつぶれてしまうので、素直に考えれば実際上借主、消費者、労働者は、家に住めなくなったり、物やサービスが受けられなくなったり、仕事がなくなったりとするので、もっとひどい状況になります。

つぶれない配慮をしつつ、どこにそのラインをおくかという話しなんでしょうけどね・・・・




不正行為のお話

2011-03-05 | (法律)
最近、話題になっているインターネットの掲示板を利用しての試験不正行為の話ですが、少年(20歳未満)が逮捕されたとの報道がなされています。


事件の報道当初、私としては、刑法の発動はどうかという考えをブログにて示しましたが、やはりいろいろTV等でも議論されていますね。


あと、報道当初、私は、入力文字数の多さから、スマートフォンかと思いましたが、違っていいたようですね。ごめんなさい。



ちなみに、少年法では、20歳未満である限りは、原則として少年法による手続によるので、刑事手続とは違ったながれ、処遇になります。


少年手続では、すべてまず家庭裁判所に送致となり、家庭裁判所でその後の流れを決めます。

 
今回は、不処分か保護観察ということになるような気がします。もちろん少年院の可能性もなくはないですが、状況としてそうならないような気がします。


(なお、手続中に、誕生日が来て、20歳になってしまったら、刑事手続きにのってしまいます。)


行為者の処遇ももちろん重要なのですが、やはり再発防止等議論するべきところはいろいろあると思いますので、関係者の努力に期待ですね。


お叱りをいただくかもしれませんが、当の本人もこんなに大きな問題になるなんて思っていなかったはずで、かわいそうな面もあるのは事実だと思います。








リアルタイム型不正行為?

2011-02-27 | (法律)
むかし大学の学部試験でもカンニングがどうこうという話はよく聞きましたが、ここまでくるとは・・・


京大2次試験問題 ネット掲示板に投稿…数・英の試験中
毎日新聞 2月26日(土)21時44分配信
「京都大で25、26日に実施された前期日程の2次試験で、数学と英語の入試問題が、試験時間中にインターネットの質問掲示板に投稿され、第三者が回答していたことが26日分かった。いずれも試験開始7分後から、数学は文系の問題すべてが流れ、英語は問題の一部だった。京大は入試問題が漏えいした可能性があるとみて調査を始めた。同じ投稿者名で早稲田大、立教大、同志社大の入試問題でも同様の投稿があり、回答があったことも分かった。」



 これは、実際に行動を起こした人が掲示板を利用したからこそ発覚したものであり、特定人と特定人のやりとりであった場合、発覚すらどうであったかということを考えるとすごいことです。

 実行者の目的が本当のところどこにあるのにかもよりますが、不完全なやり方であったための発覚ですね。


 京大を受験するという段階である程度の学力を備えているとは思いますが、掲示板からあがってきた第三者の回答をそのまま写すことで、合格という話もかなり不安なところです。まず正解かどうかを判断する能力が必要なわけで、掲示板に複数回答があがってきたら、どれかという選択の問題は起こります・・・
 
 また判断できるのであれば、要は自分で解いた方が早いわけで・・・


 だから、実際の行為者が合格点をとれたかどうかは難しいところなのかもしれません。

 あるいは複数の人たちで行われているか・・だとすれば、回答者をもともと知っている状況だと正解を記入できるような気がしますが、それでも「ヤフー知恵袋」を利用する意味がわかりません。その意味でもやはり合格は・・・

 実際に掲示板を見てみましたが、回答が試験時間内に間に合ってないであろいうと思われる部分もありました・・・



 そういえば、むかし、クイズミリオネアという番組がありましたね。クイズの問題に対して、困ったときに、ライフラインといって、問題の回答をするのにヘルプを受けられるルールでした。

 そのなかのひとつに、テレフォンというのがあって、早い話答えがわからないときに、電話をして、その人に相談できるというものでしたが、相談相手が知らないとそれまでなんですね。

 今回ので、ちょっと思い出しただけなのですが・・・・



・・・というかこの問題はそこではないですね。




 よく、施設にもよりますが、携帯電波を通じにくくするという装置があり、そうした装置を取り付けている建物も結構あります。大学側としては、自衛手段として、試験の適正を保つという意味ではそうした工夫も求められる可能性もありそうですね。今回のは、もしかしたら、きちんと試験管が監視していれば見つかったような手口かもしれませんが・・・


 ニュースでは、携帯電話という話ですが、実際上「ヤフー知恵袋」を利用している点で、スマートフォンタイプ携帯電話のような気がします。短時間での打ち込みは難しいと思いますので・・・



 今スマートフォンがはやってて、売る方も、携帯2台を持つのが当たり前のような話だとキャンペーンなども行っているので、ちょっとだけ水をさされるような感じかもしれませんね。今のスマートフォンでも機能的にもっと何とかなってほしい部分があるので、スマートフォンがもっと売れていろいろどんどん開発されていってほしいので、その意味でちょっとだけ残念です。



 あと、最後に法律のお話しですが、ニュースでは、偽計業務妨害罪の可能性という話ですね。


 判例は抽象的危険犯と理解していますので、適用には、具体的な妨害結果まで必要なしです。だととしても、さすがに、試験中の試験は少なくとも会場内では通常とかわらない形で実施したという話だと思うので、そこを「試験の公正さ」という話まで持ち出して、処罰するのは、難しい気もしますが・・・

 それと、今回の手口が、「偽計」という手段として位置付けられることですが、むかしから刑法の条文は変わっていませんが、こうして、ネットの通信環境、受信デバイス、入力デバイスなどいろいろ発達していくと偽計の概念がどんどん広くなっていきますね。しばらくは大丈夫だとしても、そのうち見直し時期がくるのでしょうね。

 業務妨害罪の範囲がきわめて広くなりますし・・

 
 今回の件も含めて、今は、刑法で処罰より、大学側の自衛を求める方向ではないかと思います。
 


NHK受信料

2011-02-18 | (法律)

「受信料督促訴訟でNHK敗訴(神戸簡裁)、全国2例目」というニュースがながれていました。「NHKによると、今年1月末までに全国で1491件の支払い督促を申し立てており、そのうち、547件で訴訟を提起した」とのことです(2011.2.18 01:30 産経ニュース)。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110218/trl11021801310001-n1.htm

昨年にも、「NHKが初めて強制執行で受信料回収」(2010.9.3 19:26産経ニュース)とうニュースがありました。 NHKにおいて、「受信料の支払い督促に応じないため東京地裁立川支部に強制執行」に出たとのことでした。


HNKもかなり積極的に法的対応をとっていますね。


この受信料請求の根拠ですが、ご存じだとはおもいますが、法律上の根拠があります。直接的には、受信契約に基づく請求であり、合意に基づくものですが、態様としては、その契約を締結する義務を課すという法律が設けられているのです。


放送法32条(受信契約及び受信料)がそれです。

第1項において、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」と規定しています。もっとも違反に対する罰則等はありません。


 この「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者」に該当するかについて、熾烈に議論されているところです。

 いろいろ解釈上の話しもあるとは思いますが、本当は、スキーム自体の見直しが合理的なのでしょうね。

 テレビなどの販売するところから課金できればこのような問題は起きないし、もともと、NHKが予定しているのは、極論すればテレビさえあれば、支払っていただくというスタンスに近いものではありますからね。実行するには、いろいろ問題点はあるのでしょうが・・・


なお、受信料は、放送法32条第2項において、免除が予定されています。この免除には、全額免除と半額免除があるようですが、生活保護を受けている方や障害者の方などにそうした制度がもうけられているようですね。
また、受信料の金額は、放送法上国会が定めることが予定されています。

プロ野球選手の年俸調停

2011-01-30 | (法律)

 西武の涌井選手の年俸調停(参稼報酬調停)の結論がでたようですね。

 2億5300万円(3300万円アップ)のようです(球団側の主張は2億2000万円、涌井選手側の主張は2億7000万円)。


 報道でも、「涌井の勝ち!3300万円増で調停決着」(サンケイスポーツ 2011.1.29 05:04)とされていますね。
(http://www.sanspo.com/baseball/news/110129/bsg1101290504001-n1.htm)、

 また、実際に担当された年俸調停の堀内恒夫委員によれば、「2億2000万円と2億7000万円の数字の間を考えていただけると、勝った、負けたかではなく、どちらがプラスの要素が多く、どちらがマイナスの要素が多かったかが分かると思うし、それを数字で示したつもりだ。(両者の主張の)間を2億4500万円と考えると、(2億5300万円は)66パーセントにあたる。金額については、これが適切であると信じて疑いません。 」とのコメントをされています(日本野球連盟機構「参稼報酬調停に関するコメント」
http://www.npb.or.jp/npb/20110128comment.html)。


選手の実績の評価はいろいろな見方があるので、それはさておき、結論自体は、涌井選手よりという理解でよいかと思います。




さて、今回の結論に関連して、注目するべき点がいくつがあります。


まず、①今回の年俸調停が新制度のもとでの初めてのものであったことです。
これまで、年俸調停(参稼報酬調停)は制度創設後30年経つそうですが、実際にこの調停を利用した選手はあまりおりませんでした(涌井選手以前は6名らしい)。従前の調停委員構成メンバーはコミッショナーのほかセパ両リーグの会長という話だったので、メンバーからして球団側寄りの可能性がある点で、制度の信用性自体が十分ではなく、この点が選手会長等、労組から批判されていたようです。しかし、新しく調停委員の構成を変え、今の制度では、委員3名中2名を元検事、弁護士で構成しています。その新調停委員のもとでの最初の判断が今回の判断でした。改革として行っている以上、やはり従前と違う結論を出さないと意味がないので、その意味で今回の判断は有益だと思われます。


そして、②今回の年俸調停が、選手側の主張よりの結論を出したことです。
これまで利用がわずかだったうえに(過去6回)、その利用したケースを見ても、調停の結果は、ほぼ球団側が主張する通りの結果を出す形でした(1992年オフになされた高木選手の調停だけ選手側のようですが・・・(選手側1億0263万円球団側9330万円のところ9840万円という結論で選手より)) 。
今回、一応の選手側よりの結論という意味では、これによって、今後、選手側にとって調停利用することに一定の期待できるとはいえます(同様の制度はメジャーリーグにもあり、活発に利用されているみたいです。)。


さらに、③今回調停にあたって調停員会側ならびに各調停委員がコメントを公表していることです(日本野球機構オフィシャルサイト 2011年1月28日「参稼報酬調停に関するコメント」 http://www.npb.or.jp/npb/20110128comment.html)。
本来調停委員会や調停委員があえてコメントをしなくても、本来は、社会的な見地から各当事者から記者会見がなされるところであり、あえて手続きに関与する者のコメントを出さなくても良いところだと思います。あえて出したことによって、今後の指針とする意図が見て取れます。

とりわけ、調停委員会として、「プロ野球選手の参稼報酬の決定方法等について」コメントを公表し、報酬の決定方法について明言している点は重要です(日本野球機構オフィシャルサイト 2011年1月28日「株式会社西武ライオンズと涌井秀章選手との間の参稼報酬調停の要旨」 http://www.npb.or.jp/npb/20110128doc.html)。この公表は、選手にとって有益なところであり、今後一つの指針とならざるをえません。そして、その基準は、選手の実績をベースに判断することは当たり前だとしても、「なお、」書きとしてですが、「選手のモチベーション」、「球団の魅力の維持向上」などを考慮し、「他球団の選手の参稼報酬の例をまったく無関係とすることは妥当性を欠く場合がありうる。」と明言した点は、より重要だと思われます。要は、個人の実績だけではなく、ほかの球団の選手の額等を持ち出すことをOKとする余地を認めています。

こうした点は、調停の結論に先立って、参議院議員までされた江本先生が自身のブログで「楽天の田中マー君が8月以降投げずにチームは最下位に。それでもマー君はアップして1億8000万円で、その差は2000万円。因みに涌井14勝、マー君11勝。涌井から見たらとても納得がいかないだろう。」と指摘されていましたが、こうした話も考慮する場合もありうる話なのでしょう。実際のところ、今回涌井選手は、ダルビッシュ投手の資料を提出されたとの報道がありましたが・・・


こうした点からすると、今までとは違って、選手側にとって、一応の指針が示され多少利用しやすい制度へ変わったといえます。



 なお、年俸調停について補足しますと、これは、一般にいう調停とは違って、裁判所が関与しているわけでもなく、あくまでも自主的に内部に制度を設けているというものにすぎません。なので、だれが調停委員をするか、調停委員がどんな権限を持つかも自分たちで決めているところなのです。
 もっとも、選手の実績の評価は、いろいろあるとしても、調停をしたにもかかわらず、出した結論が、球団側が主張している金額とまったく同じという話では、制度の信用自体がゆらぐところではあると思います。だから、今回、構成を変えた新調停委員での調停になったというわけです。
 しかし、こうした制度にも限界はあります。まず、調停委員の数が3名なので、絶対的に不足しているということです。また前提として、次のシーズンに入る前には完全に結論をださなきゃいけない制度であるはずなので、時間に制限もあるのです。このようなことからすると当然何件も処理できません。

 なので、この年俸調停は選手のみんなに利用してほしいという話としてはとらえるべきではないのでしょう。

 このことは、調停委員が「附言」として、「およそ参稼報酬は、双方の誠意ある交渉による合意により定まることが最も望ましい」として、さらに、「交渉の過程で、西武球団側にも、妥結に向けてのもう少し柔軟かつ積極的な姿勢が見られてもよかったのではないかと考える」として、あえてコメントを残した点にもうかがえます(日本野球機構オフィシャルサイト 2011年1月28日「参稼報酬調停に関するコメント」 http://www.npb.or.jp/npb/20110128comment.html)。

 要は、調停委員会として指針をも示しましたが、制度を積極的に利用せよというよりは、むしろ、球団側がしっかりしてください、きちんと話し合いをして、対応も柔軟にせよというスタンスなんですね。




 実際、野球は、サッカーに押されているところもありますしね。こうした問題は、プロ野球全体にかかわる問題ととらえるべきなのでしょう。子供たちも詳細はわからないまでも、何かがあったことはわかりますからね。プロ野球を目指す子供たちが減ったら、プロ野球界に影響もあるはずですし・・・





 


肉、米の産地ってやはり重要?!

2011-01-07 | (法律)
皆さんは、お子様牛丼って知ってますか?

そうです。すき家のお子様牛丼です。数年前、店舗数でトップの吉野家を抜き業界1位となったすき家には、店舗展開がテーブル席を設ける形での店舗を予定していることもあり、お子様メニューも用意されています。


親を取り込むには、まず子を取り込めということなのでしょう。


最近の外食産業のお客様へのアピールは二つあって、ひとつはお子様メニュー、おまけ、サービスの充実ともう一つは産地の明示です。


この産地は、親にとっては、重要です。自分にもそうですが、それよりも子供には変なものは食べさせられません。



そういえば、昨年12月、牛肉と米の産地偽装問題がありました。


牛肉は、松坂牛の問題。 (2010年12月16日 asahi.com)  http://www.asahi.com/national/update/1216/SEB201012160050.html

米は、コシヒカリの問題。 (2010年12月23日 Sponichi Annex ニュース) http://www.sponichi.co.jp/society/news/2010/12/23/03.html。


それだけ、産地やブランド等は売るにあたっては、重要ってことなんです。


産地偽装は、JAS法(農林水産省管轄)、食品衛生法(厚生労働省)、景品表示法(公正取引委員会)、不正競争防止法(経済産業省等)、詐欺罪等などの問題となる可能性があり、それぞれ、管轄の改善命令や罰則などが設けられています。

ちなみに、米については、2008年に、工業用米を食用として販売していたことが発覚した事件をきっかけに、「米穀等の取引等に係る情報の記録および産地情報の伝達に関する法律」、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部を改正する法律」が平成21年にできました。なので、こうした法律の影響を受けてか、上記のコシヒカリのサンプル検査がなされたりしていて、しかも結果がきちんとニュースになってくれるんだなあとは思いましたが・・


やはり親としては、子どもに食べさせることができるものかどうかが重要ですよね。


私は、家族でどこかへ食事に入るときには、必ず産地をチェックしています。でも、そこが偽装とか虚偽とかという話になるとほんとに困っちゃいますよね。


ちなみに、私は、すき家には自分では良く行っていますが、家族では入ってません。


もちろん、すき家も、産地情報出しています(http://www.sukiya.jp/menu/)。


オーストラリア、ニュージーランドは良いとしても、メキシコがいろいろ議論されているところでしたねぇ・・・・


すき家では、大丈夫とコメントしてくれています。


ただ、BSE問題のとき、日本とメキシコで、FTA(自由貿易協定)が結ばれ牛肉を輸入する際、メキシコ産牛肉についてはいろいろ議論はされていました。
いつのまにか立ち消えてしまったんですねぇ・・・








ライブドア訴訟一審判決

2010-09-11 | (法律)
有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決済)、虚偽の風説を流布したことが問題とされたライブドアの株主の損害賠償請求訴訟の判決が、平成21年5月21日にでました。

 原告らの主張では、被告らの責任根拠規定につき、証券取引法にとってかわった、金融商品取引法21条の2や24条(役員)などを使い、特に興味深いのは、損害論で、推定規定の金融商品取引法21条2第2項を用いました。

 具体的な主張としては、報道時ないし強制捜査時の1月16日前後1か月の1株当たりの平均株価の差額を損害額としています。

 対して、一審裁判所は、前後1か月の1株当たりの平均株価の差額を損害としたものの(金融商品取引法21条の2第2項の推定規定を適用)、さらに、金融商品取引法21条の2第5項をも適用し、裁量減額をしました。

 この点はもめるところでしょう。

 裁判所の判断は、確かに、粉飾決済によって株価は下がった。でも、ほかの原因でも下がったというべきである。だから裁量減額しましょうというものですが、問題は、粉飾決済以外の事情として考慮をした事情の内容です。

 判決がその他の株価の下落要因とした事情は、強制捜査、東証の上場廃止の示唆、開示注意銘柄への指定、管理ポストへの指定、役員逮捕事実、役員経営陣退任といった事情ですが、これらは、粉飾決済がなされれば、通常の流れの中ででてくるものばかりで、虚偽記載(粉飾決済)以外の事情といえるか微妙でしょう。

 いろいろ考え方はあるとは思いますが、確かあのとき、ライブドア株だけではなく、市場全体が落ちました。見方によっては、市場の空気によって下がった部分があるとも思うので、日経平均株価等の下落率をみて、1株当たりでその下落率に相当する部分は損害から差し引くとか・・・バランスとしては、裁量減額をするのが良いとしても、何かもうちょっとだけでも遠い事情に置き換える必要があるような気がします。


 民訴248条、金融商品取引法21条の2第2項を使いこなすのも簡単ではないということですね。