The Clinic Style

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風邪薬について

2007年12月20日 | インフルエンザ 風邪
総合感冒薬と漢方薬の違いについてお話しします。本来カゼで熱が出るのは、ウイルス感染に対する免疫反応であり、熱によりウイルスをやっつけようとしているわけです。総合感冒薬には解熱剤、咳止め、鼻水止めなどがはいっていますから当然飲むとその時は治ったように思えますが、治っているのではなく症状を隠しているだけなんですね。カゼのウイルスをやっつけるお薬はありませんので、結局カラダの免疫細胞たちがやっつけてくれるのを待たないといけないんですが、それまで症状を隠しておくのが総合感冒薬です。ただ解熱すると治るまでの時間が延びるという報告もあります。これは上記の理由からも当然かもしれません。一方、漢方薬はどうでしょうか?通常、カゼの初期2日間くらいは葛根湯や麻黄湯といった麻黄剤(写真:麻黄)を発熱発汗を促すために処方します。まずしっかり熱を出してやるようにするんです。その後も続く軽度の発熱などの諸症状には柴胡剤を、またさらにカゼが長引いて体力が無くなってしまった場合は補剤を処方します。また咳のカゼ、鼻水のカゼ、胃腸カゼであればその症状に応じてさらに処方を追加します。このように、病気の状態や体の状態、症状に応じて治療薬を変えていくのが漢方治療なんです。いわゆる元祖オーダーメイド治療といえますね。


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