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70年代の名作達を少しずつ自分の目線から紹介します。

NYLON CORTEZ

2013-05-07 07:05:47 | 70s


ナイキ創立当初から、現在まで約40年余りに渡り販売を続けているナイロンコルテッツ。比較的、目にする機会が多い気がしますが、まだまだ謎の多いモデルです。
1975年、ナイロンコルテッツは、それまでのものに少し手を加え、モデルチェンジしました。これが、一般に言うナイロンコルテッツ2nd ver.です。



アウトソールにも筆記体のロゴ付きのヘリンボーンを搭載し、3層構造のアウトソールにより極めて履き心地の良いものになっています。
このモデルは、クロスカントリー、ウォームアップなどに主に用いられたようです。



スタンプは、緑色。
この頃までの日本ゴム社製品に使われているアーチサポートは、劣化が無く殆どが柔らかいままの状態を保っています。本当に素晴らしい素材の選択だったとアーチサポートファンを唸らせます。

私の所有しているこのコルテッツにのみ見られる不可思議なポイントがあります。ヒールカウンターに、まるで新車の納車時につけられているかの様なビニールが縫い込まれているのです。





最初は、手違いか偶然の産物かとも思いましたが、両足にそして同じ箇所にあるので、どうやら間違いなどではなさそうです。
日本国内販売が1977年に正式に開始される以前のモデル達はほぼ100%アメリカで販売されていました。
日本国内で生産し、アメリカまで長い船旅を経て販売店舗にたどり着くまで輸送、運搬を繰り返していくうちに、ヒールのスエード部分が擦れて変色してしまうのを防ぐ為にビニールで、コーティングしたのでしょうか。
そうは思えませんが、今は何も言えないのが現状です。他にも同じ様なサンプルがあれば考察もできるのでしょうが。



箱も現存し、当時の背景を伺い知る事ができます。値段は、23.95ドル。プライスリストには、24.95ドルとの記載があるので、少し安いディスカウントデパートなどでの販売だったのかもしれません。
日本では、1977年夏より6800円で販売が開始されました。

品番は、2135。
アートナンバーは、ED10788A。



反対側のモデル名のスタンプの隣に、レジスターマークがスタンプされています。今まで、数多くこのタイプの筆記体の箱を見て来ましたが、レジスターマークが記載される日本製の筆記箱は、これ以外に見たことが無く、非常に珍しいケースだと思います。

この様なスタンプひとつひとつを見ながら、当時の時代背景に思いを馳せる。私にとっては、この上ない至福のひと時です。