ケロブウ王国

ボディビル、ハード・ロック・バンド(ギター)、映画、読書感想文、カブトムシの飼育など趣味に関することを気ままに綴ります。

ゆれる死刑

2012年02月05日 | 読書
私は死刑支持派です。
確かに死刑反対派が指摘するように、死刑にはえん罪の可能性、終身刑との非連続性(生死が両者を分ける)、死刑囚の更生の可能性を摘む、犯罪の抑止に効果がないといった欠点(これらのいくつかが欠点なのか?とは思いますが)があります。
でも私は肉親が犯罪により命を奪われたら、きっと死刑を望むと思います。

この本の著者は死刑支持派なのか死刑反対派なのかを明確にしていませんが、死刑の問題点を説く部分が多いこの本の構成を見るに、死刑反対派なのだろうと思います。
まあ色々な意見があることはいいことだと思います。

著者は米国の死刑の事例を結構細かく取材しています。
死刑囚へのインタビュー(米国では可能なのです)、執行への立会(米国では条件付きで認められています。なお執行方法は主に薬物注射のようです)や裁判や検察として係わった人へのインタビューがいくつも載っていて、そういった取材が結構困難な日本との違いに驚かされました。

確かに死刑囚へのインタビュー(しかも何人かは自分の行った罪に対して悔悛しているようです)や死刑執行の様子を書けば、「合法的とは言え、人が人を殺していいのか?」という死刑に対する反対がなされるのはわからないでもありません。

しかし私はこういった議論は加害者の人権ばかりに偏った意見で、被害者に対する配慮に欠けていると思います。
もっと生きられた人が犯罪に巻き込まれたが故に、突然命を奪われてしまったわけで、その無念さを思うと気の毒でなりません。
国際的な世論がどうであれ、私は死刑に賛成です。




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