治癒

卒業式でした。
朝早くからときメッセにてメイク、ヘア、着付け、写真をやってもらいました。

ヘアの順番を待っているときに、
あたしの方を見てにこやかに手を振る女性がいました。
あたしはあたしの中の記憶を総ざらいしましたが、
約１５秒ぐらい全くだれだかわからず、
１５秒後に彼女がだれだか、気付きました。

もう２年も経ってしまいましたか、
「嫌い」という言葉より、「憎い」という言葉の方が適切だった女性です。
当時はたくさんの嫌な思いをし、
顔も見たくないと思ったものです。
なぜ、あたしに向かって笑顔でいられるのかわからず、
怒りがこみ上げたこともありました。
当時はできるだけ視界にいれないように、
意識しないように心がけていましたが、
今日、彼女から手を振られても誰だかわからなった自分に、
あの頃の傷が癒えたのだなと思いました。
絶対に癒えることはないと思っていたけれど、
月日があたしを救ってくれたのだと思います。