鍼灸師 てっかんの奮闘記 ~師曰 愚按曰 問曰~

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病を立体的に把握するには 4

2011年05月07日 | 診察法
病を立体的にイメージするためには

あらゆる角度から

診察をおこなっていく必要があります。

それは東西の医学に限らず。

治療においては

どうしても経絡に転換しないといけません。

これが治療では平面図と言われる所以です。



病の体表での反応は多層的であり

単一の反応を表現している事は非常に少ないです。

逆にいうならば

一つの方法に拘ることは

自ら治療の有効範囲を狭めることになってしまいます。




その多層的に体表に表現される生理的病理的反応には


1.病因に応ずる反応(病因の六気=風・熱・暑・湿・燥・寒)

2.季節循環、気候の五運〈春・夏・長夏・秋・冬〉の反応

3.病臓に直接的に反応しているもの

4.体質やライフスタイルに対応した反応

5.病位を示している反応

6.痰飲や瘀血などの病理的生理的産生物に対応した反応

7.病態に対応している反応(寒・熱・湿・燥)

8.剛柔・長生に関連する反応(五行のバランス反応)

9.子午・運気に応じるツボの開闔を表現している反応

10.経脈の走行部位(支配領域)における
   皮部・経筋などの変動に関連した反応
   
などが体表に反応として存在しています。


日々臨床の場においては、それらが複合に絡み合って反応を現しています。

それらを正確に把握するためには

人身の全面と病候の全体を立体的に観察することが必要になってきます。


体成分としては〈衛・気・栄・血〉を主とし

部位論的には〈前・後〉〈腹・背〉〈左・右〉〈頭・体幹・四肢〉〈上・中・下〉

機能的には

(皮毛鋤サ理・血脈・肌肉・筋・骨)

〈関節・筋膜・腱・軟骨・腱板・関節包・骨膜・骨髄などの機能組織学な側面〉

などを

論理的に医学的に加工することができなければ

診断は成立しないことになります。


特に人身の生理的病理的現象や

機能を五行論的な集合として考察するという

漢法医学の特徴を考慮し

また経脈にも陰陽五行論的に所属させている点を考慮すれば

病証の把握を

五行・五臓に集約することは

臨床の必要にもなっており有用なものとなっています。

前回は「診断は陰陽 治療は五行」とありましたが

八木先生は「診断は五行 治療は陰陽」と皮肉って

おしゃっておられました。


でも言わんとしているところは同じです。




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