ロケットエンジン用液体酸素ターボポンプの最大流量に対する4分の3流量付近での流体解析結果です。
次図のようなターボポンプの液体酸素流れを示す流線群を見ていただくと、液体酸素ターボポンプ流れ解析シミュレーションが問題なく進んでいることを分かって頂けると思います。
次は液体酸素ターボポンプの羽根表面を液体酸素が流れている状態を圧力分布と流れ線で示しますが、インペラ入口から出口に向かって液体酸素圧力を上昇させている様子が分かります。
次図は、ポンプ羽根のシュラウドに沿う円錐曲面上流れ面での流線を示しています。
この図を見ると、インデュサーシュラウド付近流れ面でのインデューサー入口部では相対速度流れ線に対してインデューサー羽根の入口迎え角が寝すぎていて羽根入口負圧面に衝突している様子が分かります。
この流れ解析では設計点流量よりも多い流量が流れているとしてもインデューサーシュラウド羽根入口角度は寝すぎなので、次の改設計で修正を加えるべき形状です。
次図はインデューサー流れ表面とインペラ流れ表面での圧力分布を示しています。
インデューサー側は圧力が低くなり、インペラ出口側に行くほどに圧力が高くなります。
次図もインデューサー表面とインペラ表面での圧力分布を色分けで見たものです。
インデューサー入口表面で見えている本来圧力が低い領域が今回の流量の結果では相対速度ベクトルの衝突により圧力が高い分布となっています。
次図は解析計算モニタリング画面での解析計算収束終了時のものです。
設計した各種パラメーターでの収束が無理なく終わっています。
このようなロケット用液体酸素ターボポンプの設計点付近の流量での流れ解析シミュレーションの結果もそろそろお見せできるでしょう。
<今日の流れ>
今日の午前中は現在それぞれの女性エンジニアが担当してくれているプロジェクトの方向性を打ち合わせることが中心です。
弊社の現在の仕事状況としては、3月末までのような同時に5プロジェクト以上を進める忙しさは減り、数件の開発設計と、ひとつの割と手間のかかる流体解析請負だけなので、手が空く数人にはロケット設計と解析関係の作業をそれぞれにひとつのテーマを持ってもらって進めています。
よって自分も自由な設計が出来る時間が増えていますので、次のような設計課題を行っていく予定です。
1.ロケットターボポンプの計画設計
2.水力・風力・蒸気・ガスのそれぞれの最適なタービン発電機パッケージ50kwクラス標準機の計画設計
3.宇宙航空機関係の構造最適化設計