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流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

ロケットターボポンプのタービン設計のベース技術となる単段衝動蒸気タービン発電機

2018年02月22日 | 液体ロケット流体システム設計

ロケットターボポンプのタービン設計のベース技術となる単段衝動蒸気タービン発電機の設計製作事例です。

次が単段蒸気タービン発電機の組立て3面図です。

次が3次元設計したタービン発電機全体の立体図です。

単段衝動蒸気タービンの回転数は4万rpmとなり、それを並行軸歯車減速機で減速して2極3600rpmの発電機を駆動しています。

タービンの軸受け潤滑とギアの潤滑には油ポンプで強制潤滑をかけています。

潤滑油溜めは架台の中にあり、自然空冷となっていますが水冷化も可能です。

次は単段衝動タービンの3次元設計の姿ですが、ブリスクタイプのシュラウドなしタービン羽根となっています。

タービン主軸との締結はフランジ取り付け方式を使っていて、貫通軸でのキー溝タイプでは軸穴への4万rpmでの強い遠心力による応力集中が構造解析で分かり、よってこの取り付け方を採用しています。

次は実際に製作したこの単段衝動タービンのタービン関係部品の写真です。

ブリスク形状のタービン羽根はフランジ取り付けで主軸に組み付けています。

タービン主軸の蒸気シール部にはメカニカルシールを使っていますが、割とメカニカルシールの回転抵抗が大きくなっていたので、現在であればカーボン系のセグメントシールを使うでしょう。

タービン羽根の直径は120mm程度の小さなものです。

タービン回転部の1次危険速度は主軸を剛性軸として設計して5万rpm程度だったので、弾性軸設計を使わずにすんでいます。

タービンノズル部は、ほぼ全周流入の静翼的な超音速拡大ノズルの集合となっており、これもブリスク方式で造った後にノズルケーシングに特殊な方法で固定しています。

以上の単段軸流衝動タービン設計製作技術は有効にロケットターボポンプのタービン部設計技術に応用出来ます。

<今日の流れ>

今日は設計を急がなければなりません。

幸い来客も用事もなく、設計に集中出来そうです。

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