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流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

水力発電 小型ペルトン水車発電装置 設計・製作・据付・試運転事例

2009年06月29日 | 再生可能エネルギー発電タービン

今日も、水力発電に使用する「小型ペルトン水車発電装置」の設計・製作・据付・試運転の事例をご覧頂こうと思います。

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上写真が小型ペルトン水車発電機を現地に据え付けて、これから運転を始めようとしている様子です。

このペルトン水車は、中のバケット型ランナ動翼が運転中でも見れるように手前にアクリルのふたを取り付けていますので、運転を始めるとなかなか面白いですし、もし運転中に水車にごみ詰まりその他の不具合があった場合もすぐにわかります。

そのようなアクリル窓を付けるように設計するのは、私のひとつのこだわりで、それが可能なのも片持ち式のランナとして設計しているからです。

そして、この写真の左下を見て頂くとお酒がありますが、これは水力発電の運転の最初では水神様にお神酒を捧げて無事な運転を願うということをしています。これは、祖父が水力発電機の設計・製作をしていた時代からそうだったようです。

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ペルトン水車というものを技術的に説明するとすれば、わりと理論は単純で、ノズルから水を噴射してその水をスプーンを2個組み合わせたようなバケットと呼ばれるお椀のような羽根で受けて回るという分かりやすいものです。

水の噴射ジェットについて言えば、水にかかる圧力を全部無駄なく水ジェットの速度に変えることが出来るように詳細にノズル形状を設計します。

また、水量の変化に対しても最適なジェットスピードとするべくニードルと呼ばれる水量調整用の針状バルブのようなもので対応が可能となっています。

写真ではノズル左側にあるハンドルでニードルの出入りを手動調整します。

そして、最も効率の高い運転状態とするためには、ペルトン水車バケット中心の周速度は、ノズルからの噴射ジェット流速度のちょうど半分ぐらいとなり、その回転数に合った発電機を選定することとなります。

以上が、小型ペルトン水車水力発電についての簡単な説明です。

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