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流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

「湯けむり発電」は、「トータルフロー発電システム」なのです

2012年10月10日 | 再生可能エネルギー発電タービン

現在当社が大分県別府市にて開発を進めている通称「湯けむり発電」は、発電方式を正式の理論的な呼び方をすれば「トータルフロー発電システム」となります。

トータルフロー発電システムとは、地熱発電の方式の中のひとつであり、20年以上前には盛んに米国などで理論の確立が行われ、色々な実験研究も行われた地熱発電システムです。

つまり地熱発電の方式は次の3つが熱サイクル利用方式として考えられます。

1.通常の地熱発電 

  熱水温度150℃以上にて、熱水から蒸気のみを分離し蒸気タービンで発電を行う方式

2.トータルフロー発電 

  熱水温度100℃~150℃にて、熱水エネルギーをそのまま熱水タービンで発電する方式

3.バイナリー発電

  温度100℃未満の熱水の温度を別のガス蒸気に与えて、ガス蒸気タービンにて発電する方式

これら3方式の中ではトータルフロー発電システムがそのままの熱水エネルギーを使うので、同じ熱水からは最も多くのエネルギーを得られる方式であり、元々の熱水エネルギーのトータルのエネルギーを使えることから、トータルフロー発電システムと呼ばれています。

これまではトータルフロー発電システム用の熱水タービンを高性能化することが難しく、それにより実用化が阻まれてきましたが、その高性能化に目途をつけたのが現在別府市で行っている一連の熱水タービン発電実験なのです。

せっかく別府で行っているので、「湯けむり発電」というどちらかと言えばのどかな感じの名前を付けていますが、実際は熱水エネルギーを効率良くタービンの高速回転力に換える新方式の地熱水タービン発電と言って良いと考えています。

トータルフロー発電システム実験の様子です。湯けむりがもうもうと出てます。

20121010

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