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流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

遠心ポンプ入口直径の設計計算:ステパノフ(Stepanoff)の経験式より計算した場合

2021年12月28日 | 流体機械設計

遠心ポンプ入口直径の設計計算のひとつとして、ステパノフ(Stepanoff)の経験式より計算した場合を示しています。

遠心ポンプの入口直径D1、入口流速V1、昇圧ヘッドHp、比速度Ns として

 入口流速係数をKm1とすると

 V1 = Km1×√(2×重力加速度g×Hp) となり

 Km1 = (0.09 ~ 0.11) + 0.00023×Ns となる。

 計算例として、ターボポンプ遠心ポンプを考える。

 遠心ポンプとして昇圧ヘッド(m)Hp=1133.7mとして、

 流量Q毎秒150Liter=9 m^3/min

 回転数N(rpm) 10000rpm とすると

 比速度Ns=10000×√9/1133.7^0.75=153.5

 よって Km1 = 0.1 + 0.00023×153.5 = 0.135305

 ∴ V1 = 0.135305 × √(2×9.8×1133.7) = 20.169 m/s

 流量Q=(π×D1^2/4)×V1なので、4×Q/(π×V1)=D1^2 ∴D1=√(4×Q/(π×V1)) となり、

 この遠心ポンプでは、D1 = √(4×9/(π×20.169)) = 0.7538 m = 75.4 mm と計算できる。

 ステパノフの実験的出口周速係数Kuは、羽根出口角β2が22.5度においてはKu=1.0となるので、

 羽根出口周速U2 = Ku×√(2×g×Hp) = 1.0 × √(2×9.8×1133.7) = 149 m/sと計算できる。

 よって羽根出口直径D2は、D2=U2×60/(π×N)=149×60/(π×10000)=284.7mm となる。

 羽根出口角β2を22.5度より大きくすればKuが小さくなりU2も小さくすることが出来てD2も小さくなる。

 Ku=0.9とするとU2=134.1となり、羽根出口径D2は、D2=256.2mm と小さくなる。

 その場合のD1/D2の比は、D1/D2=75.4/256.2=0.2943 となり比速度推定入口出口値比0.3に近づく。

 

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