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流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

プロペラ水車ランナ(回転する動翼)の完成

2010年03月03日 | 再生可能エネルギー発電タービン

近頃一連でご紹介しています大分県内に建設中の小型水力発電所に設置する水車発電機用プロペラ水車の部品として今日は、回転する動翼(水車ではこれをランナといいます)の完成している様子を載せてみます。

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上写真がプロペラ水車ランナです。

ピッチ(取付角度)を変更できる黄銅系合金製のピカピカの羽根が5枚、これも黄銅系合金製の球面ボスに取り付けられています。

運転中はこのブレードの取付角度は変更できませんが、水車を分解点検する場合には角度を手動で可変出来るので、最高効率運転方式をいろいろと試してみることも可能です。

5枚ブレードの横には、円錐形のスピナーが置いてあります。

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上写真は、プロペラランナを横から見たものですが、手前の羽根の断面が翼型になっているのが分かっていただけると思います。

手前の翼型からボス部までに翼型の異なる断面が滑らかに変化しながら続いており、また翼型自体の設定角度も異なるためブレード全体がねじれています。

このような翼型があるために、相対速度にて翼に対して入る流れが翼に揚力を生んで回転するという考え方も出来ますが、もうひとつの考え方としては翼間の流れを中心に考えて翼間を流れた水がそこから流出する際の反動で翼が回転するという運動量の変化による考え方もありますが、自分的には内部流れとしての翼間流れ重視の考え方で設計を行います。

そうすると重要なパラメーターは、速度ベクトルの変化を翼がいかに生み出すかということになり、解析での注目点も速度変化が設計意図どおりになっているかということになるわけです。

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最後の上写真は、ランナにスピナーをかぶせてみたものです。

割と太いスピナーとなっているのも、来年度の研究でこのスピナー内にランナ羽根ピッチ可変機構を組み込み実験することを想定しているからです。

そして可変ピッチ用アクチュエーターも出来れば電動で設計して、連続した滑らかな制御による年間発電量の最大化実験を行います。

明日は、プロペラ水車全体が組みあがった様子の見学会があるので、その様子はまたご紹介します。

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