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流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

宇宙船工学:液体ロケットエンジン用ターボポンプの特性を表す変数と係数

2021年12月02日 | 宇宙航空産業機械

宇宙船工学として、液体ロケットエンジン用ターボポンプの特性を表す変数と係数を説明しています。

ポンプ特性変数:

 ポンプ上昇圧力ヘッドHp、体積流量Q、軸動力Ps、効率ηp、回転数N

ヘッド係数と流量係数:

 ポンプヘッド係数 Ψ = Hp / (出口周速u2^2/重力加速度g) は周速に対する上昇圧力の割合を示す。

 これを変形すれば、Hp=Ψ*(u2^2/g) となり、インペラ出口径と回転数よりu2を計算すればポンプヘッドmを求められる。

 ロケットエンジンターボポンプ一般遠心型ポンプでは、Ψは0.2~0.7となる。

 例:ポンプヘッドHp=0.45*(周速138^2/9.8)=874.5m

 使用流体の密度ρを1000kg/m3とすれば、

 上昇圧力P(Pa)= Hp*ρ*9.8 = 874.5*1000*9.8 = 8570100 Pa = 8.57MPaとなる。

ポンプ流量係数Φは、Φ=Q/(インペラ出口半径方向流路断面積Am2/u2)=出口半径方向速度Vm2/u2 は

 出口周速u2に対して出口半径速度の割合を示す。

 よってインペラ出口半径方向速度Vm2=Φ*u2 にて求められる。

 Vm2が求まるとインペラ出口高さを計算できる。

 ロケットエンジンターボポンプ一般遠心型ポンプでは、Φは0.01~0.15の範囲となっている。

軸動力係数をνとすると、

 ν=Ps/(ρ*Am2*u2^3) となり、

 軸動力Ps=ν*ρ*Am2*u2^3 でu2の3乗に比例する。0.08<ν<0.23程度となる。

反動度:

 遠心インペラ内では、絶対流速の上昇と相対速度の減少による圧力上昇が有り、インペラ出口での絶対速度はディフューザーと渦巻き  

 ケーシングにより速度が圧力に転換されて最終のポンプ上昇圧力となる。

 その場合にインペラでの昇圧量とディフューザー及び渦巻きケーシングでの昇圧量の比のうちインペラでの昇圧比が反動度と呼ばれる。

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