goo blog サービス終了のお知らせ 

流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

遠心ポンプ羽根入口出口の速度関係図

2022年11月02日 | 流体機械設計

遠心ポンプ羽根入口出口の速度関係図です。

V1:入口絶対速度=Vm1(入口旋回流無し入口半径方向速度)

V2:出口絶対速度

U1:入口周速、U2:出口周速

W1:入口相対速度、W2:出口相対速度

α1:入口絶対流入角度、α2:出口絶対流出角度

β1:出口相対流入角度、β2:出口相対流出角度

入口半径:R1、出口半径:R2

ポンプ羽根入口での絶対速度の周方向成分をVu1とすると

液体に与えられるトルクT=質量流量m*(R2*Vu2 – R1*Vu1)

角速度をωとすると、回転動力T*ω=m*(U2*Vu2 – U1*Vu1)

動力T*ω = m*g*ポンプ理論昇圧ヘッドHpthとなるので、

理論ヘッドHpth=(U2*Vu2 – U1*Vu1)/重力加速度g と計算できる。

液体がポンプ入口に半径方向流入する場合はVu1=0となることから

更に Vu2 = U2 - Vm2*Cotβ2 と示されるので、

T*ω = m*U2^2*(1 - ポンプ流量係数φ*Cotβ2) の関係となる。

よってHpth=U2^2*(1-φ*Cotβ2)/g=U2^2*ψth/g となり、

ポンプの理論ヘッド係数ψthφ=m/(出口面積A2*密度ρ*U2)より

ポンプ理論ヘッド係数ψth=(1-φCotβ2)と示される。

Hpth=((V2^2-V1^2)/2 + (U2^2-U1^2)/2 – (W2^2-W1^2)/2)/g より

(V2^2-V1^2)/2は運動エネルギーの増大を示す。

(U2^2-U1^2)/2 - (W2^2-W1^2)/2 はインペラ内圧力上昇を示す。

(U2^2-U1^2)/2 は遠心力によるインペラ内圧力上昇となり、

-(W2^2-W1^2)/2 は翼間通路の広がり減速による圧力上昇となる。

遠心ポンプでは遠心力による圧力上昇が主体となる。

軸流ポンプでは翼間通路の広がり減速による圧力上昇が主体となる。

運動エネルギーの増大分の(V2^2-V1^2)/2はインペラ出口ディフューザ

と渦巻きケーシングにおいて圧力へ転換される。

 

この記事についてブログを書く
« 小型高速型の遠心式ガスター... | トップ | 液体ロケットエンジンターボ... »