goo blog サービス終了のお知らせ 

流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

液体ロケットエンジンノズル内流れの設計計算式プログラミングの説明

2022年10月29日 | 宇宙航空産業機械

1次元定常断熱流れ:

 Cp*T+(1/2)*u^2=Cp*T0   ここで、定圧比熱Cp、ガス温度T、ガス流速u、よどみ点温度T0、ガス圧力P

 よどみ点圧力P0=P*(1+(1/2)*(k-1)*M^2)^(k/(k-1))  ここで、ガス圧力P、比熱比k、局所マッハ数M=u/(k*ガス定数R*T)

 ノズル内流れ式は、Cp*T+(1/2)*u^2=Cp*Tc+(1/2)*uc^2=Cp*T0 ここで、燃焼室温度Tc、燃焼室速度uc 、燃焼室圧力Pc

 ノズル内任意位置流速 u=(2*Cp*Tc*(1-(T/Tc)+uc^2)

   =(2*Cp*To*(1-(T/T0))   ここで、Cp=(k/(k-1))*RR=gR/molm 更にここで(一般ガス定数gR、ガスの分子量molm

   =((2*k/(k-1))*(gR/molm)*Tc*(1-(T/Tc))+uc^2) =((2*k/(k-1))*(gR/molm)*T0*(1-(T/T0)))

   =((2*k/(k-1))*(gR/molm)*Tc*(1-(P/Pc)^((k-1)/k))+uc^2) =((2*k/(k-1))*(gR/molm)*T0*(1-(P/P0)^((k-1)/k))

以上の式をノズル出口に適用すると排気速度ueは、ノズル出口圧力Peとして

  ue=((2*k/(k-1))*(gR/molm)*Tc*(1-(Pe/Pc)^((k-1)/k))+uc^2) =((2*k/(k-1))*(gR/molm)*T0*(1-(Pe/P0)^((k-1)/k))

 ノズル圧力比=Pe/P0となり、理想ロケットエンジンではucが小さいと仮定して

 排気速度ue=((2*k/(k-1))*(gR/molm)*Tc*(1-(Pe/Pc)^((k-1)/k))と計算できる

この式より、排気速度は(Pe/Pc)が小さいほど大きくなり、よどみ点温度T0が高いほど大きくなり、ガス分子量が小さいほど大きくなる.

出口Peが真空状態であれば最大排気速度 uemax=((2*k/(k-1))*(gR/molm)*よどみ点温度T0) と計算できる。

無次元排気速度=ue/(gR*Tc/molm) と圧力比(P0/Pe)との関係が比熱比毎に求まる。

また比熱比kが小さくなるほど排気速度が大きい。

ノズル局所断面積Aと局所マッハ数Mの関係:

スロート部断面面積Atとすると

   A/At=(1/M)*(((1+((k-1)/2)*M^2)/((k+1)/2))^((k+1)/(k-1))) の関係となる。

ノズルの臨界圧力比Pcr、臨界温度Tcr、臨界密度ρcr :よどみ点密度ρ0 として

   Pcr=P0*(2/(k+1))^(k/(k-1)))Tcr=T0*(2/(k+1))ρcr=ρ0*((2/(k+1))^(k/(k+1))) と計算できる。

この記事についてブログを書く
« ロケットエンジンの推力特性... | トップ | 速度複式衝動型ガスタービン... »