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流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

クロスフロー水車発電機の設計と製作

2020年05月11日 | 再生可能エネルギー発電タービン

横軸クロスフロー水車発電機の設計と製作と発電所での運転状況です。

設計の要点は、

〇高効率となるクロスフロー羽根とガイドベーンの流体設計と詳細な流体解析での部分負荷効率特性の確認

〇年間発電量を最大化するための電動2分割ガイドベーンによって、年間流量変動に対しての最適化運転状態を実現する設計

〇シンプルな作り易いケーシング溶接構造設計と振動が少ない高剛性設計、そしてランナの動バランス修正のJIS指定

〇調達し易く信頼性が高く低価格の量産化同期発電機を使用するためのタービン回転数の高速化設計

〇軸受発熱に対する冷却構造の設計と耐久性の高い自動調心コロ形式転がり軸受の選定

〇可変ガイドベーン部の滑らかな可変動作を行うために作動力を流体解析により求め適切な余裕ある電動サーボの選定

〇ガイドベーン部の隙間漏れ流れの低減のために組み立て式隔壁の溶接手法とガイドベーン動作加工精度の保持設計

〇溶接構造ランナへの加速水の連続した衝動力による溶接部疲労破壊への対策を行った羽根構造設計

〇現地発電所への据付を容易とするためのケミカルアンカーによる強固な設置を可能とする設計

製作と現地設置の要点は、

〇横中ぐりなどの大型の工作機械を使わなくて製作出来るケーシング構造により製作費の低減化

〇溶接部と組立前加工部品の組み合わせによる精度を保った全体組立作業の短縮化

〇特殊な加工の少ないブレード形状による羽根部製作費の低減

〇全体組立のし易い構造設計とシール、軸受の標準品選定、量産電動サーボ採用による全体製作費の低減

〇水車と発電機の現地据付での同芯度を出しやすい共通架台を製作している

〇水圧管との取り合いがやり易い全体構造となっている

〇現地の状況に合わせて水車発電機の間に増速機を入れることも出来る

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