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柚木麻子著『ねじまき片想い』あらすじネタバレ感想。5年の片想いの結末は

柚木麻子著『ねじまき片想い』あらすじ・ネタバレ感想。
玩具メーカーに勤める富田宝子はフリーのグラフィックデザイナー・西島裕也に5年も片想いをしている。
ひたすら彼の幸せを願い、おもちゃ探偵と化して彼に降りかかる災難を密かに解決していくのだが……。

『ねじまき片想い』

著者:柚木麻子
発行:株式会社東京創元社



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『ねじまき片想い』あらすじ・ネタバレ感想


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『ねじまき片想い』登場人物 

●富田宝子(とみた・たからこ)
 28歳だが可憐な容姿で10代に間違われる
 大手玩具メーカー[ローレライ]勤務
 商品企画室プリンセス・トイ事業部所属
 西島裕也に5年も片想い中
 水上バスで通勤→彼の家を観察

●西島裕也(にしじま・ゆうや)
 宝子が片想い中
 フリーのグラフィックデザイナー

●菅谷玲奈(すがや・れいな)
 宝子のルームメイト
 同性愛者で職業はバーテンダー

●目黒正次朗(めぐろ・しょうじろう)
 階級は警部補
 事件を解決するおもちゃ探偵に興味あり

<プリンセス・トイ事業部>
●淡嶋ミカ(あわしま・みか)
 最若手で小学生のような見た目
 高校時代から宝子のファン
●前場その子(ぜんば・そのこ)
 主任・35歳で響子とは同期
 入社以来宝子を見守ってくれる存在
●韮崎響子(にらさき・きょうこ)
 榎木田は陰で「メーテル様」と慕う
 [ローレライ]きっての美女
 室長・竹本と長年の愛人関係
●榎木田吾郎(えのきだ・ごろう)
 宝子の3年先輩
 残酷フィギュアの有名コレクター
●竹本(たけもと)
 室長

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『ねじまき片想い』のあらすじ 

大手玩具メーカー[ローレライ]のヒットメーカー・富田宝子(とみた・たからこ)は、フリーのグラフィックデザイナー・西島裕也(にしじま・ゆうや)にもう5年も片想いをしている。
宝子は、大好きな西島の幸せを守る為ならどんなことだって厭わない。
浜松町から水上バスで通勤するのは隅田川沿いに住む西島の家を至近距離で見上げられるという楽しみの為だ。
決してストーキングではない。
片道40分かけての船旅は素晴らしいアイデアを抽出する貴重な時間でもあるのだ。

西島はなぜか不幸を拾うタイプらしく、宝子は彼の顔が憂いで曇らぬように密かに活動している。
決してストーキングではない。
ある時は殺人事件を解決し、ある時は犯罪を未然に防ぎ、またある時は……。
いつの間にか正義の味方のようになってしまった宝子だが全ては西島の幸せの為。
だが、西島は宝子の気持ちに恐ろしいほど気づかず……。

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『ねじまき片想い』ネタバレ感想 

西島裕也が登場した途端、「ない!絶対ない!コイツに5年も片想いなんて、ない!」と思ってしまった。
だって宝子はクライアントとして西島の自宅兼事務所を訪問しているのに、西島ときたら起きたばかりの上下スウェット姿で迎えるんだもの。
24ページで“部屋中が煙草のヤニで煮染めたようになっている”と書かれているほどヘビースモーカーなのも嫌だ。

同じ24ページで宝子目線で西島は“自分を必要以上によく見せようという気負いのなさ。出会った瞬間、そこに惹かれたのだ”と表現されている。
恋は盲目だが5年も西島を良いように見られるのは凄いわ。
フリルやレースが似合う可憐な容姿にローラアシュレイみたいな可愛い物が好きな宝子と西島なんて水に油よ~。

それにしても、西島の為に色々行動しているうちに殺人事件を解決したり、詐欺師を捕まえようとしたり、思い詰めて殺人を犯そうとしている人を止めたりと、宝子はまるで探偵のようだ。
このバイタリティーがあれば西島に告白する勇気も出そうだが出ない。
宝子は時間と労力の使い方を間違えていると思う。


彼氏いない歴=年齢の宝子を気にかける<プリンセス・トイ事業部>の面々。
147ページで西島の好みのタイプを知ろうとして、榎木田が「これだけは嫌ってタイプ」を質問する。
それに対する西島の回答がむごい。
「あまりにも経験がないタイプはちょっと駄目だなあ。重そうで。俺自身こんなんだから、責任が持てないっていうか」
これを聞く宝子の気持ちを想像すると涙がちょちょぎれるわ。

と言うか、西島は本当に宝子の気持ちに気づいていないのだろうか?
普通気づかない?気づくよね?気づきますとも!
わざと遠回しに予防線張ってるようにしか思えないんだけど。
宝子は西島に関わるほどに不幸になっている気がする。

そんなこんなで前半は西島の為にバイタリティーにあふれる宝子の様子を楽しめる。
後半は、もういっそ押し倒せば良かったじゃんと思うくらい西島なんかの為に何年も時間を無駄にした宝子は、玩具のアイデアが枯渇。
宝子が不毛とも思える駄目男への恋にどうやって決着をつけるのかを中心にストーリーが展開される。

うん、やっぱりね、振り向いてくれない男とずっと一緒にいるのは辛いやね。
以上、『ねじまき片想い (創元推理文庫)』感想でした。

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ご訪問ありがとうございました(人´∀`*)

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