たたらワークス★漫画・ドラマ・小説のネタバレ感想

『化学探偵Mr.キュリー』10巻辛口ネタバレ感想。舞衣にプロポーズ、沖野はスカウトで海外?

喜多喜久著〖化学探偵Mr.キュリー〗10巻あらすじと辛口ネタバレ感想。
舞衣はプロポーズを受けるのか?
沖野はスカウトに応じ海外の研究機関へ?
〖化学探偵Mr.キュリー〗シリーズ記念の10巻ということで四宮大学庶務課職員・七瀬舞衣とMr.キュリーこと理学部准教授・沖野春彦先生の関係にも変化が……?


〖化学探偵Mr.キュリー〗 10巻 

著者:喜多喜久 〖化学探偵Mr.キュリー〗10巻 カバーイラスト:ミキワカコ
著者:喜多喜久
カバーデザイン:西村弘美
カバーイラスト:ミキワカコ
発行:中央公論新社
発売日:2021年5月21日

★項目クリックでページ内ジャンプします
(goo blogアプリはブラウザ接続で可能)

〖化学探偵Mr.キュリー〗10巻あらすじ・ネタバレ感想


☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…

〖化学探偵Mr.キュリー〗10巻あらすじ 

亡くなった王妃が四宮市出身の日本人であったことから、北欧のマイセン王国と四宮市は姉妹都市協定を結んでいる。
その縁で、来日したマイセン王国のユリヤ王子が四宮大学に視察にやって来た。
庶務課職員の七瀬舞衣はその案内役になり、王子の見学先は沖野春彦准教授率いる先進化学研究室となった。
一瞬見学して終わりかと思いきや、ユリヤ王子は沖野の元で研究活動をしたいと言い出して……。
他の職員や学生に悟られないよう女性の護衛・多華子がユリヤ王子のそばにつき、研究の手伝いもする形で四宮大学で王子の研究活動が始まる。


舞衣の元には農学部教授・浦賀からある依頼が舞込む。
分析研究室に無断で立ち入った経済学部の2年生・入江徳宏という学生に、舞衣から話を聞いてみてほしいと言うのだ。
入江は最近では大学に来なくなっており、何だか怪しい人物を崇拝している。
その人物は沖野と国島の大学時代の同級生・袖崎だった。
袖崎には大麻疑惑があり警察にも目をつけられていた。


そんな中、王子は護衛の多華子の前で舞衣にプロポーズをする。
10年前から王子のそばについている多華子は舞衣に対し歯軋りする思いで……。

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…

〖化学探偵Mr.キュリー〗10巻ネタバレ感想 

私は〖化学探偵Mr.キュリー〗が大好きで、この10巻も指折り数えて待っていた。
そんな私の正直な感想としては……。
うん、ラブ要らない。
〖化学探偵Mr.キュリー〗はケミストリーとミステリーの融合が肝だと思う。
10巻はラブ度が重要視されたせいか、ミステリーが甘くなった気がする。


それ言っちゃお終いなのだが、そもそもマイセン王国のユリヤ王子とボディーガードの多華子の話は要らなかった気がする。
急に出てきた登場人物の恋愛感情に共感できるポイントがなかった。
それだったらいっそ舞衣の同級生で沖野を慕っている美間坂剣也の話の方が、〖化学探偵Mr.キュリー〗を読み続けている読者としては余程感情移入できたと思う。


10巻ということで、なかなか特別な進展を見せない舞衣と沖野の関係を揺さぶりたかったのかなぁ。
そこで2人の間に非日常をぶっ込んだ。
それがマイセン王国の王子から舞衣へのプロポーズであり、沖野へのヘッドハンティングだったのではないかと思う。


イケメンが出てきて甘い言葉を囁いたり、カッコイイことをやってくれたらキュンキュンするかと言うとそんなことはない。
胸キュンの第一条件として、読者がヒロインにどれだけ感情移入できるかがあげられると思うのだ。
自分がヒロインになったような気持ちでいるから、イケメンの甘い台詞がまるで自分に向けられたようでキュンとするのだ。
残念だが、舞衣はウザくてイラッとするし、もっと言えば小賢しいキャラだ。
イケメンがどれだけキュン台詞を投げかけたとしても読み手の琴線に触れないキャラクター、それが舞衣だ。
多華子が舞衣に抱いた苛立ちや腹立ちの感情はそのまま私が思っていることだったりして、そこはちょっと笑えた。


舞衣に感情移入できないなら誰に感情移入できるのか、と言うと私の場合、沖野に東理大に戻ってきてほしいとアプローチし続けている氷上教授だ。
氷上が舞衣を邪険に扱い厳しい言葉を吐くたび「氷上頑張れ、もっと言ってやれ」くらいの気持ちになる。
だって沖野先生、研究してないんだもん。


完全にネタバレちゃうけど、沖野は研究者ならおいしすぎる条件を捨てて四宮大学に残るという結論を出す。
沖野の将来の為に、彼の恩師の村雨不動も働きかけてくれていたのに「そんな馬鹿にゃ!」である。
そんな結論に至るなら、やっぱりマイセン王国の話はない方がよかった。


私としては楽しみにしすぎた反動かもしれないが、〖化学探偵Mr.キュリー〗10巻はかなり不満が残る巻だった。
マイセン王国の話はラブ抜きでヘッドハンティングで思案する研究者・沖野の心情を描いて欲しかった。
そして、もう1本の柱・大麻ネタ。
こちらは沖野と国島の大学時代の同級生が絡んでいるだけに、もっとストーリーを広げてほしかった。
だが、マイセン王国のラブ話にページを割かれ、中途半端になった気がする。


〖化学探偵Mr.キュリー〗シリーズはもう少し続くと思うのだが、できれば通常の5話収録スタイルで読者がわくわくするケミストリーネタ満載を期待したい。


以上、〖化学探偵Mr.キュリー10 (中公文庫)〗今回は辛口感想となりました。
個人の感想ですので悪しからず。

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…

ご訪問ありがとうございました(人´∀`*)

コメントを投稿するにはgooブログのログインが必要です。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「小説のあらすじ・ネタバレ感想」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事