たたらワークス★漫画・ドラマ・小説のネタバレ感想

〖京都くれなゐ荘奇譚(三) 霧雨に恋は呪う〗ネタバレ感想

〖京都くれなゐ荘奇譚(三)霧雨に恋は呪う〗ネタバレ感想!
ホラー感増し増しの3巻。
読みながら背中がヒュッとしました。
エグさ強めの邪霊描写にゾッ。

京都くれなゐ荘奇譚(三)

霧雨に恋は呪う
『京都くれなゐ荘奇譚(三)霧雨に恋は呪う』 あらすじ・ネタバレ感想 tataraworks
■著者:白川紺子
■装丁:こやまたかこ
■装画:げみ
■本表紙デザイン、ロゴ:川上成夫
■発行:株式会社PHP研究所
■発売日:2023年3月9日



★項目クリックでページ内ジャンプ
(goo blogアプリはブラウザ接続で可能)

〖京都くれなゐ荘奇譚(三)霧雨に恋は呪う〗登場人物

〖京都くれなゐ荘奇譚(三)霧雨に恋は呪う〗ネタバレ感想




〖京都くれなゐ荘奇譚(三)霧雨に恋は呪う〗登場人物

麻績澪 おみみお 
 長野県麻績村蠱師一族麻績家の娘
 呪詛により二十歳まで生きられない運命
 生き抜く為に八尋に弟子入りした
 漣とは表向き従兄だが実の兄妹
 京都へ移り住み高校2年に進級
麻績漣 おみれん 
 澪の実の兄(戸籍上は従兄)
 邪霊に襲われる澪を守るのが使命
 九節の杖刀で祓う
 澪を守る為に京都の大学に入学
 日下部出流と出会うが……
凪高良 なぎたから 
 何度も生まれ変わり邪霊を食う“千年蠱”
 和邇学園の高校生
 一種の邪霊の為、陽の時期は家に籠りがち
 梅雨時から活動しやすくなる

<麻績つながり>
忌部玉青 いんべたまお 
 くれなゐ荘の管理人でよく喋る明るい人
忌部朝次郎 いんべあさじろう 
 忌部玉青の夫で元蠱師
 忌部秋生の孫世代にあたる
 日曜の朝はパンを焼いてくれる
麻生田八尋 おうだやひろ 
 くれなゐ荘の下宿人で蠱師、澪の師匠
 麻績の親戚筋で三重県の員弁出身
 潮に頼まれ澪の京都での様子を逐一報告
忌部秋生 いんべあきお 
 明治41年生まれ昭和5年死亡
 1巻で成仏したが高良の住まいで幽霊化
 青海が苦手で彼の前では姿を見せない
日下部出流 くさかべいずる 
 漣と同じ大学の新入生で漣の友達?になる

<和邇つながり>
和邇青海 わにあおみ 
 20代半ばで和邇一族
 叔父の命令で高良の世話役を務める
 妹の波鳥を澪の護衛につける
和邇波鳥 わになとり 
 兄・青海の指示で澪を護衛する為に転校
 邪霊は祓えないが実は巫女
 叔父の愛人・美登利にいびられていた
 見かねた澪と漣がくれなゐ荘へ連れて行く

<そのほか>
小倉茉奈 おぐらまな 
 京都の学校で澪の初友達、陸上部所属
 2年でも澪と同じクラスになる
 普通の子だがトラブルメーカーの要素有り



〖京都くれなゐ荘奇譚(三)霧雨に恋は呪う〗ネタバレ感想

3巻までくるとホラー巻が増しました。
特に4話目の【潮の家】は読みながら背中がヒュッとしました。
本格ホラーが好きな人にはたいしたことがないのかもしれませんが、あまりホラーが好きではない人には結構なエグさだと思います。
私はホラーは嫌いなのですが、白川紺子さんだけは別で、少々怖いお話だとしても読まずにはいられないのです。


【この子の七つのまじないに】は人形ものでして定番の怖さがあります。
人形は作った人や持ち主の念がこもっているようで、私はぬいぐるみすら買いません。
誰かにプレゼントされたら大迷惑です。
顔には出しませんけど本当に困ります。


2話目の【霧雨に恋は呪う】は恋愛もの。
澪の友達・小倉茉奈は何気にトラブルメーカーで、今回も良くない気を漂わせている物を拾ってしまいます。
茉奈はごく普通の女子高生ですが、そのわりに要らぬものを引き当てすぎです。
茉奈は気づいていないので、見えてしまう澪が何事も無かったかのように後始末をすることになります。
でも、お小遣い稼ぎとは言え墓掃除をする茉奈は偉いなあと思います。


3話の【雨宿り】も怖かったです。
春は陽気が良く、明るくて生命力に溢れる季節なので邪霊にとって活動しづらい時期のようです。
千年蠱である凪高良にとっても活動自粛の時期のようで高良は家に籠りがちです。
高良には烏の職神・夜尺斯がいるので、澪の監視は問題なくできます。
一方、澪は高良の姿を見かけなくなったことを気にします。
まだ恋愛感情とは言えないのでしょうが、多分、澪の心は恋の方向へ向かっているのではないかと思います。


梅雨になると邪霊が活動しやすくなり、高良も澪の前に姿を現します。
高良が邪霊を喰う場面より、高良の職神・於菟が邪霊の老人と老婆を引き裂く場面の方が凄く怖かったです。
澪はそれを目の当たりにしていますが、普通の人が見たら卒倒するレベルです。


「紫陽花を吊しておくとな、その年一年、病気せんとか、厄除けになるとか、お金に困らへんとか言うんよ」
(131ページ)
紫陽花にまつわる風習の説明が興味深かったです。
京都の方では軒先や玄関に紫陽花を吊しているのでしょうか?
商売繁盛や金運上昇の意味を持つ蜂の巣の代わりという説もあるそうですが、私は蜂の巣が縁起物だということも知りませんでした。


そして4話目の【潮の家】ですが、これが本当に「うえー」と思うほど怖くて気持ちが悪かったです。
澪もさすがに気を失いました。
雨漏りもしていないのに床が水浸しになり乾くと塩が残る、くらいなら気味が悪いけど何とか我慢ができそうです。
しかし、水死体が現れるのはたまったものではありません。
それも屋敷中どこでもふいに現れるのです。
「うぎゃー」ですよ。腰抜けますよ。


漣は日下部出流に、打たれ弱いと言われてしまいます。
出流は漣に、オナリ神(男の姉・妹は男にとって強力な守神)とエケリ神(兄や弟が女の神)の話をし、澪を守らねばならないと気を張っている漣を励まそうとします。
エケリ神の力はオナリ神に遠く及ばないそうで、出流なりのフォローでした。
ズケズケものを言う出流ですが、漣とは本当に友達になりたいのでしょうね。
言ってしまってから焦るくらいなら言う前によく考えたまえよとも思いますが、出流のマイペースぶりは漣にとって良い気晴らしになるのかもしれません。


さて、3巻では凪高良に対し、麻績側の態度に変化が見られました。
麻生田八尋は千年蠱の高良を「高良くん」と呼んでいます。
多気女王の生まれ変わりである澪は、高良に多気女王のレプリカのように思われたくないと考えます。
自分自身を見て欲しいと思うのは、やはり恋心でしょうね。
何度転生してもその気持ちを止めることはできないのでしょう。
『京都くれなゐ荘奇譚(三)霧雨に恋は呪う』 あらすじ・ネタバレ感想 tataraworks

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆

ご訪問ありがとうございました

コメントを投稿するにはgooブログのログインが必要です。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「小説のあらすじ・ネタバレ感想」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事