たた&にせ猫さんの備忘録

―演劇、映画、展覧会、本などなど、思うままに―

『藤田嗣治展』東京都美術館

2018年12月30日 | 日記
     『藤田嗣治展』東京都美術館  2018.10.4
         2018.7.31(火)~10.8(月・祝)

  随分前に会期が終わってしまいましたが、備忘録ということで一応記載。

  本屋でたまたま『藤田嗣治が分かれば絵画が分かる』布施英利 NHK出版新書1000円+税を見つけ、これを読み終わってからブログを書こうと思っていたら、ずいぶん時間がたってしまった。

  ―没後50年、フジタの画業の全貌を解き明かす大回顧展―

  会場に入ってすぐに『自画像』と『父の像』。この『自画像』は東京芸大美術館で、卒業制作の自画像展というのがあった時に、見た記憶がある。強いまなざしの印象的な絵。『父の像』は初めて拝見、軍医総監だったということで、胸には勲章がびっしり。フジタの伝記で、父親が医者というのは読んだ記憶があったが、このように勲章が一杯ついている像を見ると、インパクトが違う。このような父親のもと、画家になるというのはどういうことだったのだろうかと。

  藤田の絵は何度か拝見していて、代表作の乳白色の下地による裸婦像、猫、そして子供の絵。油絵を習っていたことがあるが、白の使い方が少量でもすごく難しい、下地の白なんて考えられない。物凄い技術。裸婦とカメラ目線の猫、デッサンがすごい。

  今回印象に残ったのは、「キヤンボシヤ平原」。初めて拝見した。
  フジタの戦争画は戦争に協力したという批判はあるが、「アッツ島玉砕」にしても「サイパン島同胞臣節を全うす」にしても、この2作は国立近代美術館にあり、以前拝見したことがあるが、戦意の高揚を超えているというか。

  1930年代・旅する画家のコーナーでは、「ラマと四人の人物」など、魅力的な作品が、たくさん。

  どうしても裸婦像やカメラ目線の猫を丁寧に見てしまうけれど、今回の展示は幅広くて、いろんな年代の作品を拝見することができた。カトリックへの道行きでは、宗教画もたくさん展示されていた。
コメント
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