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20代にしてウイスキーにハマってしまった筆者によるブログ。
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アイラ島の蒸留所

2016-01-17 23:44:47 | Whisky certification exam.

アイラの蒸留所を一気にお勉強します。

スコッチブレンデッドに必ずといっていいほどブレンドされるアイラモルト。
近年はシングルモルトとしての人気も高まりを見せており、出荷量は右肩上がり。

スコットランドの西側に連なるヘブリディーズ諸島。その最南端にあるのがアイラ島。
面積634㎡、人口3500人弱の小さな島の主力産業はモルトウイスキー。


アイラ島でウイスキー造りが盛んになった理由は複数あります。
1. 比較的温暖で、大麦の栽培に適していた
2. 広大なピート層があり、燃料に困らない
3. ピート層で濾過された良質な水に恵まれている
4. アイルランドから近く、14世紀にスコットランドで初めてウイスキー造りが伝わった

例外の銘柄もあるものの、アイラモルトはピーティ、スモーキー、
潮の香りのする銘柄が多く、島の地理的特徴を活かしたウイスキーが
造られていることを窺い知ることができます。





現在、アイラ島内には8箇所のモルト蒸留所(+1箇所)があります。
簡単に全ての蒸留所を紹介してみましょう。

A. アードベッグ(モエヘネシー・ディアジオ)
語源はゲール語で「小さな丘」。
麦芽のフェノール値は島内で最も高い55-65ppm。
オフィシャルボトルは10年が有名で、ノンチルフィルタード。
フェノール値からも想像できるように、最もピーティなモルトの1つだが、
スチルに付けられたピューリファイアー(精留器)の影響で
甘みとフルーティ感が付加されているとか。

B. ラガヴーリン(モエヘネシー・ディアジオ)
ホワイトホース社の創業者、ピーター・マッキーが修業した蒸留所で、
現在に至るまで、ホワイトホースの重要な原酒の1つ。
初留釜2基に対して、再留釜1基で対応しているが、再留に倍の時間をかける等工夫を凝らしている。
フェノール値は35ppmと、系列のカリラと同様だが、味わいは全く異なっており、
アイラで最も重厚なモルトウイスキーと言われている。

C. ラフロイグ(サントリー)
ビーム社をサントリーが買収したことで2014年から同社傘下に。
フロアモルティングによる自家製モルトを2割程使用している。
このフロアモルティングで使われるピートは海の近くのもので、
苔や海藻が混入しており、それがラフロイグ独特の風味を生んでいる。
チャールズ皇太子愛飲の銘柄で、世界的にも人気の銘柄。

D. ボウモア(サントリー)
1779年創業の、島内最古の蒸留所。こちらは1994年からサントリー傘下。
3割近くをフロアモルティングでまかない、フェノール値は島内では低めの25-30ppm。
サントリー買収前は経営が苦しく、香水系の異臭がしていた。
当時のニッカのピュアモルトホワイトにボウモアが使われていて、
パフューミーな香りがするという。一度飲んでみたいところ。

E. ブルイックラディ(レミーコアントロー社)
ライト、ヘビー、ウルトラヘビーと3種類のモルトを仕込んでおり、
それぞれがシングルモルトとして販売されている。
長らく途絶えていたアイラ産大麦の再興にも積極的で、
将来のアイラ産大麦100%への切り替えを目指している。
島内で唯一ボトリング設備も兼備しており、何かと特徴的な蒸留所。

F. キルホーマン(???)
アイラ島最西端、最小、最新の蒸留所。
島内で最も海から遠い蒸留所でもある。
2005年に操業を開始し、エイジング品のリリースを期待されている。
現在の年間生産量は12万リットルと、ラフロイグの1/12程だが、
小さいからこそ、アイラ島大麦を100%使用する等、独自性も出せている。
※経営者ご存知の方、ご教示下さい。

G. ブナハーブン(バーンスチュワート社)
ヘビリーピーテッドが多いアイラモルトの中では異色の、
ノンピートモルトを製造している蒸留所。
ただ、近年は「トチェック」というピーテッド商品も揃えている。
アイラ島7種(キルホーマン以外)のモルトを使用したブレンデッド
「ブラックボトル」のホーム蒸留所でもあり、
アイラモルトの入口で迎え入れてくれるモルトといえる。

H. カリラ(モエヘネシー・ディアジオ)
アイラ海峡のすぐ側に構える蒸留所で、ゲール語の語源もそのまま、アイラの海峡。
島内最大の650万リットルを生産可能な大型蒸留所だが、
ほとんどがジョニーウォーカー等のブレンデッド用で、
現在もオフィシャルボトルは販売されていない。
(ディアジオによってヒドゥンモルトシリーズの1つとして販売中)
ラガヴーリンとは好対照で、ドライな口当たりが特徴だとか。


検定公式テキストの範囲であれば上記の8箇所ですが、
昨年からガードブレック蒸留所が稼働していると思われます。
キルホーマンよりも小さい、典型的なマイクロディスティラリーですが、
Facebookの更新を見る限り、珍しくガス焚き直火蒸留を行うなど、
小規模ならではのこだわりの製法で造られているようです。
法律上、シングルモルトの発売は最短で2018年ですが、今から待ち遠しいですね。


アイラは非常に問題に出やすいエリアでもあるので、地理関係含め、入念な対策が必要です。
A~Hの蒸留所は西回りで順番に紹介してみましたが、頭文字を順番に並べると「アララボブキブカ」
「あらら、ボブ、ギブか?」とでも覚えましょうか。
ラフロイグとラガヴーリン、ブルイックラディとブナハーブンが被っているので
そこは結局覚えなくてはいけないんですけどね。笑


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