垂水神社境内隣接地に計画されたマンション建設事業に反対し、当該地をご支持くださった皆さまのご寄付で神社が買い取ることに成功してから3年。
今度は吹田三名水最後の砦とも言うべき「垂水の滝」の水量が激減するという事態が発生しました。
折しも、垂水の森の周辺では、大規模宅地開発事業が進められていました。
元々は、日本生命グラウンドであった土地と、公務員宿舎が建っていた土地です。
どちらも今までは、建物の面積より土の面積や林の面積のほうが圧倒的に多く取られていました。
しかし、このたびの計画では、林をすべて伐採し、地面を削り、380軒の戸建住宅を建設することとなります。
今まではの土地に降る雨は、自然に地面から地下に浸透し地下水となっていました。
しかし、コンクリートやアスファルトに覆われてしまえば、雨水は地面に浸透することができません。
垂水の森を守る会では、事業主である業者2社に、雨水がそのまま下水管に流れるのではなく、地下に浸透していく方法を取ってほしいと要望しています。
業者も考慮すると返答していますが、実際には水は昨年7月にくらべて半分近くまで減少しています。
まだ一軒も住宅が建っていない現段階で、この数値ならば、380軒の住宅が建ってしまったときにはどうなっていることでしょう。
7世紀に旱魃があり、難波宮に水がなくなったとき、この垂水の水だけが涸れなかったため、ここからはるばる宮中まで水を引いたことから、時の天皇に「垂水」の名前を賜ったという由緒ある滝です。
万葉集の中でも最も人気のあるといわれる志貴皇子の春の喜びの歌はこの垂水の滝をよんだものと言われています。
その滝水が平成の今になって枯渇してしまうことはあってはならないことと考えます。
業者の対応をしっかりと見守って行きたいと思います。
昭和初期の垂水の滝↓

現在の垂水の滝↓
