たろおの小屋

昼間は「聖職者」を演じる永遠の若造「たろお」のつぶやき。
仕事のこと,家族のこと,そして脳出血や失語症のこと・・・。

黎明編【失語症のリハビリに運動が必要なの?】

2024-03-18 21:30:41 | 脳出血・失語症
「言語のリハビリに運動は不要?」
と思ったが、脳出血の影響で運動の機能も低下していることを思い知ることになる。

 病気(けが?)を治すことを目的とした最初の病院では、運動やゴムボールでのキャッチボール程度の簡単な運動しか行わなかった。
リハビリ専門の病院に転院してからの最初の運動は、「直線に歩く」という練習をした。視野のバランスが悪くなった関係で、最初の1週間は、まっすぐに歩くことから始めた。
「飲酒運転の検査みたいだ。」
と思ったことを記憶している。今でも、急いでいたり、暗い場所を歩いたりすると、曲がって歩くことがある。

 ちなみに、患者の体調やリハビリの改善の目安として、手に付けられたタグの色が変わる。
最初は、部屋からも許可なく出られない。その後、
「同じ階は動いても良い。」
「他の階にも出てよい。」
とランクが上がっていく。
 他の階に動けるようになると、「トレーニングマシン自転車」や「タイピング練習」が出来た。

 散歩のリハビリは楽しかった。元々歩くのが速いこともあったが、
「15分間、進める所まで進んで、血圧を測って、15分間かけて戻り、血圧や体調の確認をする。」
というコースが多かった。

 体感運動は部屋での練習の仕方を教わって、毎日、自主練習をした。
 分かりやすくて簡単なのは、次のような運動だった。


1 仰向けで寝転んで、
体全体を床に
ギュッと押し付ける運動

2 腕立て伏せの姿勢で
維持する練習

3 仰向けで寝て、
膝を立てて、
お尻を持ち上げて
維持する練習 【イラスト参照】

 どれも、脳出血患者に配慮した、血圧を上げない運動でもあった。

 しかし、キャッチボールが上手く出来ない。視覚になる球を取れないことはもちろん、距離感やタイミングが全く取れなくなり、ボールを掴めない。結局、入院中は上手く出来なかった。
 以前は得意だった「テニス」にも挑戦したが、
「見えないし当たらない。反応が遅れる。」
と、すっかり避けるようになった。

「運動・日常生活・会話等、人間の行動は全てが繋がっている。
 運動をすることで、言語機能の回復に繋がる。」
と、キャッチボールしながら、たし算の問題を解く練習も行った。

 生活のリハビリの先生が、自分の自転車を病院に持ってきて、練習をさせてくれたこともあった。
「乗れそうですね。」
「補助無しの自転車で走れますね。」
と一発で合格を頂いた。
 ここはあくまでも「運動機能」の話であり、「交通ルールの認知」については、その後も修行することになるが…

 実は、以前は好きだった「カラオケ」もハードルが高く、尻込みしている。
① 「歌詞を読む(または思い出す)
② 速度に合わせる。
③ 音程に合わせて歌う。
という行為は至難の業である。
「人間の行動は、全てが繋がっている。」
と信じて、いつか、認知症になる前に挑戦したいと思っている。



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