たろおの小屋

昼間は「聖職者」を演じる永遠の若造「たろお」のつぶやき。
仕事,家族,後遺症・・・。感謝の日々を綴っています。

何もない夏を前に

2008-05-22 19:17:24 | 空手
あしたのジョー (12) (講談社漫画文庫)
高森 朝雄,ちば てつや
コミックス

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全中・全少の予選が終わりました。
「燃え尽きた」という感じです。


【けーこ】の全中予選は,
書きたくもないほどの結果でした。
負けたこともない相手に2回戦負け。
彼女の心の未熟さ故です。

「このまま空手漬けの学校生活で良いのか?」
という疑問も抱きつつ,
「【たね】のような苦しい受験をせずに,
 空手で高校に行けるなら・・・・・・」
という矛盾した思いが,
ずっと空手に現れていました。


そのまま大会に臨んで,
「絶対に空手で生きていく!」
という人たちの気迫に蹴落とされた感じです。
彼女には,
「空手家」ではなく,
「受験生」として進んでいってもらいます。


【すけ】の全少予選は,
もっと悲惨でした。
久々に父子一体で臨んだ大会。
敵は対戦相手ではありませんでした。


彼は,
それでも空手を続けるでしょう。
私も支えていくでしょう・・・・・・



でも,
2つの大会を終えて,
私自身が少し考え直しました。



振り返ってみれば,

2004年夏
 【すけ】 全国少年少女空手道選手権大会 ベスト16

2005年夏
 【けーこ】 スポーツ少年団関東大会(団体) 準優勝
2007年夏
 【すけ】  スポーツ少年団関東大会(団体) 準優勝
【けーこ】 関東大会
       全国中学生空手道選手権大会(団体) ベスト16
2008年早春
 【けーこ】 全国中学生空手道選抜大会「はまなす杯」 ベスト32

ずいぶんと,
いろいろな経験をさせてもらいました。
良い家族旅行となったし,
本当に楽しめました。

そうして,
いつのまにか全国大会や関東大会について,
「実力さえつければ行けるはず」と思うようになっていたのです。
思い上がっていました。
本当のところは,
「運が良ければ行けないものではない」という程度なのでしょう・・・・・・


【たね】が地方大会で敢闘賞に入って,
家族全員で喜んでいたあの頃。

「県大会なんて,
 そんな厳しい大会,
 住む世界が違う。」
と思っていたあの頃,
1年生の【すけ】がポッと優勝してから始まった
我が小屋の試練・・・・・・。

いいえ,
子ども達の試練なのでしょう。

道場の練習がない日も,
私が作ったメニューで
1日2時間以上練習をしてきました。
元旦以外は毎日,
どんなに帰りが遅くなったなった日にも,
時には友達の誘いも断って,
9年間続けてきました。

課題が見えるたびに作り直してきた
練習メニュー「明日のために」も,
一昨日,
Vol.50に到達しました。

「ずば抜けた才能もない,
 恵まれた体もない,
 そういう平凡な人が人並みに勝つためには,
 人並み以上の努力しかない」
と・・・・・・。


でも,
先日の大会を振り返って,
考えを改めました。
全国や関東に行くのは,
「恵まれた才能や体によって,ずば抜けた強さをもつ人」か,
「組み合わせに救われるような,人並み以上の強運をもつ人」か,
「審判のミスや思惑に後押しされ,実力以外の要因に支えられた人」なのだと。

「【すけ】に実力がある」等とは言いません。
むしろ,上記の2つめに頼る部分が大きかったように思います。

しかし,素晴らしい気合いと技をもっているのに
途中でふるい落とされた【すけ】の仲間達を見て,
決勝に残った「千葉県代表」達の組手を見て,
どう見ても,
「正当に評価されている」とは思えないのです。

足の引っ張り合いや
いい加減な行いをする大人達を見ていると,
「他県に胸を張って自慢できるような,
 千葉県の代表を送り出そうとしている」
とは思えないのです。


そんなわけで,
「全国や関東に行くこと」や
「千葉県代表になること」には,
価値を感じなくなりました。
かつて,
「栄冠であり,光栄なことである」と思っていたことが,
我が小屋の子ども達にとっては,
全くそうでないことに気付いてしまったのです。
私が間違えていました。


そう思わせてくれた,
初心に気付かせてくれた,
もう一つの要因は・・・・・・

(すっかり長くなったので,
 次回の「平凡な空手っ子の高校生活」に続けます。)
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6 コメント

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たろおさんへ (部員母Ⅲ)
2008-05-23 16:45:33
県大会、お疲れ様でした。

私もたろおさんと全く同じ意見です。


    ~運が良ければ行けない訳ではない~


今回は特に、ほとんど勝つ価値がみられない大会でした。

普段一生懸命練習を重ねてきた子供たちが、
一番かわいそうに思えてなりません。

でも。

また明日からの練習頑張って行きましょうね!
私も懲りずに子供たちにハッパかけたり
励ましてあげたりしていこうと思います。

よろしくお願いします!





返信する
部員母Ⅲさんへ (たろお)
2008-05-23 23:05:39
ようこそお越し下さいました。
コメントをありがとうございます。

子ども達が可哀想な思いをしないようにするためには,
どうすればよいか・・・・・・。

大会に出さないことが一番かもしれませんね。
だって,
「空手道の精神」よりも,
「大人はずるい」ということを
学んでしまいそうですから・・・・・・(苦笑)


でも,
大会にも出場するし,
気合いも入れていくのでしょう。
その意味は,
これまでとは変わっていくのでしょうか・・・・・・

今後とも,
どうぞよろしくお願い致します。
返信する
Unknown (Unknown)
2008-06-05 17:23:54
通りすがりです。
お気持ちはよーくわかります。
そちらの県に限ったお話じゃないと思います。
私も同じような気持ちになったことが何度もあるうちの一人です。
また、全国大会で活躍している選手の父兄のほとんどの方が、同じような経験があり、乗り越えているんだと思いますよ。

ただ、そのような選手が皆、「空手で生きていく」「空手で高校に行く」という気持ちを持っているとは思えませんが。
高校進学は、あくまでも「結果」だと思いますよ。

返信する
Unknowm様へ (たろお)
2008-06-10 10:19:19
はじめまして。
励ましのお言葉,
ありがとうございます。

他県でも同様なのですね。
安心したような残念なような,
複雑な心境です。


>全国大会で活躍している選手の父兄のほとんどの方が、同じような経験があり、乗り越えているんだと思いますよ。

心に留めておきます。
私の所は「活躍」などというものではなく「末端に加わった」程度のものですが,
もし,「運良く」機会があったら,
この言葉を思い出してみます。


>高校進学は、あくまでも「結果」

私の周りの
「全国で活躍してきた」人たちを見ていると,
2つの種類に分けられるようです。

(1)多芸に秀で,空手もできるし,
   他の運動もできる。
   高校進学を「結果」と言っていられるのは,
   この部類の人たちでは?

(2)空手一筋で,全ての力を空手に注ぐ。
   「勉強では高校に行けない」と言っている。
   その分,「空手だけは負けられない」という
   気持ちが強い。
   土壇場で,気迫でポイントをもぎ取る人たち。


家の子ども達は(1)ではありません。
でも,「空手一筋」ではないのに,
(2)のような親を真似ていた私自身の愚かさに気付いたのです。
「勉強で高校に進み,
 それでも空手を楽しんでいる長男【たね】」
が,我が小屋がめざすべき姿のようです。

もっと本音を言えば,
「空手漬けの高校生活」には反対です。
むしろ,
「文武底々両道」をめざして欲しいと思っています。


お話,とても参考になり,考えさせられました。
ありがとうございました。
また,
通りかかることがありましたら,
ぜひ,お話を聞かせて下さい。
返信する
Unknown (Unknown)
2008-06-12 00:51:58
確かに色々なタイプがあると思いますが、学業の成績と空手の戦績は比例すると思いますよ。空手も教科の一つとして考えることも出来ると思います。
子ども達には、時間がないのではなく、時間を作る、集中して有効に使うことを学んでもらえばと思っています。
そのためには、効率の良い練習方法を考えて支えていくのが親の仕事かもしれません。ただ、「修行」という意味ではマイナスかもしれませんが。

空手の戦績で子どもを進学させるには勇気がいります。私には出来ませんでした。

偉そうな事を記してしまいましたが、たろおさんの心境がまさに私が経験したものに似ているので、あえて記させて頂きました。ただ、良い戦績を残せば残すほど、もっともっと大変になると思います。

返信する
Unknowm様へ (たろお)
2008-06-16 17:25:03
コメントをありがとうございます。
1つひとつ,考えさせられました。

>子ども達には、時間がないのではなく、時間を作る、集中して有効に使うことを学んでもらえばと思っています。

長女【けーこ】が,
「空手の合間に勉強するしかないから集中する。
 空手をやっていなければ,
 こんなに勉強していなかった。」
と話していました。

長男【たね】は,
空手をやってきた時間を勉強に換えて,
受験を乗り切りました。


>そのためには、効率の良い練習方法を考えて支えていくのが親の仕事かもしれません。

本当ですね。
親も勉強しています。


>ただ、「修行」という意味ではマイナスかもしれませんが。

現代の子ども達にとって,
少しずつの練習でも,
毎日続けることだけでも,
十分に「修行」と言えるかもしれません。


>偉そうな事を記してしまいましたが、たろおさんの心境がまさに私が経験したものに似ているので、あえて記させて頂きました。

ありがとうございます。
最近,少し余裕をもって
我が子の空手を見られるようになりました。

その分,不勉強な審判に対しては益々厳しくなったように思います。
昨日も,
審判が投げ技を止めた時に,
「【すけ】,それは認められる技なんだから,
 それでいいんだよ!」
と,監査役の横で,大声で叫んでしまいました。

まだまだ,Unknowm様のように,
余裕をもって見ることは出来ないようです。
でも,もう少し年数を経れば,
「あの頃は・・・・・・」
と余裕をもてるのかもしれません。


>ただ、良い戦績を残せば残すほど、もっともっと大変になると思います。

大した戦績でも,
大した期待を背負ったわけでもありませんが,
もう,十分大変です。
懲り懲りです(苦笑)


多くのことを教えて頂き,
ありがとうございました。
今後とも,
どうぞよろしくお願いいたします。
返信する

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