タローの犬小屋DX

僕は、何を探しているんだろう?
taro-dx1983@mail.goo.ne.jp

辛辣

2008-05-28 22:19:03 | 日々
最近までずっと地を這うような精神状態だった友達が、ようやく前向きになれたと言う。聞けば、大事な友達がとても大変な状況にあるらしく、支えるためにも自分は強くあらねばならない。落ち込んでいる場合ではない、と思ったのだと。彼らしいな、と思いながら、「きっかけはどうあれ、前向きになってくれてよかった」と伝えておいた。



他人のために強くなる?
そんなのは詭弁だよ。

誰かのために強くなるだなんて、
それは体よく他人を利用しているだけだ。
自分一人では到底立ち上がれないから、
誰かを助ける振りして手を借りているんだ。
他人を救っている自分に救われたいだけなんだ。



そう思うけれど、それは所詮僕と彼の考え方や生き方の違い。その一言で片付けられてしまうのだろう。僕が正しい訳でも、ましてや彼が間違っている訳でもない。だから、僕は何も言わずに辛辣な言葉の数々を胸の奥にしまった。

それでも、あの時、
僕が確かに感じた苛立ちは何だったのだろう?

言葉にさえ

2008-05-27 21:42:21 | 日々
ごめん、君に幻滅されそうだ。

僕が何かを書くことを忘れて、ただ毎日を無難にこなすだけのサラリーマンになったら、その時は幻滅すると君はいつか言いました。僕は今も、胸に刻んだその言葉を忘れずにいます。時に自分を励ますために、時に自分を戒めるために。見捨てられる不安の楔を、心に深く突き刺して。

それでも、疲れきった日には、家に帰って夕飯を食べて、風呂に入って眠るだけ。それは何も生み出しはしないし、君の目にはさぞ怠惰に映るに違いありません。「だけど…」と言い訳しそうになって、黙り込んでしまう僕を君はどう思いますか。黙り込んだまま、結局自分を甘やかして眠る僕は、きっと君の理想からは程遠いことでしょう。

ごめん、僕はいつか幻滅される。
その時は、言葉にさえ見放されて。



僕はどこへ向かうのか、僅かばかりの詩を携えながら。

愛だとか

2008-05-26 21:34:36 | 日々
昔の日記を読み返していて、
自分が書いたものかと思う文章を目にする。



*****



他者に愛されて育った子どもは
愛されることに鈍感で、
時に愛することに怠慢だ。
そして、
孤独を分かち合う術しか知らない。

他者に愛されることなく育った子どもは
愛されることに懐疑的で、
時に愛することに臆病だ。
そして、
孤独を飲み込む術しか知らない。

僕はどちらでしょう?
あなたはどちらでしょう?



*****



きっと見当違いなことだし、
答えなどないのだけれど、
その時、書きたかった気持ちを少し思い出した。

春雷

2008-05-25 18:16:36 | 言葉
春雷が訪れて僕をデートに誘う
眩い光を放ちながら
鋭い音を轟かせながら
手招きした先は小さな雨傘の下

悪い冗談は大好きさ
ステップも忘れるような
きつい香水の宴

春雷が訪れて僕をデートに誘う
恋人の振りをして
甘い声まで真似をして
手招きした後は知らん顔で去っていった

胸に火花を飛び散らせ
眠った電話を騒がせろ

春雷がやってくる
黄色いシャツをはためかせて
春雷がやってくる
痛みと喜びを静かに従えて

僕はもう大人だから
浮かれた気分には浸らない
ただ一つを守ること
誰も裏切らないこと
それが正しい大人のマナー

春雷が訪れて僕をデートに誘う
子どもでいられないことは少し口惜しい

wall I need

2008-05-24 23:28:58 | 言葉
私とあなたの間には
越えられない壁があると言う

泣き顔を見せたくない私には
確かに必要なレンガ造り
一人を好むあなたには
ちょうどいい静けさが降る

その壁は
この世の理

私が私であろうとする時
夜露に魂が一つ宿り
世界はぐるりと逆上がりをする

あなたが私の手を掴む時
ティーカップに二枚の花びら
今日は気紛れにスキップをする

その瞬間にさえ
幾重もの壁に分断される惑星よ

電車に揺られる人々
窓に映る無関心
私とあなたの間には
越えられない壁があると言う

トトロ/19歳童貞

2008-05-24 21:04:44 | 日々
職場でタダ券をもらったので、先週末、友達を誘って行きました。

男鹿和雄展@松坂屋美術館

それまで名前を聞いたことがなく、「え、誰ですか?」って感じだったんだけれど、トトロの森を描いた人と言われて合点。普段は美術館とかに行かない僕も足を運んでみることに(ってか、タダだから笑)。編集者たる者、美的センスを常に磨いていないといかんらしいし。
松坂屋に着いたのは午後四時頃、さすがに休日もあって会場の入り口には長蛇の列。若者のグループから親子連れまで、ジブリの人気の高さだとか大衆性を見る。三十分程待ってから、中に入ると、後はもう圧倒されるばかり。ジブリの仕事ばかりではないのだけれど、ただただ感嘆の声が漏れる。

いいものを見た気分でいっぱいでした。



最近、年下の男の子とメールをしている。相手の若さとそれゆえのテンションに合わせるのが最初は難しかったけれど、一度慣れてしまえば「ゎ」も「ぁ」も可愛いものだと思える。男と経験はなく、付き合っている彼女ともまだ進展はないらしい。つまりは童貞な訳で。メールの文面もどことなくこちらを誘ってくるようなものがあり、「添い寝したい」とか言われてしまうと返答に困る。自分のセクシャリティに戸惑っている段階の若人にとって、僕との出会いは何かしらの影響を与えてしまうに違いないから。

…という話を、友達から聞いた。長いことトキメキから離れて男日照りの彼だから、どうかその「可愛い」19歳童貞をゲットしてほしいと思うけれど、はてさてどうなるか(苦笑)。踏み込んで間違う道だとしても、とにかく進まなければ何も起こらない。臆病になるな、と激励した。近いうちに会ってみるらしい。

話を聞きながら、

「童貞食いてぇー!」

と、興奮して思わず言ってしまう僕はもう、トトロには会えない。

無垢な夕餉

2008-05-22 22:51:36 | 日々
昨日、仕事帰りに友達と食事をした。久し振りに会ったのだけれど、相変わらずのやりとりばかりで、まるでいつかのシーンをリプレイしているようにも思えた。途中、カレーを挟んで向かい合ったテーブルで彼が恋の話を始めると、僕はかつて彼に「好きだ」と言ったことを思い出して、一人で照れたり気まずい思いをしたりした。それすら気付く様子もなく、彼はいつも通りによく笑い、よく喋った。僕はそれに適当な相槌を打ち、同じように笑みを返した。
特に重たい話をする訳でもなく、心の奥にあるものを見せることもない。彼は僕のブログもミクシィの日記も読んでいない。僕のことをそれほど深く知らないと言えるのかもしれない。でも、ただ、そういう関係が心安らかにしてくれることもある。僕は僕自身のことさえも知らない顔をして、素直に笑っていられるから。例えば、彼の目の前で悲劇のヒロインぶれば、即座に笑われる。そして、真面目に叱られてしまうのだろう。

きっと、

目に見えないものよりも目に見えるものが、やっぱり僕は好きなんです。
遠く離れたものよりも近くに感じられるものに、やっぱり安心してしまうんです。
気後れするけれど、与えることよりも与えられることを、やっぱりどこかで望んでいます。



それは、

少し疲れていて、
誰かに救いを求めて、
微かに手が届いた夜のこと。

拒絶の井戸

2008-05-22 00:28:03 | 日々
ふと、深い井戸を掘っている気持ちになった。ひたすら深く掘り進めていくと、光は薄くなっていき、確かめられるものは自分の身体と目の前の暗い土壁だけになる。掛けていたはずの縄梯子もいつしか消え失せて、地上に戻る術すらない。それでも井戸を掘る。それは、僕という不恰好な人間の、不恰好な生き方のような気がした。

深く深く、まだ深く、風の匂いも街の喧騒も届かないくらい。



誰が決めたのかも、どれだけ世間一般に浸透しているのかも分からないけれど、誕生花というものがあるらしい。とは言っても、ネットで検索すると様々なサイトに行き当たり、その内容も微妙に異なっている。ちなみに僕の誕生日だと、柊だったりスマイラックス(聞いたことない)だったりして、怪しい限りだ。その中の一つにあったのが、節分草。

その花言葉は「拒絶」。



凍えた井戸の底深く、響くは誰の声?

でんでんむしのかなしみ

2008-05-19 23:22:42 | 日々
誰もが等しく自分という一人の人間を抱えている。僕も君も、職場の同僚もコンビニ店員も、部活帰りの中学生も駅構内に眠る人々も。二人を抱える人はなく、一人を手放す人もない。その身に宿る喜びや悲しみ、愛も孤独も無限なる有限の中に。口を尖らせて主張する不満に、正当性はなかった。それは最初から、誰もが持っているものなのだから。



甘ったれるんじゃない。



言い聞かせて、なだめすかして、今日も眠りにつく。
殻いっぱいに詰まった、でんでんむしのかなしみを思いながら。

煩わしい

2008-05-18 17:24:49 | 日々
うまく言葉にできない不安や心配など、打ち明けられるだけ迷惑に違いない。例えば僕が君ならば、「それでも構わないから、何でも話してよ」と言うだろうし、何もできないことを歯痒く思うだろう。遠慮がちな態度に寂しささえ覚えるかもしれない。でも、現実に僕は君でなく、君は僕でないから、胸に沈んだ重たい荷物は言葉に変わることを知らず、心の深みでじっと蹲るばかりで。

自分の背負うものをどうにもできないからといって、他人に背負わせようだなんて甘えている。自分の痛みのその原因を説明しきれないなんて、あまりにも子どもじみて笑えてくる。他者を寄せ付けまいと牽制しながら、それでも手を伸ばす行為の何と情けなく愚かしいことか。

嫌だ嫌だ嫌だ、
こんな自分が煩わしい。



あぁあぁあぁ、
暮れていく空を見た、
晴れないままの瞳の中に。