第2章 暢と和馬
出迎えてくれたのは元だった。3年半見ぬ間にすっかり大きくなって、もはや大人の雰囲気を持っていた。聞けば大学生になったという。当たり前だ。自分が家を離れた時が高校生になった時だったのだから。
「元、体は大丈夫?病気したりとしてない?」
「いきなりそれかよ。大丈夫だって。高校時代は無遅刻無欠席だったんだから。いつまでも由布に心配かけてばっかりじゃないから」
元は昔から自分のことを由布と呼び捨てにしている。その言い回しが3年半の時間を一気に戻して心地よかった。逃げるように故郷を飛び出した自分だけれど、家は何も変わらずに自分を受け入れてくれているようだった。
「さっき中学校に寄ったら、暢にあったんだけど。あの子、もう中学生になってるんだね。そうそう、百合ちゃんちの和馬君にも声かけられたよ」
「ああ、由布が今日帰ってくること、百合っぺにも言ってあるから聞いたんだよな。あの二卵性双生児に早速会ったんだ」
「何、それ?二卵性双生児って」
「暢と和馬の二人だけど、あいつら、まるで二卵性双生児みたいだってみんなが言ってる。仲が良いのか悪いのか。ちょうど由布が出て行った年だったかな、小学4年の時に同じクラスになったんだけど、何かと言えば対抗意識ありありで、家庭訪問で先生が来られた時も、困ったようなうれしいような、複雑な顔をしてられたんだよな」
「何か迷惑かけてるんじゃない?あの子。」
「言ってみればその反対かな。何でもかんでも二人で進んで先々にやってしまうってさ。クラス対抗戦で何をしようかとか、遠足のレクはどうしようとか、発表会の出し物から配役の割り振りとか、二人が喧嘩しながらやっていくものだから、先生の出番がなくなって困ってたとか、家庭訪問の時に担任の先生が言ってるのを聞いたな。良く言えばクラスを盛り上げてるんだけど、悪く言えば引っかき回してるというか。まあそれでもお互い相手より良い所を見せよう何て気が強いものだから、クラスに問題が起きた時なんかもどちらが先に解決するかの競争というか、あれは一種のゲームなのかもしれないけれど、たまには押さえて欲しいと思うようなこともあるって言われてたな」
「ごめんね、大変な時に元に任せっきりにしちゃって」
「まあいいさ、こちらはこちらで、百合っぺとしょっちゅう相談したりして何とかやっていけたし、まあ楽しかったこともあったかな」
「そのパワー、勉強にも生かせたら良いのにね。相変わらず野山を駆けっぱなしだったんじゃない?」
「うん、二人とも勉強については適当にやってればいい、みたいなところがあったからな、あのことがあるまでは」
「何か事件でもあったの?」
「いやぁ、事件ってほどの出来事じゃないけれどね、二人にとっては世界観が変わるくらいの出来事だったかもしれないな、今にして思えば」
「何よ、もったいつけないで話してよ」
「6年の二学期になった時にね、隣のクラスに転校生が来たんだ、都会から。背の高い可愛い女の子で、衣川みどりって言う子なんだけどね。その子が勉強が出来る上に足も速くて運動も出来るってことで、一躍学校中の人気者になったんだ。それまでは二人のクラスが何でも一番だったのに、運動会でもあやういことになったりして、卒業前の土壇場になってトップの座を奪われそうになったからもう大変、それはもうあせりまくり。実際50m競争の勝負をいどんだそうだけど、ギリギリの差で負けたとか。スポーツではまだまだこれから頑張れば何とかなるだろうって気もするんだけど、勉強の方はそうもいかない。ということで、6年の後半になってやっと勉強意欲に燃えだしたんだ。最初は二人だけで勉強会みたいなのを始めたけれど、それでも追っつかない。で、えらい迷惑なことに百合っぺに勉強を教えてもらおうってことで、あちらの家に入り浸りになったんだ。まあ実際、俺よりも百合っぺの方が勉強できるから賢明な判断だけどね。でも俺も百合っぺも大学入試の受験勉強真っ最中だろ。人に教えている場合じゃないよな」
「でも、人に教えるのも勉強になっていいんじゃない?」
「ことによりけりだよ。小学生の問題だぜ。大学受験する者がこんなときに小学生の問題やってる場合じゃないだろ。百合っぺは全然気にしないでいたけれど、あいつは俺と違って頭の良い人でないと入れない大学目指していたから。だから俺が言ってやったんだ。いい加減にしろよって」
「元でも怒ることあるんだ、ふーん。そうか百合ちゃんの為なら何でも言えるんだ」
「茶化すなよ、その時は本気だったんだから。で、傑作なんだけど、俺に怒られて二人はどうしたと思う?」
「落ち込んで、勉強なんか辞めるって言い出したとか?そんなところかな?」
「いやいや、そんなことでへこたれる奴らじゃないよ、知らないだろ、あいつらが二人そろった時のパワーがどれくらいすごいか」
「知るわけないでしょ、成長期見てないんだから」
「何と、あいつら、敵に直接攻撃をかけたんだ」
「えっ?その、みどりって子に嫌がらせを始めたとか?」
「その反対。あの二人、そのみどりちゃんに、勉強教えてくれ、って頼み込んだんだ。恥も外聞もなく。よくやるよ、俺だったら絶対にできないな、そんな真似」
「へえー、すごいじゃない。でもびっくりしたでしょうね、その子」
「まあ驚いたそうだよ。100mも飛び上がって腰を抜かしたって」
「いくら何でも100mってことはないでしょ」
「いやいや、町の噂ではそういうことになってる。俺が聞いた話では」
「何それ?町のみんなが知ってる話なの?」
「ああ、こんな奴ら見たことも聞いたこともない、って。まあ話半分だろうけれどね。で、連中を上回るのがみどりちゃんで、彼らの頼みを二つ返事で受け入れたって言うから人間ができてるね。それまで、ともするとよそ者みたいな感覚で見られていたのが、すっかり地元の英雄になっちゃって、それから時間があると図書館に通って、3人でしっかり勉強している姿が見られるようになって、すっかり昔からの友人みたいに親しくなって、それからは何をするにも3人で一緒みたいになってる。中学に上がったら3人とも同じクラスになって、みどりちゃんは陸上部に入ったけれど、同じ部活やるのも芸がないからと言うこともあったり、まあもう一つ別の理由もあって、二人は別の部活入って頑張っている。まあ平均以下に背が低いから、レギュラー取れるかどうかわからないけれどね」
「3人組がそのまま続いてるっていうことね」
「うん、ある意味そうなんだけど、クラスが違っていたら良かったんだけどね。なまじ同じクラスになっちゃって、四六時中顔をあわせているものだから、何だか意識し合うようになって、暢も和馬もみどりちゃんを女性として意識しだしたみたいなんだ。あの二人、二卵性双生児というより、ほとんど一卵性だな、やることも好みもよく似ていたけれど、好きな相手も一緒になったみたいで、恋のライバル真っ最中ていうところ。もちろん相手を蹴落としたり出し抜こうなんてまったく考えもしてはいないのが救いなんだけどね」
「ちょっと微妙な関係なのね」
「まあね。仲良しコンビは小学生までということでいいんじゃないかな。今はそれより一段階上の、競い合うライバル関係で少しでも相手より良いところを見せようとやっきになってる。仲が良いのか悪いのか。昔から夏休み終わる前には二人で必死で片付け合ったりとかしていたけれど、今でもどちらかが病気で学校休んだら、授業のノートを見せ合ったりとかしてるし、テスト勉強とか部活のない日には特に約束とかしていなくても、みどりちゃんを含めた3人で一緒に勉強しているけど、気が散ったりすることも多いみたいで、百合っぺが家に戻ってくる日に誘い合って二人だけで勉強見てもらってるみたい」
「その、みどりちゃんって子に一度会ってみたいな」
「顔だけなら暢の部屋の机の上にクラス写真があるからそれを見ればいいよ。ちょうど暢と和馬と三角関係の位置に写っている、背の高い女の子だからすぐにわかるよ」
とりあえず両親に帰宅の挨拶を軽く済ませた。あまり詳しいことは話したくはなかったのですぐに自分の部屋に入って荷物を片付けて、着替えも済ませてから暢の部屋に入ってみた。暢の部屋は意外に片付いていた。というよりもよけいな物が一切無くて散らかす物がないと言った方がよいかもしれない。参考書の類もほとんどない。まあ百合ちゃんの家で勉強をしているのだったらそこで参考書を貸してもらえばいいからかもしれないが。
机の上に写真立てに入れたクラス写真があった。確かにひときわ目立つ美形の背の高い女の子が目についた。暢にはもったいないような子に見えた。三角形を意識して目を移せば暢と和馬がちょうど担任教師をはさんで対称の位置にいた。二人とも変に緊張して体を硬くしている。何となくお互いを意識し合って恋の火花を飛ばし合っているような、話を聞いているからそんな風に思えた。そして二人のど真ん中にいる担任教師に目が行って、由布の動きが止まった。さきほど見かけた暢の部活の顧問の先生だ。でも、どうして……。
ふと思い立って由布は暢の机の引き出しをいくつか開け、机の上の本立てにクラスの名簿が入ったファイルを見つけて眺めた。やはり気のせいではなかった。
名簿を元あった場所に戻すと、由布はふらふらと部屋を出て行き、自分の部屋に戻った。一度止めた時間が、4年の歳月を経て、再び動き出したような気がしてきた。ばたんと横になると長旅の疲れが一度に出てきたかのように眠気が一気に押し寄せてきた。
出迎えてくれたのは元だった。3年半見ぬ間にすっかり大きくなって、もはや大人の雰囲気を持っていた。聞けば大学生になったという。当たり前だ。自分が家を離れた時が高校生になった時だったのだから。
「元、体は大丈夫?病気したりとしてない?」
「いきなりそれかよ。大丈夫だって。高校時代は無遅刻無欠席だったんだから。いつまでも由布に心配かけてばっかりじゃないから」
元は昔から自分のことを由布と呼び捨てにしている。その言い回しが3年半の時間を一気に戻して心地よかった。逃げるように故郷を飛び出した自分だけれど、家は何も変わらずに自分を受け入れてくれているようだった。
「さっき中学校に寄ったら、暢にあったんだけど。あの子、もう中学生になってるんだね。そうそう、百合ちゃんちの和馬君にも声かけられたよ」
「ああ、由布が今日帰ってくること、百合っぺにも言ってあるから聞いたんだよな。あの二卵性双生児に早速会ったんだ」
「何、それ?二卵性双生児って」
「暢と和馬の二人だけど、あいつら、まるで二卵性双生児みたいだってみんなが言ってる。仲が良いのか悪いのか。ちょうど由布が出て行った年だったかな、小学4年の時に同じクラスになったんだけど、何かと言えば対抗意識ありありで、家庭訪問で先生が来られた時も、困ったようなうれしいような、複雑な顔をしてられたんだよな」
「何か迷惑かけてるんじゃない?あの子。」
「言ってみればその反対かな。何でもかんでも二人で進んで先々にやってしまうってさ。クラス対抗戦で何をしようかとか、遠足のレクはどうしようとか、発表会の出し物から配役の割り振りとか、二人が喧嘩しながらやっていくものだから、先生の出番がなくなって困ってたとか、家庭訪問の時に担任の先生が言ってるのを聞いたな。良く言えばクラスを盛り上げてるんだけど、悪く言えば引っかき回してるというか。まあそれでもお互い相手より良い所を見せよう何て気が強いものだから、クラスに問題が起きた時なんかもどちらが先に解決するかの競争というか、あれは一種のゲームなのかもしれないけれど、たまには押さえて欲しいと思うようなこともあるって言われてたな」
「ごめんね、大変な時に元に任せっきりにしちゃって」
「まあいいさ、こちらはこちらで、百合っぺとしょっちゅう相談したりして何とかやっていけたし、まあ楽しかったこともあったかな」
「そのパワー、勉強にも生かせたら良いのにね。相変わらず野山を駆けっぱなしだったんじゃない?」
「うん、二人とも勉強については適当にやってればいい、みたいなところがあったからな、あのことがあるまでは」
「何か事件でもあったの?」
「いやぁ、事件ってほどの出来事じゃないけれどね、二人にとっては世界観が変わるくらいの出来事だったかもしれないな、今にして思えば」
「何よ、もったいつけないで話してよ」
「6年の二学期になった時にね、隣のクラスに転校生が来たんだ、都会から。背の高い可愛い女の子で、衣川みどりって言う子なんだけどね。その子が勉強が出来る上に足も速くて運動も出来るってことで、一躍学校中の人気者になったんだ。それまでは二人のクラスが何でも一番だったのに、運動会でもあやういことになったりして、卒業前の土壇場になってトップの座を奪われそうになったからもう大変、それはもうあせりまくり。実際50m競争の勝負をいどんだそうだけど、ギリギリの差で負けたとか。スポーツではまだまだこれから頑張れば何とかなるだろうって気もするんだけど、勉強の方はそうもいかない。ということで、6年の後半になってやっと勉強意欲に燃えだしたんだ。最初は二人だけで勉強会みたいなのを始めたけれど、それでも追っつかない。で、えらい迷惑なことに百合っぺに勉強を教えてもらおうってことで、あちらの家に入り浸りになったんだ。まあ実際、俺よりも百合っぺの方が勉強できるから賢明な判断だけどね。でも俺も百合っぺも大学入試の受験勉強真っ最中だろ。人に教えている場合じゃないよな」
「でも、人に教えるのも勉強になっていいんじゃない?」
「ことによりけりだよ。小学生の問題だぜ。大学受験する者がこんなときに小学生の問題やってる場合じゃないだろ。百合っぺは全然気にしないでいたけれど、あいつは俺と違って頭の良い人でないと入れない大学目指していたから。だから俺が言ってやったんだ。いい加減にしろよって」
「元でも怒ることあるんだ、ふーん。そうか百合ちゃんの為なら何でも言えるんだ」
「茶化すなよ、その時は本気だったんだから。で、傑作なんだけど、俺に怒られて二人はどうしたと思う?」
「落ち込んで、勉強なんか辞めるって言い出したとか?そんなところかな?」
「いやいや、そんなことでへこたれる奴らじゃないよ、知らないだろ、あいつらが二人そろった時のパワーがどれくらいすごいか」
「知るわけないでしょ、成長期見てないんだから」
「何と、あいつら、敵に直接攻撃をかけたんだ」
「えっ?その、みどりって子に嫌がらせを始めたとか?」
「その反対。あの二人、そのみどりちゃんに、勉強教えてくれ、って頼み込んだんだ。恥も外聞もなく。よくやるよ、俺だったら絶対にできないな、そんな真似」
「へえー、すごいじゃない。でもびっくりしたでしょうね、その子」
「まあ驚いたそうだよ。100mも飛び上がって腰を抜かしたって」
「いくら何でも100mってことはないでしょ」
「いやいや、町の噂ではそういうことになってる。俺が聞いた話では」
「何それ?町のみんなが知ってる話なの?」
「ああ、こんな奴ら見たことも聞いたこともない、って。まあ話半分だろうけれどね。で、連中を上回るのがみどりちゃんで、彼らの頼みを二つ返事で受け入れたって言うから人間ができてるね。それまで、ともするとよそ者みたいな感覚で見られていたのが、すっかり地元の英雄になっちゃって、それから時間があると図書館に通って、3人でしっかり勉強している姿が見られるようになって、すっかり昔からの友人みたいに親しくなって、それからは何をするにも3人で一緒みたいになってる。中学に上がったら3人とも同じクラスになって、みどりちゃんは陸上部に入ったけれど、同じ部活やるのも芸がないからと言うこともあったり、まあもう一つ別の理由もあって、二人は別の部活入って頑張っている。まあ平均以下に背が低いから、レギュラー取れるかどうかわからないけれどね」
「3人組がそのまま続いてるっていうことね」
「うん、ある意味そうなんだけど、クラスが違っていたら良かったんだけどね。なまじ同じクラスになっちゃって、四六時中顔をあわせているものだから、何だか意識し合うようになって、暢も和馬もみどりちゃんを女性として意識しだしたみたいなんだ。あの二人、二卵性双生児というより、ほとんど一卵性だな、やることも好みもよく似ていたけれど、好きな相手も一緒になったみたいで、恋のライバル真っ最中ていうところ。もちろん相手を蹴落としたり出し抜こうなんてまったく考えもしてはいないのが救いなんだけどね」
「ちょっと微妙な関係なのね」
「まあね。仲良しコンビは小学生までということでいいんじゃないかな。今はそれより一段階上の、競い合うライバル関係で少しでも相手より良いところを見せようとやっきになってる。仲が良いのか悪いのか。昔から夏休み終わる前には二人で必死で片付け合ったりとかしていたけれど、今でもどちらかが病気で学校休んだら、授業のノートを見せ合ったりとかしてるし、テスト勉強とか部活のない日には特に約束とかしていなくても、みどりちゃんを含めた3人で一緒に勉強しているけど、気が散ったりすることも多いみたいで、百合っぺが家に戻ってくる日に誘い合って二人だけで勉強見てもらってるみたい」
「その、みどりちゃんって子に一度会ってみたいな」
「顔だけなら暢の部屋の机の上にクラス写真があるからそれを見ればいいよ。ちょうど暢と和馬と三角関係の位置に写っている、背の高い女の子だからすぐにわかるよ」
とりあえず両親に帰宅の挨拶を軽く済ませた。あまり詳しいことは話したくはなかったのですぐに自分の部屋に入って荷物を片付けて、着替えも済ませてから暢の部屋に入ってみた。暢の部屋は意外に片付いていた。というよりもよけいな物が一切無くて散らかす物がないと言った方がよいかもしれない。参考書の類もほとんどない。まあ百合ちゃんの家で勉強をしているのだったらそこで参考書を貸してもらえばいいからかもしれないが。
机の上に写真立てに入れたクラス写真があった。確かにひときわ目立つ美形の背の高い女の子が目についた。暢にはもったいないような子に見えた。三角形を意識して目を移せば暢と和馬がちょうど担任教師をはさんで対称の位置にいた。二人とも変に緊張して体を硬くしている。何となくお互いを意識し合って恋の火花を飛ばし合っているような、話を聞いているからそんな風に思えた。そして二人のど真ん中にいる担任教師に目が行って、由布の動きが止まった。さきほど見かけた暢の部活の顧問の先生だ。でも、どうして……。
ふと思い立って由布は暢の机の引き出しをいくつか開け、机の上の本立てにクラスの名簿が入ったファイルを見つけて眺めた。やはり気のせいではなかった。
名簿を元あった場所に戻すと、由布はふらふらと部屋を出て行き、自分の部屋に戻った。一度止めた時間が、4年の歳月を経て、再び動き出したような気がしてきた。ばたんと横になると長旅の疲れが一度に出てきたかのように眠気が一気に押し寄せてきた。