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中国単身生活16年(2004〜2020年)
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何が赤字圧縮じゃ!解凍したらまた同じ赤字じゃね~か?!話でごまかすな!

2011年10月31日 21時49分21秒 | Weblog
パナソニック、3月期決算は4200億円の最終赤字に 予想より4500億円も損失拡大

2011.10.31 16:42 [AV機器]



厳しい表情で、2012年3月期連結決算の
業績予想についての記者会見に臨むパナソニックの
大坪文雄社長=31日午後、東京都港区


厳しい表情で、2012年3月期連結決算の業績予想についての記者会見に臨むパナソニックの大坪文雄社長=31日午後、東京都港区
 パナソニックは31日、平成24年3月期の業績予想を下方修正し、最終損益が2年ぶりに4200億円の赤字(前期は740億円の黒字)に転落する見通しだ、と発表した。従来予想は300億円の黒字だった。赤字が続くテレビ事業でパネル生産を一部停止するなどリストラ費用が膨らむほか、円高による為替差損が響いた。

 テレビ事業の収益を改善するため、今年度中に尼崎工場(兵庫県尼崎市)でプラズマテレビ用パネルの生産を一部停止し、事業を縮小する。これに伴う会計処理で巨額の損失が発生し、最終赤字に転落する。

 欧米景気の低迷や円高の影響などで、今年度の売上高は従来予想より4000億円少ない8兆3000億円(前期比4・5%減)に、営業利益も1400億円少ない1300億円(57・4%減)に、それぞれ業績予想を下方修正した。

 同日発表した9月中間決算は、最終損益が1361億円の赤字(前年同期は747億円の黒字)に転落した。不振のテレビ事業と半導体事業の構造改革費用がかさんだのに加え、円高や欧州経済不安の長期化も影響した。

 売上高は前年同期比8%減の4兆51億円、営業利益が72%減の475億円となった。

 上野山実常務は「今手を打たないといけないのはテレビと半導体。(2つの事業の)赤字を圧縮すれば全体の利益も大きく変わる」と強調した。


【私感】

 赤字圧縮?!当たり前じゃないか!だけど、圧縮と言う事はごまかしでしょう?きちんと赤字を無くす経営方針を立てるべきだ!
海外への出張者を減らして出張手当を削減しろ!
その代わりに、海外に居る日本人を採用して現地で給料を支払う。日本国内の利益をそとに出さない。
日本の従業員の長期駐在もかなりの経費を使うからこれも見直しする。
日本の企業同士でスクラムを組むばらばらに海外に出てもこれからは、金を持っている中国人に全て買収されてしまうぞ!
臭いものに蓋をしていては、切り捨てると同じ意味だからそれを買うハンターにケツの毛までも抜かれる事に成り。
最終的には、資源も無い、製造力も無い、工場も無い、人は海外に移住して働き手も無い、無い無い無い 3N になってしまうぞ!
もう少しと云うか考えろや!バカもんが! と思うぞ!


国内ニュース [産経抄]

2011年10月29日 11時15分05秒 | Weblog
10月29日

2011.10.29 02:45 [産経抄]

 円高は何も悪いことばかりではない。通貨の価値が上がっているのだから、わざわざ海外を旅行しなくても知らないうちに恩恵を受けている。世界的に食料品や原油が高騰しているのにかかわらず、日本の消費者がほんの少しの痛みを感じるだけですんでいるのは円高のおかげだ。

 ▼1ドルでも1セントでも多くもうけようとする強欲な投資家たちが安全な通貨として円を買っているのも悪いことではない。彼らは、東日本大震災で大きなダメージを受けた日本を支援しようという気持ちからではなく、純粋にもうけるためだから日本人はもっと胸を張っていい。

 ▼とはいえ、物には限度がある。2年前の9月、政権交代で鳩山由紀夫政権が発足したとき1ドルは90円台だったが、超円高といわれた。その後、軽々と90円、80円の壁を突破し、今や日本の輸出産業を壊滅させかねない75円台に突入した。

 ▼この2年間、政府と日銀は何をやってきたのか。おととい、日銀は金融政策決定会合を開いて追加の金融緩和策を発表したが、中途半端で円高の動きにストップをかけられなかった。

 ▼ピエロ役を演じたのは、安住淳財務相だった。連日、「必要なら断固たる措置をとる」と大見えを切りながら結局は為替介入に踏み切れなかった。介入は各国と連携し、前触れなしに実行して効果が出るものだ。「口先財務相」が今後、何を言おうと市場は信用しないだろう。

 ▼では、円安にするためにはどうすればいいのか。簡単にいえばお札をどんどん刷り、円の価値を下げればいいだけの話だ。復興財源も増税で賄う必要なぞ毛頭ない。財務官僚の操り人形や頭の固い日銀総裁に任せておいては、宝の山が強欲者(ハゲタカ)の餌食になるだけだ。

関連ニュース円相場、75円70銭台まで進む
リコー9月中間、円高差損やリストラ費用で赤字転落

国際ニュース(中国で何が始まる?)

2011年10月29日 10時26分08秒 | Weblog
中国、中小倒産が頻発 危うい「世界の工場」 欧米の低迷直撃、資金不足も深刻

2011.10.10 09:18 (1/3ページ)[中国]



浙江省義烏市の卸売市場内にある日用品店。
日用品取引では世界最大級といわれるこの市場を支える
中国の中小企業が倒産の危機に陥っている





 「世界の工場」と称される中国で、製造業に従事する中小企業の倒産が相次いでいる。欧米の景気低迷を受け、南部で深刻化した企業の危機は他地域にも拡大。資金不足、人民元高、人材難といったさまざまな重荷が企業に重くのしかかっている。(フジサンケイビジネスアイ 上海支局)


珠江デルタで1000社


 中小企業の倒産危機が早くから顕在化したのは中国南部。輸出企業が密集する珠江デルタ地域を中心に、金融危機で萎縮した欧米市場の悪影響が大きく出た。当局は企業の倒産ラッシュを否定しているために公式発表のデータはないが、「珠江デルタ地域だけで倒産企業は1000社単位に上る」との報道がある。

 香港紙の香港経済日報(電子版)によると、輸出を主力とするデニム製品工場約2000社がひしめく広東省仏山市では100社超の企業がすでに閉鎖。「玩具の町」として知られる同省東莞市石排鎮では小規模工場の6割が操業停止の状態という。

 政府系シンクタンクである同省広州市社会科学院の劉江華・副院長は、企業倒産危機の要因として、(1)欧米景気低迷による輸出減少(2)人民元高に伴う競争力低下(3)物価や人件費の上昇による生産コスト増(4)銀行の融資抑制による資金不足-を指摘。「珠江デルタ地域が直面している圧力は、2008年に起きた(米国発の)金融危機を上回る」と懸念を示す。



2011.10.10 09:18 (2/3ページ)[中国]

 こうした中小企業の倒産危機は、すでに南部に限られた状況ではない。中国紙の経済参考報(電子版)は、上海など長江デルタ地域や東北地域にも危機が蔓延(まんえん)していると報じた。同紙によると、東北部の吉林省では数十万社の民営の中小企業が倒産の瀬戸際にあるという。

 深刻になりつつあるのが、企業の資金不足だ。インフレ対策に向けた当局の銀行融資抑制により、多くの中小企業が資金繰り難に陥っている。経済参考報が報じた吉林省の例では、省内の中小企業が必要とする資金1000億元(約1兆2070億円)に対し、銀行融資などで調達可能な資金は440億元のみで、560億元が不足しているという。

 銀行融資を得られない中小企業は、民間のノンバンクを頼らざるを得ない。しかし、利益率10%未満が大半の中小企業にとって、高利の民間金融は“もろ刃の剣”になりかねない。

 香港経済日報によると、長江デルタ地域では高利貸の返済不能に陥った企業経営者が失踪する事件が9月末以降、20件以上発生している。最近では浙江省温州市で眼鏡メーカー経営者が借金を苦に自殺した。


年内に生死の分岐点


 経営環境の先行きは依然と不透明だ。中国物流購入連合会(CFLP)が9月1日に発表した8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)では、新規の輸出受注指数が約2年半ぶりに景気の拡大・縮小の境目の50を割り込み、多くの中小製造企業が手掛ける輸出業の低迷持続を示唆する内容だった。



2011.10.10 09:18 (3/3ページ)[中国]


 業界関係者の間からは「年末に(企業の)生死を分ける“分岐点”が訪れる」(広東中小企業発展促進会の謝泓書記長)との声も聞かれる。「世界の工場」を支えてきた中国の中小企業は、早くも厳しい冬を迎えつつあるようだ。




【トピックス】

大林組、中国撤退“英断” 規制でこりごり

中国、コピー批判よそに「世界で優位に立とう」


国際ニュース

2011年10月29日 09時59分06秒 | Weblog
米衛星にハッキング攻撃 米議会委員会「中国軍関与の疑い」

2011.10.29 09:18

 28日のロイター通信によると、米議会が設置した超党派の諮問機関「米中経済安保見直し委員会」は、米国の2基の衛星が2007年と08年に、中国からとみられるハッキング攻撃を繰り返し受けていたとする報告書案をまとめた。

 攻撃されたのは気象観測や地形調査用の衛星。ハッキングはノルウェーの地上施設を経由して行われていた。ハッキングは発信源の特定が難しいが、同委員会は中国軍が関与した疑いが最も高いと指摘。米航空宇宙局(NASA)は、既に国防総省に通報したという。(共同)

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2011年10月26日 21時48分52秒 | Weblog
タイ大洪水第9弾 タイの全15工業団地への進出日本企業一覧

タイ大洪水の今後

<簡単には水は引かない、川の中流から下流の勾配は10センチ程度>

独立行政法人土木研究所の「水災害・リスクマネジメント国際センター」で、人工衛星のデータなどを基にタイのチャオプラヤ川の浸水の広がりをシミュレーションした。

チャオプラヤ川は、流域の面積がおよそ16万平方キロメートルと、日本で最も広い面積を持つ利根川の10倍近い広さがあり、人工衛星による雨雲のデータの分析では、この広い流域全体に先月までの3ヶ月間で710ミリの雨が降ったとみられている。


これは、去年までの3年間の同じ期間と比べると約1.5倍に当たる。シミュレーションでは、8月から上流部で浸水が広がりはじめ、先月には上流からの氾濫と大雨が重なって浸水が中流部に広がり、先月下旬からは下流のアユタヤ県に広がっている。

さらに、去年観測された雨量を基にした今後の浸水の変化の予測では、アユタヤ県では来月末(11月末)になっても1メートル程度しか水が引かず、依然として浸水する地域が多く残る結果となった。

さらに下流の首都バンコクについても、アユタヤ県と同じように長期間にわたって洪水が続くとみられている。

水災害・リスクマネジメント国際センターは「長さ800キロを超えるチャオプラヤ川は、中流から下流にかけての勾配が1キロ下っても10センチ程度しか低くならない。このため川の流れがゆっくりで、日本の川と比べて一度氾濫すると浸水が長期化する傾向にある」と話している。

<利根川の10倍の流域・琵琶湖相当の水が溢れ出ている>

 タイで続いている洪水被害について、過去にチャオプラヤ川の治水調査をした中央大学の山田正教授は「平たんな土地に大量の水が浸水してほとんど流れずにいるため、しばらく洪水は収まらない」と指摘している。
今回の洪水の原因について、山田教授は、利根川の10倍近い広さがあるチャオプラヤ川の流域に、平年を上回る雨がまんべんなく降ったことだと指摘したうえで、「日本と違い川の流域面積が非常に大きいので、広範囲で雨が降り続くと1.5倍程度の雨でも洪水をもたらす特徴がある」と話す。
また、すでに浸水している地域には、ほとんど傾斜のない平地に琵琶湖の水の量を上回るおよそ300億トンに達する水が残っていて、今後、雨があまり降らなくても洪水はしばらく収まらないと指摘している。
山田教授は「日本の場合、3日たてば雨水は海に流れるが、首都バンコクや多くの工業団地があるアユタヤ県はほとんど平らなため、いったんあふれると収まるまでに非常に時間がかかる」と話している。

<過去何十回も洪水発生地・・・リスクが元々存在した場所が工業団地>
さらに、こうした洪水は今後も起こりうるとしたうえで、山田教授は「タイの平野では歴史的には何十回も洪水が起きていて、都市化が進んだとはいえ、工場は過去、洪水が起きているところに建っている。企業が海外に進出する際には、過去の水害データや国の治水策などを把握しておく必要がある」と指摘している。byNHK


中国経済の行方。

2011年10月22日 12時36分55秒 | Weblog
北京・山本勲 中国経済はトリレンマをしのげるか2011.10.22 07:46 (1/2ページ)[緯度経度]
 
中国経済がインフレ、成長失速、不良債務急増の“トリレンマ(三重苦)”に見舞われている。消費者物価指数の上昇率が6月から4カ月連続6%台に高止まる一方、2年余り続いた不動産バブルは陰り始めている。加えて世界同時不況脱却を狙った2008年末からの4兆元(約50兆円)の超大型景気対策が国の不良債務を急増させている。「世界経済のエンジン」と称賛された「中国モデル」は急速に色あせつつある。

 08年9月のリーマン・ショック後の不況で、中国も09年1~3月の国内総生産(GDP)成長率が6・1%まで落ち込んだ。それが同年4~6月には7・9%まで戻し、年間で9・2%、昨年は10・4%と3年ぶりに2桁成長に復帰した。

 しかし、4兆元の景気対策は銀行融資の急拡大と通貨供給量の激増を招いた。融資残高の増加額は09年に前年比32%増の9・6兆元、10年は20%増の7・95兆元を記録。通貨供給量の指標であるM2(現金と当座預金・普通預金に定期預金などの総計)はそれぞれ28%、20%も激増。09年の融資増加分はGDPの約3割に相当する巨額さだ。

 政府が超大型浮揚策に踏み切ったのは、中国経済が5年連続の2桁成長を経て、北京五輪後は不動産バブル崩壊に向かう傾向が強まっていたからだ。国内景気後退と世界不況が重なれば政治不安を招く、との危機感からとみられる。

 だが度を越した浮揚策の弊害は昨年半ばからインフレ、不動産バブルの膨張となって表面化した。同年末には共産党自ら金融緩和の終了を宣言、インフレ抑制に軸足を移し、利上げと銀行の預金準備率引き上げを繰り返してきた。


2011.10.22 07:46 (2/2ページ)[緯度経度]
 
しかし、物価上昇率は政府目標の4%を大幅に上回り続けている。一方で今年半ばから中南部で民営中小企業の倒産が相次ぎだした。労賃と人民元の上昇で靴や衣料などの輸出加工業が行き詰まり、闇金融にはまった経営者の夜逃げや自殺が社会問題となっている。

 不動産相場も上海など大都市で横ばいから低下に転じ始め、転機を迎えつつある。7~9月のGDP成長率も9・1%と1~3月(9・7%)、4~6月(9・5%)を下回った。

 不気味なのは地方政府や傘下の投資会社の債務急増だ。財源難の地方政府は好機到来とばかりに、新都市開発や高速道路などのインフラ(産業基盤)建設を競った。しかしゴーストタウン化した新都市や車の走らない有料高速道路の映像や報告がインターネットなどで飛び交っている。

 政府当局によると、こうした地方政府がらみの債務総額は10・7兆元(約130兆円)。中央政府分など国の公共部門すべてを含めても「債務の対GDP(約40兆元)比は5割前後と警戒線以下にある」(劉明康・中国銀行業監督管理委員会主席)とのことだ。

 しかし中国でも「シャドーバンキング」と称される、ヘッジファンドやアングラ金融などの資金が「約10兆元にのぼる」(中国評論ネット)とされる。国有金融機関など公的資金の一部がこれらに流れているとの見方も根強い。

 もし金融引き締めを続けて成長率が5%以下に落ち込めば、こうした“隠れ債務”が一気に表面化して政治不安になりかねない。一方、公共事業主導の従来型成長を繰り返せば、インフレによる社会不安とさらなる不良債務増を招く。

 本来は経済が上り調子だったこの10年間に、内需主導の成長に移行するための政治経済改革を断行すべきだった。改革の先送りが政治安定最優先の針の穴に糸を通すような難しい経済運営を余儀なくさせている。




経済NEWS(中国)

2011年10月21日 12時11分00秒 | Weblog
2011年10月20日

特別リポート:中国で膨張する地方債務、経済の「地雷原」に

 10月20日、中国における地方債務の拡大が深刻化の一途をたどっている。写真は2月、四川省・成都市の駅構内を歩く男性(2011年 ロイター)
 [成都/武漢/東京 20日 ロイター] 中国における地方債務の拡大が深刻化の一途をたどっている。景気対策の名の下に行われた野放図ともいえる建設ラッシュの結果、地方政府が抱える債務は2010年末で10兆7000億人民元(1兆6700億ドル)に達し、少なくとも3割近くに不良債権化の恐れが出ている。

 中国経済の「地雷原」ともいえる借金バブルの膨張。だが、地方当局者の危機意識は薄く、投資収益が細る中で、事態がさらに悪化する懸念が高まっている。                 

 リーマンショックが世界を覆った08年、中国・四川省の省都、成都市で、英ロンドンのウォータールー駅をモデルにした鉄道ハブを建設するという大胆なプロジェクトが動き出した。中央政府は金融危機による国内経済の悪化を懸念、各地方都市に積極的な景気対策の実施を指令していた。その命をうけ、本家のウォータールー駅をはるかにしのぐ成都市の野心的な建設計画には、膨大な資金がつぎ込まれた。

 「実際にウォータールー駅を訪れた時には、ずいぶん小さいので驚いた」。成都新駅の建設を手掛けた成都交通投資集団の陳軍(Chen Jun)董事はこう振り返る。「成都の実情に合わせるには数倍大きな駅が必要になるだろうと思った」。

 中国におけるインフラプロジェクトの例に漏れず、新駅の規模は計画に比べて2倍以上に膨れ上がり、国有銀行からの融資額は30億人民元に達した。さらに工事スケジュールも、わずか2年後の完成をめざすという異例のスピードだった。

 だが、華々しく立ち上げられた新駅計画が国民からの称賛の的にはなっているわけではない。むしろ、他の多くの地方公共プロジェクトと同様、建設バブルの象徴として厳しい視線と批判にもさらされつつある。

 <目算なき建設ラッシュ> 

 リーマンショック後の08年11月9日、中国政府は2年間で4兆人民元におよぶ景気刺激策を実施すると発表。世界経済が急速に悪化した局面でいち早く打ち出した大規模かつタイムリーな経済対策は、その後の中国の2桁成長をけん引したほか、世界経済の立て直しにも貢献した。

 景気対策の大きな柱になったのは、地方都市における公共施設の建設だった。中央政府の意向をうけた各地方政府は喜々として大型プロジェクトに乗り出した。

 地方政府は債券発行や銀行からの直接借り入れを禁じられているため、資金調達の核になったのは各政府が設立した「地方融資プラットフォーム会社」と呼ばれる投融資企業。その数は中国全土で1万社に増加し、リーマンショック後に発生した地方債務はこうした企業向け融資の形で一気に積み上がった。

 「刺激策は中国の現状に合っており、タイムリーで強力、かつ効果的だった」、「正しい決定であり、われわれにとって、将来の世代にとって、そして世界全体にとり有益だった」。景気刺激策が終了する直前の昨年9月、温家宝首相はこう語り、その効果を高く評価した。

 しかし、「ハコモノ行政」の御多分に漏れず、多額の融資をつぎ込んだ建設物には、役立たずの橋など無用の長物も少なくない。新たに作った施設の収益が不足し、債務返済が滞る事態は現実になりつつある。

 中国の地方政府が抱える債務は10年末時点で10兆7000億人民元とみられ、中央政府ではそのうち2兆5000億─3兆人民元が不良債権化すると予測。一方、スタンダードチャータード銀行は不良債権額が8兆─9兆人民元に上るとみる。今年と来年が償還期限になる地方債務は、全体の約4割にあたる4兆4000億元に達する。

 <巨額の債務、不足する営業収益>

 成都のオフィスでソファに深く腰を下ろした成都交通の陳董事は、成都版ウォータールー駅の開発については、同市政府が資金の問題に行き当たる、と笑顔であっさりと認めた。陳董事は「市の鉄道網への投資から生じる可能性がある影響については、まだ自社の決算に反映させていない」と明かした上で、「ローン返済の期限が来たら、困難に直面するかもしれない」と述べた。

 成都交通は10年末時点で資産額が117億人民元であるのに対し、負債額は189億人民元に達する。それでも陳董事は解決策があると考えており、過度な心配は抱いていない。

 陳董事が期待する策とは、全国の地方政府が所有する資産、すなわち不動産だ。同市内で成都交通以外に国有企業6社の経営も手掛ける陳董事は、本家ウォータールー駅のように各駅周辺に大規模な住宅や商業施設を建設する計画を抱く。もちろん資金は借り入れで賄うつもりだ、という。

 湖北省の省都、武漢市。長江とその支流の漢江が交差する要所に位置する同市でも、成都市と同様に、リーマンショック後の景気対策として公共投資のラッシュが続き、そのツケをめぐる議論が巻き起こっている。

 交通ハブとしての機能をさらに高めるため、同市政府は過去3年間で橋梁や鉄道路線、高速道路の建設に熱を上げた。これらの公共投資のうち、ほとんどをファイナンスしたのが武漢市城市建設投資開発集団(UCID)。同市最大の地方融資会社であるUCIDは1万6000人の従業員を抱え、総資産額は1200億人民元に上る。

 UCIDが抱える銀行からの借入額は10年9月時点で685億人民元に達し、営業キャッシュフローの1億4800万人民元をはるかに上回る水準となっている。巨額の投資と営業収益の不足に対する市民の不満を気にした市当局者らは、長江に架けた橋梁について、これまでにない資金回収策を思いついた。通常の通行料に加えて、月に最低18日間利用する車両について、往復料金16人民元を徴収するという方法だ。

 さらに、人口980万人の同市では、地下鉄路線を17年までに215キロ延伸する計画も抱えている。大手国有銀行からの融資で建設費を賄う考えだ。融資の担保として土地販売に依存しているが、市によれば、高級住宅向け用地の価格は04年比で2倍以上に膨らみ、1平方メートル当たり1万1635人民元に高まっているという。

 UCID新聞弁公室(広報部門に相当)の申志忠(Shen Zhizhong)副主任は、債務の危機に直面しても、多額の赤字を責められるいわれはないと強弁する。

 「政府にやるべきことをすべて決められ、いずれのプロジェクトもわれわれには何ら権限はない」。さらに、申副主任は「われわれはスポーツ選手と同じで、監督やレフェリーではない。監督やレフェリーしか知らないことをなぜ選手に尋ねるのか」と語り、同社に市の借金返済計画を尋ねるのは「非科学的」と一蹴した。

 <危機感みせない当局者>

 成都市や武漢市も含め、ロイターが取材したいくつかの地方融資会社では、多額の債務にもかかわらず、担当者に懸念の色は見えなかった。単に中央政府の意向に沿った対応をとっているだけであり、中央政府は必ずや救済に乗り出すに決まっている、というのが彼から一様に戻ってくる答えだ。

 おそらく彼らの目論見は当たっている。中央政府は3兆ドル以上の外貨準備を保有しており、債務超過の投融資企業を救済するだけの資金は十分だ。実際、1990年代には主要行救済のために資産管理会社を設立した経緯もある。

 成都市発改委区域計画処の曽明友(Zeng Mingyou)処長は、債務は積み上がっているものの、市は支出やリスクをコントロールできると自信をみせる。「重要なのはわれわれにはリスクをコントロールする適切な対策があるということだ。ほかの都市に比べ、われわれには優れたコントロール機能がある」と強調する。

 曽処長によれば、市では3年前、利用者のいない高速道路が農業用地に建設されていることが判明、それを受けて投融資企業の引き締めに取り掛かったという。また、インフラ融資の担保として土地を利用することも既に中止しているという。

 「市の土地すべてを利用し、担保にすることは不可能」と曽処長は話す。「いつかは土地も枯渇する。そのため、今では持続的な発展に向けて努力しているところだ」。

 武漢市でも、金融規制当局である湖北銀監局新聞弁公室の謝作槐(Xie Zuohuai)副主任が債務マネジメントに対する自信を見せる。謝副主任はたばこをひっきりなしに吸いながら、「武漢は、地方債務に関する中央政府の規制を実施するにあたっては模範都市とされている」と話す。

 「中央政府がうまい具合にリスクを抑えると信じているから」とも語り、いざとなれば中央政府が救済に乗り出すという、世間に流布しているうわさを裏付ける証言も行った。

 <不動産規制の打撃>

 地方当局者にとって、債務をコントロールするカギのひとつは、不動産価格を高水準に保つことだ。上海に本拠を構える不動産情報・コンサルティング会社、中国房産信息集団によると、昨年の地方政府収入のうち、4割が土地販売によるものだった。土地はまた、地方融資会社に対するローンの担保としても活用されることが多いという。

 しかし、そこに大きな懸念材料が浮上している。中央政府が不動産ブーム抑制の動きを強め、国有銀行に融資カットを指導しているからだ。

 中国では昨年、国内投資がGDPの7割を占めたが、その多くが不動産市場やインフラ開発に流れ込んでいる。こうした投資ブームに乗って土地の使用権を売り、債務返済の財源としてきた一部の地方政府にとって、不動産取引の規制強化は、その計画を狂わせるだけでなく、新規融資に必要な信用力の低下にもつながる。

 実際に、銀行側は、地方プロジェクト向け融資への慎重姿勢を強めている。たしかに、地方債務の増大と返済能力の悪化にともなう融資リスクは、各行のバランスシートの健全性を考慮すれば、まだ低いレベルにとどまっているようにみえる。銀行業界の不良債権引当率は10年末に218%となり、08年末の80%、09年末の155%から上昇した。

 しかし、北京、武漢、成都の銀行の経営幹部は、利益を生むという保証がない場合、あるいは潰すことができないような巨大プロジェクトでない限り、地方政府への融資をストップしたと口をそろえる。北京のある中規模行の経営幹部は匿名を条件に、「現在、多くの銀行は地方政府に属する投融資企業への新規融資をカットしている」と明かす。

 地方政府や融資企業も、資金調達が難しくなったと認める。成都交通の陳董事は「銀行が知りたいと望むのは、明確な収入源だ」と指摘。「高速道路や鉄道路線といった大プロジェクト向けのローンは得ることが難しくなった」と打ち明ける。

 <影の銀行>

 中国の地方官僚は、共産党の評価を得るために、雇用や成長を促すプロジェクトを通じて好調な経済を維持することが求められる。不動産バブルを防止するために融資が引き締められれば、住宅・不動産市場の低迷につながりかねず、その使命は果たせない。そこで登場するのが「影の銀行」だ。

 彼らは闇の融資・信用業者として、正規の融資では不適格とされた個人や企業に信用を供与。供与した信用を細切れに別の投資商品に紛れ込ませる役割を担う。いわばアメリカの銀行がサブプライムローンで行っていたのと同様の手法だ。

 クレディ・スイスは最近のリポートで、中国でこうした闇の融資が急成長している事態を「時限爆弾」と表現した。同社は、中国の闇融資の市場規模を4兆人民元と推計。これは正規の銀行融資規模の約8%に相当する水準だ。

 闇市場では最高で利息が70%に達し、市場規模は1年で約50%拡大しているという。今年に限ってみると、影の銀行による不動産デベロッパー向け融資は2080億人民元に達しており、正規の銀行による同様の融資額2110億人民元とほとんど変わらない水準とみられる。

 正規の銀行は危険性のあるローンを闇市場に移してきた。アナリストによれば、公的銀行も財務をよく見せるため、ローンの再構築や組み換えを進めているところだという。例えば、地方政府向け融資を企業向け融資に分類し、引当金を減少させることで利益を水増しする行為がみられるとしている。国内メディアによると、分類しなおす予定のローン総額は2兆8000億人民元に達するという。

 「各行は一定水準の不良債権の存在を認めなくてはならないが、規制当局がこうしたローンの再分類を許しているため、あえて認めることはしないだろう」。米シカゴにあるノースウェスタン大学のビクター・シー教授は、中国の金融システムに関する著書でこう指摘した。

 そのような債権の再分類は、関係者全員に都合がいい方策といえるだろう。中央政府は金融システムの不安定化を警戒しており、不良債権の増大を望むはずもない。また地方政府にとっても、胡錦濤(Hu Jintao)氏から習近平(Xi Jinping)氏に国家指導者の交代が予想される来年秋の重要な党大会を控え、巨額の不良債務が発覚して成長軌道から外れるのは避けたい、という思惑もあるようだ。

 とはいえ、中国は世界景気の影響を受けやすく、不況を避けるためにあらゆる対策が必要になる可能性もある。建設ラッシュは08年に国内経済を守る役割を果たしたが、現在の中央政府に当時のような力はない。インフレ率は高止まりし、これ以上のマネー供給は事態を悪化させるだけだ。 バークレイズ・キャピタルは世界的な景気後退が中国の「ハード・ランディング」を招く可能性に言及。国内総生産(GDP)も、都市部に流入する地方出身者に十分な雇用を確保するのに必要とされる成長率8%を大きく割り込むとみている。深刻な経済不況に落ち込めば、地方政府の資金供給源となっている土地販売にも影響し、地方が抱える債務はさらに危機的な状況に追い込まれる可能性もある。

模造大国(特許権何のその)歯車が一つ無い?

2011年10月10日 15時24分33秒 | Weblog
(上)コピー批判よそに「世界で優位に立とう」

2010.6.14 20:43 (1/3ページ)


上海万博の会場内で来場者を運ぶ電気バス(河崎真澄撮影)
 「これはひどいね」



 4月23日、報道陣に公開された北京国際モーターショーの会場で中国のベンチャー企業、BYDのブースを訪れた日本の自動車メーカー関係者は顔をしかめた。BYD初のスポーツ用多目的車(SUV)「S6」のボディーが、トヨタ自動車の高級ブランド車と酷似していたからだ。

 「参考にする」範囲を超えた外国車のコピーについて中国には罪悪感が薄い。3月、米フォード・モーターから乗用車ブランド「ボルボ」を約1700億円で買収した吉利汽車の場合、日本車のコピーを低価格で販売し、研究開発費を抑制したことで知られる。

 1990年代、自動車産業を育成しようと「国民車構想」を掲げた中国政府だが、国内メーカーはやる気を見せなかった。「トヨタやフォルクスワーゲン(VW)と組んで合弁会社をつくった方がもうかる。リスクを冒して開発する気などない」(中国に詳しい自動車業界関係者)からだ。吉利のボルボ買収も、独自の技術やデザインにこだわらない裏返しともとれる。

 “模倣ビジネス”は部品にも及ぶ。昨年秋、中国のカー用品販売店で日産自動車の偽のエンブレム付きのエアバックが出回った。日産は調査会社を通じて「衝撃時に膨張しない」模造品を探し、中国の警察当局に押収を依頼した。

 純正品と区別するため、日産は商品券の偽造に効果の高いホログラムをラベルに採用するなど、再発防止に余念がない。


2010.6.14 20:43 (2/3ページ)



 「エンジンの音がしないのに動いている」。5月から始まった上海万博の会場で江蘇省から来た主婦、王燕さん(45)は目を丸くした。

 328ヘクタールという巨大会場を動く来場者の「足」は、200台近い電気バス。停留所に滑り込むと、バスの屋根から電車のパンタグラフのような金属が充電施設の電極に伸びる。バスの動力となるリチウムイオン電池は、地元メーカーの“純国産”だ。

 「2020年までに米国、ドイツ、日本の同レベルと自動車強国の構築を目指す」

 3月に来日した中国汽車技術研究センターの黄永和氏は、自信満々に言い切った。「コピー車批判」をよそに、中国では電気自動車(EV)を武器に、国際社会で「優位に立とう」と号令がかかっている。

 ただ、万博会場の電気バスはエアコンをつけると、走行可能距離は3キロ程度に落ち込んでしまう。最高時速は44キロ。公道での実用化はほど遠い。

 「EVの世界で優位に立つなんて自信がどこからくるのか」。山東省でEV開発に取り組む中小メーカーを見学した日本の自動車メーカー幹部は驚きを隠さない。この幹部が紹介されたEVは、丸みを帯びた赤いボディーで全長2・7メートル。最高速度は60キロ。動力に鉛電池を使用し、エアコンを装着しないなど装備を絞り込んでいた。


2010.6.14 20:43 (3/3ページ)



 1台5千ドル(約45万円)で約400台を米国に輸出したものの、中国政府の許可が下りず、国内販売ができないという。こうした低速EVメーカーが中国には約500社あり、2万元(約26万円)~3万5千元(約46万円)で国内販売を計画中だ。

 前出のBYDは5月、広東省深セン市のタクシー会社に30台の電気自動車(EV)を引き渡した。5人乗りの小型EVで価格は約30万元(約400万円)。1回の充電で330キロ走行できるという。

 電池メーカーとして1995年に設立されたBYDは、EVの動力となるリチウムイオン電池の製造技術で定評がある。米投資家ウォーレン・バフェット氏の関連企業から約10%の出資を受け入れたことで注目を浴び、群馬県の金型メーカー、オギハラの工場を買収した。日本のものづくりを支える金型技術を生かし、「EVの製造で主導権を握る」(BYDの王伝福総裁)シナリオを描く。

 もっとも、環境への配慮や行政側の安全基準などの規格作りは進んでいない。事情に詳しい関係者は「低速EVはニッチな市場だ。低価格というだけでは普及しない」と漏らす。明るい自動車産業の未来を強調する中国には、手探りを続ける姿が透けてみえる。





 昨年の新車販売台数が1364万台に達し、米国を抜き世界一となった中国。一部の日系企業で賃金改善を求めるストライキが起きるなど、新たな課題も浮上する“自動車大国”の素顔を追った。





ノーベル賞受賞について。

2011年10月10日 15時11分07秒 | Weblog
なぜノーベル賞がもらえないのか…中国人の複雑な心境

2011.10.7 18:55 (1/2ページ)[中国]

 【北京=矢板明夫】中国のインターネットでノーベル賞は大きな関心を集め、ユーザーたちはかなり自由に考えを述べ合っている。「中国人はなぜノーベル賞を取れないのか」というテーマは最もホットな話題だ。

 中国人がノーベル賞を話す際は、平和賞を除く場合が多い。昨年の平和賞は、民主活動家で投獄中の劉暁波氏。同氏が国際社会から高く評価されたことは、中国政府に限らず一般庶民にとっても、恥ずかしいことであって胸を張って自慢できることではないらしい。

 1989年にノーベル平和賞を受賞したチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世も中国と深い関わりを持つ人物だが、中国人はノーベル賞を語るときに劉氏と同じく話題にすることは少ない。

 また、これまでに多くの中国系米国人がノーベル賞を受賞しているが、中国は彼らを米国人と見なしており、あまり興味を示さない。

 多くの中国人ユーザーが気にしているのは自然科学、経済と文学の分野。中国人はまだ1人もこの賞を手にしていないということだ。この事実は中国人のプライドを深く傷つけており、不満、怒りなどさまざまな感情を込めた書き込みが多く寄せられている。

 今年のノーベル医学・生理学賞に、中国中医学院の屠●(=口へんに幼)●(=口へんに幼)、首席研究員(80)が選ばれる可能性があると事前に伝えられ、ネットで一時、期待する声が高まった。屠研究員は中国の古文書に記載された生薬にふくまれる成分の研究で大きな成果をあげ、2011年度の米国のラスカー・ドゥベーキー臨床医学研究賞という権威ある賞を受けている。


2011.10.7 18:55 (2/2ページ)[中国]

 同賞の受賞者が同じ年のノーベル医学・生理学賞を受賞する事例が以前にあったことから、「科学分野での中国初の受賞者は女性」といった受賞確定を前提とした文章がネットに出回った。

 また、人気小説家の莫言氏や余華氏らもここ数年、毎年のように文学賞受賞の可能性があるといわれ、期待する声は多かった。しかし、今年もノーベル医学・生理学賞、文学賞ともに中国人は選ばれなかった。

 なぜだめなのか。さまざまな分析が書き込まれている。まずは、中国の教育制度が子供の創造力を伸ばすことを重要視していないことが最大の問題だと主張する人が多い。また、今日の中国社会は拝金主義が蔓延(まんえん)しており、学者が落ち着いて研究できる環境ではないとの意見もある。さらに、中国の企業は外国の技術をコピーすることばかりしているので、研究開発に資金を投じないことが問題だとの書き込みもある。

 これらの中国自身の問題点を指摘する意見に対し、「中国人は差別されており、研究者はいくら頑張っても評価してもらえない」「中国は意図的に外された」「ものすごく不公平感が残る」といったノーベル賞委員会を批判する意見が半分近くもある。

中国を撤退する企業の行くては?

2011年10月10日 14時40分01秒 | Weblog
大林組、中国撤退“英断” 規制でこりごり、対中戦略に一石

2011.3.6 18:00 (1/3ページ)

 大手ゼネコンの大林組が、日本を抜き、世界2位の経済大国となった中国から撤退する。中東の反政府デモの飛び火が懸念される民主化の遅れと同様に、建設市場の規制緩和が遅々として進まないことに業を煮やしたためだ。日本も含め世界中の企業が巨大市場に群がるが、リスクも高い。大林組の“英断”は、日本企業の対中戦略に一石を投じそうだ。


大型案件から排除


 「中国では、“食あたり”を起こした」

 大林組の白石達社長は、中国での事業はもうこりごりと言わんばかりに、こう語る。

 同社は、平成14年に中国政府が外資の参入規制を緩和したのを受け、翌15年に現地法人「大林組上海建設」を設立したが、4月にも閉鎖する方針だ。

 経済成長による空前の建設ラッシュを背景に当初は年間50億円規模の売り上げを目指したが、実際は半分の約25億円にとどまっている。中国でのめぼしい実績は、昨年開かれた上海万博の「日本産業館」の建設ぐらい。売上高全体に占める中国の比率は0・2%にも満たない。

 目算が外れた最大の理由は、依然として残る細かな外資への規制だ。

 最大の障害が、ライセンス制度。すべての工事が請け負える「特級」から、ビルの階数で制限した1~3級までの4段階の区分が設けられている。

 大規模ビルのほか、道路や鉄道などの大型案件を受注するには「特級」の取得が必要だが、外資には実質的に門戸が閉ざされ、大林組は、28階以下の中型ビルしか建設できない「2級」しか取得できなかった。

 現地法人の資本金の最大5倍までしか受注できないという制限もあり、大型案件からは、ほとんど弾き出された。


2011.3.6 18:00 (2/3ページ)

他社も続々追随?


 さらに20年のリーマン・ショック後、中国政府は総額4兆元(約57兆円)に上る景気対策を発動したのに合わせ、「自国の建設業者に優先的に仕事を回すため、外資の締め出し傾向を一段と強めている」(業界関係者)という。

 その結果、中国人が9割を占める現地法人のスタッフ150人の人件費すらまかなえず、実質的に赤字が続き、ついに店じまいを決断した。

 大林組以外の日系ゼネコンも状況は似たり寄ったりだ。大成建設や鹿島は、40階以下の大型ビルまで建設できる「1級」の資格を取得したが、中国に進出する日系企業からの受注が主体で、受注額は年100億円程度にとどまる。

 海外建設協会によると、日本のゼネコンの中国での受注額は21年度実績で493億円しかなく、海外受注全体に占める割合は7%に過ぎない。

 「大林組に続き、撤退の動きが出てもおかしくない」(業界関係者)

 業界では、追随を予測する声が絶えない。


問われるリスク管理


 「北米やオセアニア、東南アジアに軸足を置く。縮小均衡の国内の仕事だけでは将来的に社員の雇用を維持できない」

 大林組の白石社長は、中国撤退後も海外事業を強化していく構えだ。

 建設経済研究所の予測によると、22年度の国内建設投資は公共投資の激減などで、ピークの4年度の半分以下の40兆円を割り込む見込みだ。生産拠点の海外シフトによる国内投資の低迷や少子高齢化による住宅需要の減退で、民需も先細りが必至。

 「典型的な内需型企業だったゼネコンの成長にも、海外事業の拡大が欠かせない」(証券アナリスト)


2011.3.6 18:00 (3/3ページ)

 しかし、海外事業には大きなリスクを伴う。大林組では、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで鹿島とともに受注した地下鉄工事で、代金の未回収が発生。22年3月期に多額の損失計上を余儀なくされ、上場以来初めての営業赤字に転落した。

 鹿島や大成建設など国内4社が受注した北アフリカのアルジェリアの高速道路工事でも、約1億円規模に上る代金が未払いとなっている。

 大林組が見切りを付けた中国では、コロコロと変わる制度や技術の流出、合弁相手とのトラブルなど、日本企業が煮え湯を飲まされたケースは、枚挙にいとまがない。

 「当局は反政府デモを抑えようと躍起だが、民主化ドミノが中国に波及する可能性を考慮する時期にきている」(大手メーカー首脳)との声も聞こえる。

 大林組では昨年、米サンフランシスコとシンガポールに統括事務所を設け執行役員を配置するなど情報収集体制の強化を急いでいる。海外で稼ぐためのリスク管理が改めて問われている。(今井裕治)