凄く、苦手な子どもだった
何故かと言うと
覚えることが、嫌い
手順やら、手際やら
覚えなくても
適当に、出来るじゃんっ
いや、出来なくても
良いじゃんかっ
それが、本音だな
だから、嫌いと言うより
おまえは、苦手
手順やら、手際やら
覚えることがね
いや、出来ないんだよ
おまえは、出来ない
手順やら、手際やら
覚えられない
それも、違うな
社会から、落ちこぼれて
いや、指先で縋っていて
そうなったら
必死だったよな
なんとか、食い扶持
仕事の手順、手際
ようやくだけど
必死に覚えて
なんとか、最低限
染みついた
いや、染み残った
そんな手順、手際
それで、生き永らえては
来たんだと思う
だから、おまえは
本当は、おんなじを
繰り返す事が
ただ、面倒かった
出来ない訳でもないのに
ただただ、面倒かった
やらなくても、済まないかな
そんな感じだったのか
ただ、毎日は
一分、一秒は
普通は、結構
おんなじに思える
でも、本当は
まったく、おんなじじゃない
だから、おまえのいのちなんて
いつも、消えそうな蝋燭一本
だから、必死に
手順やら、手際やら
無理矢理に、おんなじに
繰り返す
ひたすら、繰り返している
多分、もう
知らずに、繰り返している
おんなじにね
そうして、振り返ると
まったく、おんなじ繰り返し
変えたつもりでも
変わらない
いや、もう変えられない
手順、手際だけじゃない
思いも、おんなじ
だから、きっと
おまえは、こんな風に
変わった気持ちのつもりで
変わらりばえはしない
ふと、目覚めて
いつも通りの、おんなじ
つまらない、気持ち
でも、そうだよな
これが、精一杯
ただ、そうだな
おまえは、特に
おんなじを、装っても
おんなじは、出来ない
少しずつ違う
不規則に違う
それで、仕方がないな
違うんだから
そう思えば、いい…
