秋の七草※のひとつ、青色の花の代名詞、キキョウ(桔梗)“Platycodon grandiforus”。
凛とした美しい花姿と目の覚めるような青色が古来より親しまれ、
皿絵や屏風絵、着物の紋様に描かれたり、家紋としても使われている。
あの明智光秀も、このキキョウをあしらった家紋だったとか。
うちの庭で毎年咲く矮性の園芸品種。
数年前に二株だけ植えていたものが、毎年どんどん増えている。
古来より親しまれた花で、万葉集などにも登場する。
根には薬効があるとされ、やはり古来より漢方薬などに利用されてきた。
今でも生薬の原料として重宝され、中国や朝鮮半島では薬用品種が生産されている。
つぼみは紙風船のように五角形に膨らみ、
やがてその先端が割けて、五弁の花びらの星形の花を咲かせる。
中央の雄しべ雌しべが控えめで目立たず、
大きく目立つ花びらも、つぼみ同様 紙細工のような質感で、なんとも面白い。
日本では観賞用として矮性の園芸品種が多数出回っており、初夏に園芸店に並ぶ。
秋の七草に含まれて、秋のイメージの強いキキョウだが、実は花は初夏に咲く。
初夏に咲き始め、それから幾度か花期の周期があって、秋中頃まで咲き続けるのだ。
だが、たいていの場合、ススキが見頃になる頃には終わっている。
なので秋というより、夏の花といった方が正解かもしれない。
茎が1m近く ひょろっと伸びる、野生種に近い品種。
福岡県直方市ふくち山麓はな公園にて。
切り花としても流通しており、やはり初夏からお盆前後くらいに市場に出回る。
切り花のものは、古くからある茎が伸びるタイプのもので、
青のみならず、白やピンクもある。
同じキキョウ科のリンドウなどと比べると、花がデリケートであまり保ちがよくない。
暑い時期というのもあるが、毎日の切り戻しと水換えが大事。
白色のものもある。
直方市ふくち山麓はな公園にて。
キキョウという花は、おそらく日本人なら誰もが耳にしたことのある花。
だが園芸品種以外の、野山に自生しているのものは、
目にしたことがない方が多いのではなかろうか。
事実、自分も野山や雑木林でこれを見た記憶がない。
昔は野山や原っぱ、そこかしこに咲いていたそうだが、
近年、野生種はめっきりと姿を消してしまい、今や絶滅危惧種らしい。
うちの庭に植えているキキョウの繁殖力をみる限り、
野生種も そう弱い植物ではないと思うのだが、
乱開発や外来種によって駆逐されているのだろうか?
嘆かわしいことだ。
つぼみ(中央)も紙風船のようで面白い。
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YouTube: 一休さん 第2話 まんじゅうとねずみ
キキョウといえば、アニメ“一休さん”に登場する、強欲な商人“桔梗屋”。
いつも一休さんの“とんち”で してやられてしまう。
桔梗屋のひとり娘、弥生さんは美人だけどかなりの性悪。
桔梗屋の登場は13分35秒あたりから。
しかしなんだ、昔のアニメのこのざっくりとした感じ、いいなあ。
阿弥陀さまを煮るなよと。
※ 秋の七草:七草粥でおなじみの春の七草と異なり、食べることはできない。
秋の風物として楽しむための草花7種。
キキョウはじめ、ススキ,オミナエシ,ナデシコ,クズ,フジバカマ,ハギ。
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