福岡では、もう葉茎が黄色くなり、花も終わってしまう頃だが、
春に鮮やかなブルーをはじめ、ピンク,紫,白と、カラフルな色と、
矢車状の面白い花姿を楽しませてくれる、キク科の花、
ヤグルマギク(Centaurea cyanus)。
先日の記事、夜明温泉の最初の写真にも、
これがたくさん咲いているのが写っていたが、
3月から5月にかけ、畑の隅などに、集団で植えられているのを見かける。
日本では古くから切り花として重宝されており、園芸店などでも種や苗が販売されている。※
海外でも、古代から親しまれている花で、
ツタンカーメンの棺に手向けられていることが解っているし、
マリー・アントワネットも、この花を好み、その花姿を愛でたという。
また、ゴッホも、花瓶に挿したヤグルマギクの絵を描いている。
中央のブルーが原種の色(本来の色)。
本来は鮮やかなブルー(あさぎ色)の花で、
品種改良によって、ピンクや白、紫や青の濃淡など、様々な色が生み出された。
種は、大抵、色はミックスで販売される。
ヤグルマギクは、英名を“コーンフラワー”といい、
青色の宝石、サファイアの最高品質の色を、
このヤグルマギクの青色にちなみ、“コーンフラワーブルー”と称する。
スリランカ産のものが最高品質だとか。
畑に植えられたヤグルマギク 粕屋町にて。
強健でよく育ち、栽培が容易なので、
特産品売場や物産展などの切り花コーナーでも、よく販売されている。
他の切り花と比較すると割と安価。
花保ちもいいので、部屋に飾るのに重宝するが、
傷みはじめると、花弁と花粉が散らかる。
葉茎の色が褪せてきて、傷み始めたら、早めに処分した方がいい。
繊細且つしっかりとした花姿が美しい。
フィンセント・ファン・ゴッホ/花瓶のヤグルマギクとケシ 1887年作
没後120年 ゴッホ展 画集より
花瓶中ほどの青色の小花が、ヤグルマギク。
赤い花はケシ(ポピー)で、白い花はよく判らないが、シオンかマーガレットだろうか?
※ 園芸店では、“セントーレア”という学名で販売されていることが多い。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます