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疾風ロンド

2017-01-09 00:34:38 | 映画

先日の休みに映画を観てきた。

阿部寛主演のサスペンスコメディ、"疾風ロンド"だ。

原作は東野圭吾氏の同タイトルの小説。

原作は本格的なミステリー・サスペンスで、コメディではないようだが、

監督、吉田照幸氏によって、コメディタッチの作品になった。

キャッチコピーは、"雪山に隠された生物兵器。犯人死亡。手がかりはテディベア?"

 

 

サスペンスはあまり観るジャンルではない。

だが、この疾風ロンドは予告編を観て面白そうだと思い、気になっていた。

ある日ボーっと観ていたテレビのバラエティ番組に、

この映画に出演している大島優子が出ていた。

同じく出演者のムロツヨシとの、

ゲレンデでスノーボードで滑走しながらの死闘シーンが紹介されていて、

スタントなしで、本人が演じたというエピソードを語っていた。

チラっと紹介された、そのアクションシーンがとても格好良くて、がぜん観たくなった。

年末の忙しい時期はなかなか観に行き出せなくて、

先に公開が終了してしまう映画を優先に観たりしていて、

年が明けてようやっと観ることができた。

 

 

医科学研究所に勤務する、さえない研究員、栗林(阿部寛)。

ある日、彼が勤務する研究所から、危険な生物兵器、"K-55"が盗まれた!

K-55を盗んだのは、過去に勤務していた研究員、葛原(戸次重幸)。

彼こそが違法な生物兵器であるK-55を作りだした張本人。

だが、それを理由に解雇されていたのだった。

 

 

葛原は盗んだK-55を雪山に隠す。

そして一枚のティディベアの写真と共に、自身を解雇した研究所へメールで脅迫する。

"K-55を返して欲しくば、三億円を用意しろ!"

違法な生物兵器を所持していた研究所。

この件を警察に届け出すこともできず、

かといって葛原の要求する三億円も到底 用意することができず、

どうしようもなく窮地に陥ってしまう。

ところが葛原は、K-55を隠して脅迫メールを送り付けてすぐ、交通事故で帰らぬ人に・・・。

 

 

葛原の遺品のなかから、K-55の発信機を受信する探知機を発見。

研究所の所長、東郷(柄本明)は、隠されたK-55の捜索を強引に栗林に任せる。

手がかりは雪山の林に吊るされたティディベアの写真だけ。

写真から隠された場所は日本最大級のスキー場だと判明。

発信機のバッテリーが持つのは残り4日間。

 

 

広大なゲレンデで、写真の場所を頼りに、

ひとりK-55の捜索を開始する栗林だったが、20年ぶりのスキーに七転八倒。

しかも隠されているであろう場所は、コースから外れた立ち入り禁止場所。

そんな場所で慣れないスキーで転倒し、とうとう足首を痛めてスキーができなくなってしまう。

K-55を発見できなければ大惨事が起こる・・・。

警察にも言えず頼れる者もおらず、苦悩する栗林。

 

 

ケガをした栗林を救助したパトロール隊員の根津(大倉忠義)と、

栗林の不可解な行動を目撃していた、スノーボード選手の千晶(大島優子)の二人は、

医務室で、栗林を問いただす。

本当のことを言えない栗林はとっさに嘘をつく。

「難病の子どもを救う新薬が隠されてしまった・・・。」

「あと2日で見つけられなければ、その子の命が助からない!」

栗林のことを怪しみつつも、人の命がかかっているのならばと、

根津と千晶は探知機を受け取り、栗林に代わって新薬(K-55)の捜索を買って出た。

 

 

広大なゲレンデで栗林に根津と千晶を加えた、3人の必死の捜索が始まるが、

探知機の誤作動、いくら探しても見つからないティディベア、

そして、二人を付ける怪しい男の存在。

はたして3人はタイムリミットまでにK-55を発見し、大惨事を回避することができるのか? 

 

 

なかなか面白かった。

"疾風"とあるとおり、展開がスピーディで飽きない。

この映画を観に行く決め手となった、

前にテレビで観た、大島優子とムロツヨシの、例の格闘シーンも見ごたえがあった。

コメディだけど、そんなゲラゲラ笑うようなものでもなく、

ミステリーである物語の本筋を破綻しない程度のもの。

ただ、ふだんミステリー作品を読んだり観たりしない自分でも、

色々と展開が読めてしまって、その辺はどうなんだろうと思ったり。

 

 

阿部寛はいい。

こういう情けない役も、本当にハマる。

窓際課長というか、しがないさえない研究員という立場のみならず、

妻を亡くし、男手ひとりで反抗期の息子を育てていて、

K-55の捜索と同時に、息子とのぎくしゃくした関係にも思い悩む。

研究所所長のK-55隠蔽方策に葛藤もし、もがき苦しむ。

阿部寛が男前なんで、あまり照合できないけれど、なんだか心境が痛いくらいに解る。

主演として近々公開される恋妻家宮本も、似たような役どころで期待大。

 

 

先日観た真田十勇士で、くの一役が眩しくて好きになった大島優子。

今回もまたカッコイイ役で魅せてくれる。

本人は実際に9歳からスノーボードをやっていたらしく、

その特技を十二分に生かしてのアクションは素晴らしかった。

そしてまた、今回も一途に男性に恋い焦がれるような役どころ。

演技のウマヘタ云々は置いといて、今回はスノーボードのアクションだけで充分だ。

エクボと八重歯のダブル攻撃は反則。

 

 

冷静なパトロール隊員を演じた、大倉忠義。

知らない俳優さんだな~と思っていたら、俳優じゃなくてジャニタレだった。

雰囲気は藤井フミヤと谷原章介を足したような感じに思えた。

クールなキャラ設定だったのだろうか、

なんというか、多々あった熱血シーンもイマイチ迫力がなかった。

主要キャストにAKBとジャニーズ。

客ウケを狙ったようなキャスティングだが、自分は気にならなかった。

 

 

栗林の中学生の息子役の濱田龍臣はじめ、

若い俳優さんたちが多く登場し、彼らの若々しい演技も見事だった。

ヒロイン役の久保田紗友ちゃんがかわいかった。

あと、真田十勇士で大助を演じた、望月歩くん、影のある役どころで良かった。

海街Diaryで広瀬すず演じたヒロイン、すずの彼氏?を演じた、

織田信成似の前田旺志郎くんも登場。

今回はちょっと ひょうきんな役。

しかし濱田くん、小さい頃 天パじゃなかったっけ?

 

冬のこの時期にぴったりな映画だけど、冬休みも終わり。

もうそろそろ公開が終了する劇場が出てきた。

サスペンス好きで、且つコメディ好きなひとにはお勧め。

さらにウインタースポーツが好きなひとには、なお一層お勧めの映画。

原作者、東野圭吾好きなひとには、コメディにされちゃったので賛否両論あるかも。

この映画観たら、無性にフランクフルトが食べたくなった。

 

 



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