先日の休みに映画を観に行った。
有村架純主演のドラマ、“コーヒーが冷めないうちに”だ。
原作は舞台脚本家、川口俊和氏の同タイトルの舞台脚本及び小説。
映画のストーリーは、その“コーヒーが冷めないうちに”に併せ、
続編にあたる作品、“この嘘がばれないうちに”のストーリーも含まれている。
キャッチコピーは、“あの日に戻れたら、あなたは誰に会いに行きますか?”
先日観たといっても、先々月末のこと。
ブログの更新がなおざりで、記事ネタ溜め込み過ぎだ・・・。
なんといっても目を引くタイトル。
予告編で観た、泣けそうなシーンの数々。
主演の有村架純はじめ、好きな俳優さんが多数出演。
コーヒー好き。
早い段階で観に行こうと決めていて、公開されてすぐに観に行った。
とある町の喫茶店、フニクリフニクラ。
その店には噂があった。
店内のとある席に座ると、望んだ時間に戻ることができるという。
ただし、それにはいくつかの煩雑なルールがあった。
一、過去に戻ってどんなことをしても、現実は変わらない。
二、過去に戻っても、この喫茶店を出ることはできない。
三、過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。
コーヒーが冷めないうちに飲み干さなければならない。
四、過去に戻れる席には先客がいる。
席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ。
五、過去に戻れても、この喫茶店を訪れた事のない人には会う事ができない。
従兄妹同士でこの喫茶店を経営している、流(深水元基)と数(有村架純)。
常連客のなかには、その噂を知っている者もいるが、あまり信じてはいない。
ひとりの女性客がカウンターで愚痴る。
気の強いキャリアウーマン、二美子(波瑠)。
先日、この喫茶店で幼馴染みの男友達と喧嘩別れしてしまっていた。
過去に戻れるという、この店の噂が本当なら、もう一度あのときに戻って、
自分を置いてニューヨークへ行ってしまった男友達へ、ひとこと言ってやりたいと言う。
ただし過去に戻れるその席には先客が居た。
四六時中座っている謎の女性(石田ゆり子)。
流や数曰く、その女性は幽霊。
過去に戻ったものの、そこでコーヒーが冷めるまでに飲み干すことができず、
現在に戻って来れなくなってしまい、そのまま幽霊になってしまったのだという。
そんな物騒な話を聞いてなお、どうしても過去に戻り、
幼馴染みの五郎(林遣都)に、ひとこと言いたいと言葉を荒げる二美子。
幽霊の女性は、ごくまれに席を立つ。
お手洗いに行くときだけ。
そのチャンスを狙う。
数時間後、幽霊の女性が席を立つ。
いよいよ二美子が過去に戻ることに。
さっそく準備に取り掛かる流と数。
二美子は、数にレクチャーを受ける。
「過去に戻ってどうやっても、一度起きたことは変わらない。」
「コーヒーが冷めてしまう前に飲み干して、現在へ戻って来ること。」
この二点を、念を押して伝えられる。
数が慣れた手つきでコーヒーを淹れる。
二美子は目をつぶり、戻りたい日時を強く念じる。
あの日のフニクリフニクラ。
スーツケースを持った五郎が居る。
仕事の都合でニューヨークへ旅立つことになり、
出発直前になって二美子を呼び出し、それを伝える最中。
お互い想っているのに、それを口に出せないまま口論になる。
言いたいことを全部言う!
そう息巻いて戻ってきた二美子だったが、
コーヒーが思いのほか早く冷めていく。
足早に言いたいことを言い、訊きたいことを訊く。
だが、タイムオーバー。
けっきょく、ケンカ別れしたままの状態で現在に戻ってきてしまう。
しかし、過去に戻って、五郎の気持ちが解った二美子は、
自分の気持ちを素直に伝えて、ニューヨークへ旅立つ決意をする。
起きてしまったことは変わらない。
だが、自分が変わることで、新しい道を開くことができた。
常連客の佳代(薬師丸ひろ子)。
過去、旦那さんに渡し忘れた手紙を渡すため、あの席が空くのをずっと待っている。
だが、夕方になると、康徳(松重豊)が迎えに来る。
康徳と佳代は実は夫婦。
若年性アルツハイマーによって、佳代は康徳が自身の夫であることを忘れてしまっているのだ。
看護士をしている康徳は、毎日仕事を終えて迎えに来ていた。
だが、自分のことをすっかり忘れてしまっているため、他人として接していた。
康徳と佳代の関係を知っている、流と数。
まだ佳代が認知症を発症していない、仲むつまじい夫婦のときから知っている。
ある夜、康徳が払いそびれていたコーヒー代を払いにやってくる。
仕事をしながら、認知症の妻の介護をしている康徳を労うため、
流と数は、閉店後のフニクリフニクラのキッチンで日本酒を開けて三人で飲む。
店内にはもうひとり・・・ずっとあの席に座った幽霊の女性にも、お酒を。
そんなとき、幽霊の女性がお手洗いに!
流と数のふたりは、康徳にあの席に座るよう勧める。
佳代の認知症が進行しておらず、まだ康徳が夫だと覚えているとき、
佳代が康徳に、ある手紙を渡そうとしていた日に戻るために!
過去に戻れても、現実を変えることはできない。
それでも、戻ってどうしても伝えたいことがある。
後悔したままで、ずっと辛いことがある。
そんな人たちが、フニクリフニクラの、あの席を求めてやって来る。
けっこう面白かった!
ストーリーがオムニバス形式かと思っていたが、そうではなかった。
過去に戻るキャラ達に、直接的な繋がりはないけれど、オムニバスってほどじゃない。
「4回泣ける!」みたいな謳い文句が付いていたけれど、2回しか泣けなかったです。
有村架純はかわいい!
全っ然スレてなく、なんとなくふっくらしていて、健康的でいい!
今回は妊娠して母親にもなり、最後にはこう来たか!ってな展開に。
いや、予想はできたのだけどね。
あの子役ちゃん(山田望叶)、ネタバレ防止のためだろうか、
主要キャラにも関わらず、チラシやパンフレット、
舞台挨拶等のイベントからもシャットアウトされていてかわいそう。
けっこう目立っていい演技していたのに、パンフレットにくらい詳細載せていて欲しかった。
この子、ふきげんな過去にも出演していたけれど、
小泉今日子,二階堂ふみに負けないくらい巧かったもんなあ。
有村架純の相手役となる、伊藤健太郎。
よく知らない俳優さんだが、ラストのキーマンになる重要な役。
最初はチャラい大学生にしか見えなかったが、
後半はこのキャラが居なきゃハッピーエンドにならなかったかもしれない。
ただ、喫茶店で働くおねえちゃんに、缶コーヒー渡すなよと。
男前でもなくブサイクでもなく、男っぽくもなく、女っぽさもあるような・・・。
なんともいえない中性的なルックス、最近はこういうルックスの俳優さんが多いな。
ひとつめのエピソードに登場する、波瑠と林遣都。
波瑠さんの演技は、NHKの連続ドラマ、あさが来た以外では初めて観たかも。
目力の強い女性なので、こういった気の強い女性を演じるのに向いているのかも。
林遣都は、こないだ観たチェリーボーイズでの、ウジウジした童貞役が強烈だったので、
今回の真面目な役には笑いが出た。
そういや、この二人、あさが来たで共演していたな。
ふたつめのエピソードに登場する、薬師丸ひろ子と松重豊。
このふたりのエピソードで号泣した。
認知症の妻を支える心やさしい夫。
ベテラン俳優のいぶし銀の演技も相まって涙があふれた。
過去に戻ってのシーン、目の前の夫が未来から来たのだと察して、
自身の認知症がひどくなってしまっていると判るのだが、
この映画でもっとも泣けたシーンがここだった。
みっつめのエピソードに登場する、吉田羊と松本若菜。
姉妹を演じていたこの二人は、ストーリーの冒頭からちょくちょく登場していて、
とくに吉田羊は常連客として、他のキャラに絡んでいたりもする。
だが、そんな二人を襲う悲劇。
松本若菜さんの涙で、少しウルっときたが、なんとか持ち堪えた。
結果が変わらないのが残酷だと思ったが、
それでも大きく変わるきっかけとなる、いいエピソードだった。
ラストのエピソードは主演の有村架純と、石田ゆり子演じる謎の女性幽霊。
実は二人は血縁関係。
途中から明らかにされるのだけど、最初からなんとなくそうじゃないかと思っていた。
このエピソードだけは、時系列で若干解りにくい。
三世代でその謎が解けるのだが、泣くほどでもなかったかな?
それにしても石田ゆり子さんはきれいだな。
とても年上とは思えない。
購入したグッズ、フローティングペン。
コーヒー色したシックなペンの内部に、
大量のラメとともに、グラスのポットと、コーヒーの注がれたカップが入っている。
よおく見たら、けっこうショボい。
さすがMADE IN CHINA。
喫茶店が舞台の映画でタイトルにも含まれているのに、なぜだかコーヒーのシズル感がなかった。
サイフォン式でもない、なんだかよく解らないガラス製の装置で淹れて、
これまたコーヒーを飲む用っぽくない、グラスのコップに注いでってのが、美味そうに見えなかったのか?
逆にメニューで出されていて、吉田羊さんが頬張っていた、ナポリタンがめちゃくちゃ美味そうだった。
マッシュルームとウインナーの入った、喫茶店のナポリタンって美味いよなあ。
人気があるようで、まだ上映が続いている場所もある。
興味がある人は観てもらいたい。
有村架純好き、石田ゆり子好き、コーヒー好きは観て損はない。
どんなに涙もろい人が観ても、4回も泣けないとは思う。
いえいえ謝る必要はございません。
自分が涙もろい方だと思っていましたが、
さらにその上のお方がおられたというだけです。
そもそも個人個人で泣けるツボが異なるので、
自分はこの映画で、そのツボがあまり刺激されなかったということですよ。
逆に誰からも泣いたという話を聞かない映画で号泣したりします。
自分の場合、ジブリアニメの“平成たぬき合戦ぽんぽこ”。
その理由を熱弁しても、まったく共感を得られないです・・・。