とある昼前、仕事で配達中。
左折して、左隣に走っている筋違いの道路へと移動する場所。
歩行者が居ないか確認し、右側から車が来ていないのも確認し、充分に確認してから合流した。
アクセルを踏み込んだ瞬間、スピーカーの声が聴こえてきた。
何を喋っているのか判らなかったが、一瞬でそれが警察だと判り、
タイミング的に自分の車が呼び止められているのだと悟った。
ルームミラーを見ると、案の定、いかついパトカーがぴっちり真後ろに着けていやがる。
!?
なんだ、なぜ呼び止められにゃあならん!?
きちんと一旦停止したはず!
マキビシでもばらまいて、そのまま逃走したい気分だが、逃げても仕方がない。
すぐに路肩に車を停めた。
真後ろにパトカーも停まる。
運転席からひとり警官が降りて来た。
ウインドゥを開くと、自分に挨拶もなく言ってくる。
「標識見えなかったですか?」
「はぁ!?」
なんだコイツ、感じが悪い。
「見えなかったですか?」ってなんだ?ひとをバカにしてやがんのか?
「標識って何よ?一旦停止ならしたろうもん!」
「いやあ徐行はしていましたが、停まってはなかったですねえ。
停まるってのは、この状態のことなんで・・・。」
「停まっちょったろうが!あんくらいよかろうもん!」
このクソ警官の言うとおり、完全に静止、ピタッとは停まってなかったかもしれない。
それでも充分に減速し、左右をじっくり確認し、安全を確かめてからアクセルを踏んだ。
にも関わらず、違反しやがったから切符を切るのだと言う。
ふざけろ!
「とりあえずご主人、パトカーの方に移動願えますか?」
てめえにご主人なんて呼ばれる筋合いはねえわ!
お前より歳食ってるだろうが、10も離れてねえだろ!
ラクダみてえに長いまつげしやがって、気に食わねえ!
「ふざけんな!あんくらいで切符切るか?!」
「いやあ、パトカーで聞きますんで・・・。」
「免許証お願いできますか?」
こういうときに限って運転免許証の携帯していなかった。
「持ってねえよ!」
「は?無免許ですか?」
「免許は持っちょるばってん、今、持ってないっちゅうことたい!そんくらい判れ!」
「ではご主人の身元確認が必要なので、ご自宅に電話かけていただいてよろしいですか?」
「家にはアル中の親父しかおらん!」
「他のご家族は?」
「両親と暮らしちょるだけで、お母んは仕事たい!」
「では職場の方に電話かけていただいてもいいですか?」
「身元とかよかろうもん、てめえら金巻き上げればそれでいいんやろうが!」
だがこの日、出社しているのは社長と自分のふたりのみ。
電話をするも、10回コールしても出てくれない。
接客中で電話に出られないのが判る。
「出らん・・・接客中で出られんったい。」
「そうですか、身元が判るまで解放できないんですね。」
「ふざけんな!人数少なくて忙しいんじゃけえ、さっさと配達済ませて帰らんにゃいけんのじゃ!
身元がどうこう言うんじゃったら、お前らが店まで着いてくりゃよかろうが!
こげなとこ潜んで暇してるんやったら、よかろうもん!」
「暴力団やら暴走族はろくすっぽ取り締まらんで、野放しにしちょうくせに、
真面目に仕事しよう市民から、しょうもない因縁つけて姑息に金巻き上げやがってよ!」
「いや、取り締まってますよ、こないだも田川署の方で暴走族、逮捕してましたよね?」
「たった二人くらい捕まえて、何えっらそうに言ってんの!?
毎晩ブンブンハエみたいにやかましいわい!
田川も直方もやくざと暴走族だらけで、いっちょんバカども減らんやんか!」
「言いたいことはあるでしょうが、こっちもやってましてね・・なかなか完全とは言い切れませんが・・・。」
「あんなん撲滅してから、市民の取り締まりに移れや!
お前らのやりようこと、ヤクザ暴走族は好き放題やらせながら、
市民に因縁つけて合法的にカツアゲしよんと同じやんか!」
「色々な言い方があると思います、でもきちんと取り締まってますから・・・。」
こっちがいくら噛みついても、トーンも表情も変わらないラクダまつげの警官。
おそらくはこういうのに対し、動じないような訓練も受けているのだろう。
まあヤクザとか凶悪犯と対峙しているのと比べれば、屁でもないのだろうが。
もう一人の小太りメガネ警官もむかつく。
ずっと無線で何か問い合わせ、その解答をメモしたりと、
ラクダまつげと自分とのやり取りにまったく介入せず、
ひたすらに書き物作業を続けていやがる。
こいつの方が身分が上のなのか?
つうか、生年月日と名前を言っただけで、免許証の情報が照会できたようで、
さらにそこから、居住地から本籍地まで知ることができる。
にも関わらず、なぜに身元確認に拘るのかが解らない。
「もう一度、電話してもらってもいいですか?」
数分おきに、職場に電話するよう催促される。
「向こうからかかってこんっちゅうことは、まだ接客中っってことたい!
お客さんがはけたら、社長の方からかけてくるっちゃ!」
「いや、身元が確認できないと、解放できないもんですから・・・。」
「じゃけん、着いて来いっちゅうたろうもん!
最初からしちょったら、もうとっくに店に着いちょるわい!」
「会社の名前と、社長さんのお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「会社は、****、ローマ字表記やぞ。」
ペンが止まるラクダまつげ。
「ローマ字たい、小学校で習うたろうもん!」
「はい・・・ちょっとピンとこないですね・・・。」
それでもペンが動かないラクダまつげ。
「エス!イー!!」
しびれを切らし、アルファベットを一文字ずつ喋って教える。
「最初だけ大文字で、後は小文字じゃぞ。」
またペンが止まる。
アイの小文字が解らないらしい。
「社長さんのお名前よろしいですか?」
「*くま**!」
漢字を訊いてくるので、一文字ずつ説明する。
「くまは、こざとへんに田書いて、衣みたいなやつ。」
ペンが止まるラクダまつげ。
「熊本の熊じゃないほうの、くま(隈)たい!」
さすがに、こう言えば判るだろう。
それでもペンが止まったまま。
「ちょ・・・っと、ピンとこないですね。」
「はぁ?熊じゃない“くま”っていったら、それしかなかろうもん!」
「大隈重信とか、城南区の七隈とかの“くま”たい!」
それでも判らないラクダまつげ。
「ほんまに学が無いのう!ちゃんと公務員試験受けたんけ!?どうせコネやろ?」
もうラクダまつげから、紙の挟まったバインダーとペンを取り上げて書いてやった。
違反が二つだったから、反則切符も反則金の支払書も、それぞれ二部ずつ。
記載事項が多いうえにオール手書きで、クソ面倒くさそう。
小太りメガネが必死に書いていたが、アナクロニズム過ぎんだろ。
こういうとこ役所だな。
パトカー内で、そんなやり取りをしながら15分ほど経ったろうか。
ようやっと社長から携帯電話に着信。
事情を説明して、ラクダまつげに代わる。
「交通違反で検挙しておりまして・・・おたくの従業員さんで間違いございませんか?」
検挙ってなんだよ!感じが悪りぃな!
けっきょく社長の証言で、自分の身元が確認できたとかなんとかで、
反則金の切符を二枚発行し、ようやっと解放された。
「お忘れ物ございませんか?」
「知らん!」
「安全運転でお願いします。」
「しよるわい!」
一旦停止違反と運転免許証不携帯により、2点の減点と、10,000円の罰金に。
免許証を持っていなかったのは自分のミスだ。
だが、あの一旦停止は腑に落ちない。
あんなんで、いちゃもん付けて反則金とられたんじゃたまらない。
悪質な信号無視や通り抜け、スマフォ操作しながらの運転、
今年の流行語にもノミネートされた、あおり運転も毎日のように見かける。
夜中だと明らかに飲酒運転っぽい、千鳥足走行の車にも遭遇する。
なによりも、昼も夜も暴走族がブンブンと跋扈している。
ああいうのが取り締まられることもなく、まったくお咎めなしで、
ふだんも安全運転を心掛け、まじめに仕事していて、なんでこんな些細なことで捕まってしまうかね?
単に暇なのか、ノルマ達成のためにやりやすいのから巻き上げているのか?
警察も取り締まりの方法、ホント考えてほしい。
こんなんで、交通事故や反則が減るとでも思っているのか?
うちにあったレトロなトミカ。
フェアレディZ 300GXとか書かれていた。
きれいだったらプレミアものかも。
この記事のためだけに購入したパトカーのトミカ。
やっぱりパトカーって人気なのね、ラインナップが豊富。
マツダ車だけが広島県警なのがイカす。
これまた不運な目に遭いましたね。
うちの近くにも、「とまれ」の先の木陰によく警官が隠れていて、ピタリと止まらなかった車をカモにしている地点が有りますわ。
あと、右折信号が赤になったのにギリギリ曲がった時にその最後尾の車がババを引くという交差点もあります。
いずれも隠れている事を知っているので私は捕まりませんが、知らない人だといつやられてもおかしくないです。
そんなしょーもない事に労力使うなら、邪魔で事故の元になりかねない路上駐車とかいくらでも検挙すべき車があるでしょうに。
それらの方が点数も稼げそうですがね。
しかし隈すら解らないとか・・・
熊本が最初は隈本で加藤清正が・・・
とかもきっと知らないのでしょうね。
それにしてもこの程度のケースでパトカーまで連れて行かれるのはびっくりです。
男性だからなのか、あるいは地域性の問題なのか・・・
長年所有していた金免許も剥奪されて
任意保険料が上がって散々でした…
自分のケースはやや田舎道の地面の一時停止も消えかかってて、
標識も木で見えにくいようなとこでしたね。
さらに前に大型トラックが居て猶更標識なんて見えなかったです。
それでも曲がる前に停まったつもりだったんですが…
突然木に隠れてた警官に呼び止められ
似たような問答の末、
特設サイン会場に連行されましたとさ…
どうやらきゃつらの点数稼ぎ用のカモの地点だったみたいですね…
隠れて捕まえるなんてセコイ真似せんで、堂々とやれよといつも思います。
で、目の前であからさま違反しているバカスクとかは見逃してんの…
コメントありがとうございます。
本当に不運な目に遭いました。
ふだんは通ることのない道だったのですが、出勤がふたりだけ。
一刻も早く店に戻らねばならない状況で、
配達の順序やら最短ルートを考えた結果、
そこを通るのがベターだと判断して結果これでした・・・。
結局、店に戻るのが大幅に遅くなったあげく、
罰金に減点にと、泣きっ面にハチ状態で、
あの二人の警官を末代まで呪ってやりたいです。
自分も高校時代、公務員クラスに所属していて、
専門の勉強をやってきたので判りますが、
職種にもよるけれど、公務員試験って大学受験よりもはるかに厳しくって、
並の学力で通るようなものじゃあないんです。
警察官ともなれば、それにプラスして、
体力テストや身体検査(健康面での)も厳しくって、
さらに警察学校で法知識も身に付けるはずですから、
一般市民よりも賢くって当然であると思うんですよね。
それが、あんなだったので怒りと同時に呆れも生じ、
なんでこんな奴にいちゃもん付けて金まきあげられなきゃならんのじゃ・・・。
と、悔しくて情けなくて。
あと、こっちじゃふつうに停められたあとは、
パトカーに乗せられてから処理されるんですが、他はそうじゃないの?
停められても、そのまま逃走する奴が多いからかな?
コメントありがとうございます。
おっとケイさんも同じ目に遭っておりましたか。
自分は捕まったの二度目でして、
前の時も確か記事にしていたと思いますが、
あれから免許更新が一度あり、金が青になってしまい、
次回は金復帰!なんて考えていたのに、また青のままですよ・・・。
またあのクソ退屈なビデオを見せられるうえに、
そうそう、保険料もゴールド免許割引もお預けですよ。
前も確か割り込んできた車を避けて追い越し車線に出て、
元の車線に戻りたいのに、その割り込んできた車がぐんぐん加速して、
戻るのを妨害されたので頭に来てさらに加速したら、
そいつが覆面だったでござるの巻きで・・・。
そのときも汚いやり口に、散々文句言った覚えがありますね。
まあ今回みたいに、のれんに腕押し状態で、
何をいってものらりくらりと受け流されてしまって、
自分ひとり憤っていた格好でしたが・・・。
本当、さもしいというか、やり方がせこいですよね。
そういう指導がなされていて、警官たちも本意ではないのかもしれませんが、
テレビのドキュメント番組とかでやってるような、
摘発劇(たぶんテレビ向け,ふだんはそんなことやっていない)を、
ちゃんとやってりゃ、暴走族も飲酒運転もなくなるはずなんですけどねえ。