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小説 (88) 『虹の架け橋』 著者 高 一

2008-12-07 | 投資、スポーツ、未知の世界、就職
ココロス島から上がる朝日が眩しい。
強烈な太陽の光は、同じ、光でも、朝陽が力強く、生命力に溢れてる。
新しい力をみなぎらせ、清々しいパワーを見る人に、与えていく・・・。
決して、弱々しいものでなく、未来を開きゆく、希望の可能性を秘めていた。

リリィは、清々しい朝陽を全身に受け、大きく一呼吸をする・・・。
その頃、両親は、リリィの事で話合っていた。

「お父さん・・・リリィの件だけれど」
「何の事?・・・」
「リリィの結婚の話・・・」
「・・・・・」無言

「リリィには、今、恋人がいる・・」固い表情の夫を見て、それでも話し続ける
「どうしても、結婚したい、そうなのです」
「うっ・・??それは、彼かな?・・」渉を暗に指して聞く
「そうです・・リリィは、彼しかいない、と、この間、切々と、胸の内を打ち明けてくれました・・」

「・・・・」黙っている
「ねぇ・・お父さん・・若い者同士、付き合いを、認めましょうよ」諦め顔で言う
「・・・・」何も言わない
「リリィの幸せを考えたら・・・リリィの気持ちを大切にした方が」そう言って黙る
「・・・・」
「・・・・」沈黙が続く

しばらくして、重い口を開くリュウ

「分かった!!・・」
「えっ!!・・・お父さん、いいのですか?」
「俺が、誤解していた・・彼は、リリィのことを真剣に想っていてくれる・・・リリィを幸せにしてくれる・・いい」
「いいんですか!!?・・・あぁ・・リリィがどんなに喜ぶでしょう・・ありがとうございます」

一番身近で、リリィの幸福を最も、願っている母が、最大の支援者だった。
母、イエは、すぐにリリィに電話を入れるのだった。

「あっ・・ママ・・何ぁ~に?」
「リリィ・・・」

それから、嬉しい話を、リリィは聞いていた。

「ありがとう・・ママ、パパ、居る?」
「今、呼んでくるからね・・」

急いで、リュウを呼びに行くのだった。

偏見と言う病気に犯されていた、リュウは、リリィの不可能と思われていた劇的な回復した、その事実を目の当たりに見て、偏見に覆われていた、自分を見直すのだった。

治ろうとする、リリィの強い一念が、回復を早めた。
と、共に、不可能の思われ、結婚なんかも、とても考えられない身体のリリィを、ずっうと支えてくれた渉の存在も、忘れる事は出来なかった。
一貫して、誠実を貫き通した渉そのものの行動に、偏見は、なくなっていった。

明日からの仕事の段取りを考えていた、渉は、タバコを吸いながら、あれこれ試行錯誤して、パソコンからデータをとり、シュミレーションしていた。
時間を要する作業だった。

目に見えない隠れた努力を続けていた。
失敗に失敗を繰り返して、やっと、発見する。
人の何十倍の努力が重ねられていた。

そのような努力は、第三者からは見えない。
しかし、どんな分野でも、成果を挙げるその裏には、目に見えない、努力というものが、必ず、あるのだった。

(発見しても、また、次の課題が・・・)またか?・・そう言いながら

次から次へと、持ち上がる問題に、頭をフル回転して、取り組んでいた。

また、タバコに手を出す・・・。
そんな時、携帯が・・

「わたし・・」リリィから
「ずい分元気だなぁ!!」
「そうよ・・いい話・・」
「ほう!・・100歩歩けるようになったとか?」

「ピンポ~ン!・・」
「はははは・・・」
「これは冗談・・」
「・・???」

「あのね・・パパが、わたしたちの結婚、許してくれたの」
「本当?・・」
「・・・・・」
「リリィ・・?」そう言ったきり、黙っているリリィに話かける

リリィは、感激して泣いていたのだった。
そして・・・・しばらくして

「渉・・二人で、虹の架け橋を越えていけるようになったわね!!・・」
「そう・・・二人でね!!!」

困難を乗り越えて二人は強くなり、また、力を合わせて、次の、困難な局面へと、力強い一歩を踏み出すのだった。

そして、大空には、中国にも日本にも、太陽は、燦々と輝いていた。

・・・・・END。