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タカギバレエの世界へ

故高木俊徳先生のバレエレッスンの面白さを9年間のレッスン記録から振り返ります。大人になってもバレエを続ける人に伝えたい!

音楽の力を利用する(Y先生)

2022-07-31 16:46:52 | 日記
2022年7月31日
「もっと音楽の力を利用する。音の聞き方で踊れるようになるから」
アレグロの細かいステップが連続するときに、カウントを数えて、それにパを入れ込もうと意識すると足がついていかなくなってしまう。

そういえばタカギバレエのアレグロで、音の取り方について

2020-03-26「アレグロは背中でリードする」があった。
確かに、
「早いアレグロは順番を追うのに忙しく、前のめりに順番をこなしていく足技のように思うかもしれないが、実際はカラダの重心のすばやい移動が見せ場になる。かと言って、一生懸命を上半身(特に体前面)で表現するのではなく、あくまで胴体の移動を自然に見せるために「背中でリードする」と表現している。」

そうか、まずは胴体のあしらいを意識してみよう・・と思う。
胴体がきちんとしたポジションに入れば、脚は自然についてくる。

Y先生は続けて
「音をよく聞くこと。音の勢いに乗ること。」が大切だという。

そこで、音楽というキーワードで拾ってみる。
2019-04-04 「音楽の中に入り込むように踊ること」があった。
「音を聞くこと。音と一緒に溶けるように踊ること」
これが近いかもしれない。

Y先生の感覚から出てくるみずみずしい言葉によって
タカギバレエで得たことが、息を吹き返したようにこの記録から蘇ってくる。






膝のウラを延ばすことで、背中も伸びる。Sの字のように

2022-07-16 15:33:33 | 日記
2022年6月17日
長い期間、自習をしていて背中が落ちて丸くなっていた。
そんな時に、Y先生の言葉「膝のウラを伸ばせば、背中も伸びる」

背中を伸ばそうとして意識を背中だけにもっていくと
そっくり返ってしまいがち。
それよりも膝のウラをまず意識してピンと伸ばしてみると
不思議なことに背中も自然に伸びるのを感じる。

体はつながってSの字のようになっていて、
下の湾曲を伸ばすと自然に上の湾曲も伸びるみたい。

「膝」と言えば、タカギレッスンで膝を伸ばすときに
膝一点に力を入れると痛めてしまう。
それよりも脚の後ろ側のライン全体を長く使うイメージ、
床をよく押すイメージ、脚の付け根を引き上げることを大切にという注意を思い出す。

Sのイメージ、とても分かりやすい。
背中が丸く感じたら、まずは膝のウラを長く意識してみよう。




自分でレッスンしていくことの難しさ

2022-07-02 10:05:15 | 日記
2022年7月2日
2018年12月、先生が旅逝く前から始めた自習は、2020年4月の緊急事態宣言以降、他のクラスに通えなくなった私にとって、唯一のバレエらしき動きをする時間だった。週に2回、ラジオ体操のように生前に受けていたアンシェヌマンをただ、繰り返すことをやってみて4年、やはりバレエを踊る魅力は、自分だけでは完結しないこと、言いえれば「人と踊ること」、そして「人に観てもらうこと」(例え先生でも)なしでは成り立たないということを実感した。

コロナ禍で舞台のなくなったダンサー、オンラインでのレッスンを余儀なくされた生徒や先生もまた、同じように感じたことだろう。

そして、ここに書き連ねてきたことも、きちんとレッスンをできた実感があって、初めて思い出される先生の言葉であって、中途半端な自習をしていてもノートは何も語ってくれないことにも気づく。ノートから先生の声が聞こえなくなって、2カ月ほど経ち、私は久しぶりに以前通っていたY先生のもとを訪れた。

Y先生のおかげで、ふたたび私はノートを開いている。

グランワルツ 足が前に出ていかないと腰がつまってしまう

2022-04-11 13:51:06 | 日記
2010年1月7日
「(グランワルツのときに)それぞれのパのつなぎで
どんどん足が前に出ていかないと腰がつまってしまう。
足は胴の動きを先導していく。」

クラシックバレエのレッスンでは、足の動きの鍛錬が多く、ポールドブラを動かす機会が少ない。そのような中、レッスン最後のグランワルツは腕を大ぶりに動かして、最もバレエらしい動きをできる絶好の機会だ。

そのせいもあるのか、腕の動き、上半身の動きに関心が集まり、足の動きが後追い的にちょこまかして見えることがある。まるで水泳のクロールやバタフライの時の脚のように・・・

そのような場合、意識的に足を前に出してみる。例えばバーランセをするならば、最初の一歩を大きく前に出す、そのことで、体重が大きく移動し、
腕の動きもついてきて、自然に美しく見える。

グランワルツの時、アームスで引っ張っていくのではない。
「アームスはあくまで方向指示器である。
意志をもって体を運んでいくのは、足と背中なのだ。」

肉体を鍛えるのでなく、イメージする力を鍛える

2022-03-28 13:45:24 | 日記
2015年4月23日
「意識と肉体について、
意識・イメージすることが一番大事。体はそれについてくるだけ。
肉体を鍛えるだけでなく、イメージする力を鍛えよ」

継続的なレッスンは、バレエを踊りこなすための強靭な肉体を鍛えたり
表現を広げるための柔軟性を保つために欠かせない。
ただ、鍛えた自分の体がどのような状態にあるのか
あるいは、鍛えた自分の体をどのように使うのか
つまり体を動かすために、頭を鍛えるという訓練も忘れてはならない。

例えば、デヴェロッペ一つをとっても
「花が開くようなイメージ」をもって動かしているのと
ただ、パッセから脚を伸ばすだけの動作では、
こちらから見ていても、雲泥の差がある。

バレエの基本動作を分かってしまうと、それをこなせる自分で充分満足してしまうことがある。だが、その先がきちんとあって、
イメージや意識に添って体を動かす訓練もまた、日々の一歩一歩で修得していく技術なのだと、先生のコメントを聴くたびに思う。

バレエは何かを表現するための芸術である。
それが器械体操とは違うところ。

そこが到達点なのだと分かれば、
体が思うように動かなくても、できない範囲で表現する力を鍛えていくという方向にシフトチェンジしていけるのだと思う。

プロでない人、年を重ねて体が思うように動かなくなっても
目指すことのできる訓練がある。
それがバレエの魅力だということをタカギバレエで学べたように思う。