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タカギバレエの世界へ

故高木俊徳先生のバレエレッスンの面白さを9年間のレッスン記録から振り返ります。大人になってもバレエを続ける人に伝えたい!

手のかかとと足のかかとがしまっている状態に

2022-03-16 14:39:30 | 日記
2011年10月11日
「人間はもともと四つ足歩行をしていたのだから、
手の動きと足の動きは、同じように考えることができる。
手のかかと部分は親指の付け根のふくらみがそれに該当する。
アームスを形作る際に、足のかかとと手の『かかと』が
常にクロスしてしまっている状態を意識するとバランスが良い」

クロスしてしまっている状態とは、右腕に対して左足、左腕に対して右足
がそれぞれターンアウト(内側から外側に向かって開いてること)することで、
全身で作るポーズが安定するということ。
例えば、クロワゼアチチュードならば、アチチュードの足のかかとと
軸側のアームスの親指の付け根が、同じようにターンアウトすることで、
ぐらぐらしないポーズができるということ。

足の動き、ターンアウトについてはよく注意されるけれど、
手の動き、ポーズをどう意識するのかについて、分からなかった。
この注意によって、足と同様の当てはめで良いと知ったことで、バレエのポーズを美しくしたいときに、上半身の作り方が分かったように思う。



トウシューズのエシャペは少し前方に弧を描くように

2022-03-06 11:14:07 | 日記
2016年12月15日
エシャペする時は、真横に足を出すイメージをつくって動かす。
この時「一直線に真横に出すこと」だけにこだわりすぎると
例えば、かかとは後ろを向いて、お尻も締まらないで出てしまう。
あるいは、過剰に骨盤を前にして足を真横に出そうとする結果、
バランスを取るために、背骨が後ろ側に湾曲し、猫背のようになってしまう。

真横にこだわるのでなく、少しだけ前方に弧を描くように
両足を出すイメージを持ってみよう。
真横に出すときよりも、楽に足を出すことができ、
その分、骨盤を前方に出すことや、あくまで背骨はスッと伸びてルルベすることまで、コントロールする意識を保てる。

体を動かすときに、一部分に過度な負荷をかけると、必ずボディのどこかに無理な歪みが出て、美しさが損なわれてしまう。
大人のエシャペを目指す人にぜひトライしてみて欲しい。


5番の脚は肩甲骨の下に収納する。

2022-02-25 21:27:42 | 日記
2011年8月4日
5番を後ろから見る。特に後ろ側のしまい方について、
「5番の脚はクロスする背中の肩甲骨の下に収納されるようにして5番にいれる。足は足の付け根から伸びるのでなく、背中の下から伸びていくようにイメージする。」

足の付け根の意識を、本来ある付け根の位置よりも高い場所にイメージすると足を長く見せることができる。
例えば、タンジュで後ろ方向に出した足を5番にしまう時、
足の付け根に向かってしまうと、戻した衝撃で背中がたわみ、
お腹が前に出てしまったり、背中が動かないようにこわばったりする。

足の付け根は肩甲骨の下というイメージを持てば、
出した足を戻す際に、下腹部胴体も常に一緒に引き上げることになるので、
下半身が引き上がって安定する。もちろん足の動きも足を長く見せる。

下半身が安定するために、胸から上の首、腕がバランスをとるためにこわばる必要がなく、リラックスして美しく見える。
一石に何鳥にもなるこのイメージ、ぜひ試してみて欲しい。




ジャンプは解放である

2022-02-18 22:36:34 | 日記
2014年10月28日
「シャンジュマンのジャンプは下に落として上にあがること。
軽くしたければ、下に押す。ジャンプは解放である。
下半身の押しの力で跳ね上がる感じ」

ジャンプは上に向かって自分の気持ちもイメージも持ち上げるものだと思っていた。プリエはおざなりにして、飛んだあとに体をいかに天高く突っ張り上げることばかり意識していた。まるでロケットが飛び出すように・・

しかし、本当に意識すべきはジャンプの前のプリエをいかに深く、弾力を発するように踏み込むのかということ。
その後の上方向への動きは、むしろ踏み込んだ力を上方向に解放するイメージで良いということ。力を抜いたほうが軽やかに跳んで見えるということ。猫が飛び上がるときのような軽やかなジャンプを目指すということ。






腕が動くのではない。背中の動きに腕がついてくるのだ。

2022-02-10 13:47:39 | 日記
2011年8月4日
ポールドブラ(腕の動き)について
「腕が動くのではない。背中の動きに腕がついてくるのだ。
腕だけが動くのは手旗信号である。」

”腕を大きく動かしなさい。”、”腕を背中から使いなさい。”
という注意は幼いころから聞いていて、あくまで、一生懸命に「腕」を動かしていた。ところがタカギバレエで知ったのは、そもそも腕ではなくて、
背中に意識を向けて、背中の動きに合わせるように腕が動く、あるいは動かすという意識だった。

私にとって画期的なこの一言で、ポールドブラについての意識が変わった。
背中の動きに付随すると考えれば、右の腕が高く上がれば、左は背中に合わせて自然に下がる。背中一か所への意識で、両腕の動きを自然に規定でき、動かさない腕が忘れられたようにぶら下がることもない。

また、胸から下を動かさない土台のように考えることで、胸から上がどのように自由に動いても、胴体がしっかり支えるので、腰から下がぐらぐらすることもない。

動かす要の部分(背中)と動かさない部分(胸から下)をハッキリさせることで、より自由な表現ができる。
これは、ただ「意識を変える」ことだけで誰もができるのだ。