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税金還付シマくり隊が行く!

国を甘やかしてはならない。返してもらえるものは返して貰おう。キーワードは、帳簿と税法。勉強シマくりましょう!

サルでもわかる消費税!

2005-03-21 22:41:32 | 税法

   税金の中で今何が一番イヤ?


という質問にあなたはなんと答えるだろうか?

私がよく聞くもっとも多い答え、それが

       消費税

である。
なんで嫌いなの?というと、

    所得税が無税でも消費税は払わないと
    いけない!

こういう方がよくいらっしゃる。
しかし、元々消費税の支払いで事業者というのは、損も
得もしないのが普通だ。なぜ、消費税の負担が利益を圧迫
するのか?それは、お客さんつまり消費者から消費税を
預かれないからだ。

消費税が導入される前と後で利益が減ったという方は、
今回の話でよく消費税というものを知って頂きたい。

まず、消費税というのは、こうやって計算する。

   預かった消費税-支払った消費税

そして、上の算式で計算した金額が プラスなら、国へ払う
                マイナスなら、還付

される。そう、消費税は戻ってくることがあるのだ。

もっと簡単に具体例を使って説明しよう。
あなたは、消費税導入前は、年間の売上高は、200円
仕入高は、100円だったとしよう。他に販管費はない
ものとする。そうすると利益は、

     200円-100円=100円

だ。ところが、消費税が導入され今は税率が5%である。
このとき、あなたはどうしただろうか?ちゃんと、5%
上乗せして販売できただろうか?もし、販売できたとする
と、

     210円-105円=105円

そして、消費税を計算すると、

      10円-5円=5円(これは国に納める)

よって、

     105円-5円=100円

ということで、利益は100円となり消費税の導入前と
同じである。これが、理想だが、実務ではそうはいかない。
値上げがそう簡単にできないのだ。そこで、仕入の方を
たたきたいわけだが、それも簡単にいかない。となれば、
最終的に誰がその負担をかぶるのか?

  それは、この商売をしているあなたである。

小泉政権が終わると確実に消費税の増税が待っている。
何%になるかは、色々なうわさが飛び交っているが確実に
上がる。それが、下馬評である。となれば、経営者としては
今から考えておかないといけない。選択肢は三つ。

  ①消費税が上がった分、ちゃんと値上げする。
  ②値上げができなければ、コストを下げる。
  ③あなたが、消費者に代わって消費税を負担する。

まだまだ、消費税にはやっかいな問題が存在する。
それは、次回のお楽しみということで。



見直して欲しい!扶養控除

2005-03-21 13:10:23 | 税法

旦那さんが働き、奥さんは家事。

この家族のスタイルに基づいて所得税はつくられて
きているのがよくわかる。

例えば、このブログで取り上げている所得控除にも
それがはっきり表れている。

    配偶者控除
    配偶者特別控除

なんかがそうだ。

しかし、夫婦共働きは珍しくない昨今。専業主婦(夫)
だけ優遇するような税制はおかしい!なんて声が
出てきた影響だろう。平成16年分の所得税から、
配偶者特別控除の一部が廃止になった。

夫婦共働きだと考えなければならないことがある。
それが、

    子供をどっちの扶養にするか?

夫婦ともにサラリーマンだと、年末にそれぞれの勤め先
から、扶養控除等申告書と出せといわれる。この申告書
には、あなたの配偶者や子供の名前、職業の有無などを
記入させられる。さあ、こんなとき、

    どっちの申告書に子供の名前を書こうか?

となる。

    夫の方が収入が多いから、夫の申告書に書こう!

この考え方は間違いではない。もっと正確にいうなら、

    税率が高い方の扶養にする!

である。思い出して欲しい。所得税というのは、所得が
大きい程、税率が高くなるということを。

そこでわからないことが出てくる。

    俺の税率はいくらなのか?

サラリーマンなら源泉徴収票を見ても
自営業者なら確定申告書をみても、

    税率は書いてない。

そこで税率の簡単な調べ方だ。

(サラリーマンの場合)
  ①手元に会社からもらう源泉徴収票を見て欲しい。
  ②そこに
    「給与所得控除後の金額」
    「所得控除の額の合計額」
   という欄がある。それぞれに、数字が書かれている
   のでその差額を計算して欲しい。
  ③その差が

     330 万円以下なら、10%
     900 万円以下なら、20%
     1800万円以下なら、30%
     1800万円超 なら、37%

 の税率だ。ご夫婦のそれぞれの源泉徴収票で税率調べて
 見て欲しい。ふたりの税率が同じなら何も問題もない。
 しかし、税率が違う場合は、高い税率の方から扶養控除
 を適用しているかどうか?していなければ、家族全体で
 みれば税金を払い過ぎている。
 翌年の1月中なら、会社で年末調整をやりなおしてもら
 えばよい。そうでなければ、還付申告すればよい。ただ、
 以前にもこのブログで解説したが、還付申告には期限が
 あるので注意しよう。

(自営業者の場合)
これは、簡単である。

 ①確定申告書を見て欲しい。
 ②申告書の右上に
        「課税される所得金額」
  という欄がある。
  この金額が、上の(サラリーマンの場合)③の
  金額の区分のどこにあるかを確認する。
   
確定申告を毎年しなけばならない自営業者のあなたは、
注意してもらいたいことがある。
あなたは、確定申告書出してしまえば、サラリーマン
のように還付申告はできないのだ。還付申告はあくま
でも、サラリーマンのような確定申告を義務づけられ
ていないものの特典なのだ。だから、あなたは、扶養
控除を適用する場合は、確定申告書を出す時に有利な
選択をしなければならないので覚えておいて欲しい。
税理士さんとおつき合いされているあなたは、確定申
告のときに有利な選択がされているかどうか確認する
必要がある。とにかく、任せきりではダメだ。

   共働きの皆さん!ご注意を!

さらば!老年者控除

2005-03-18 14:15:15 | 税法


  亡くなって始めて、その存在の大切さを知る。

そんな経験は誰しもある。

  恋人と別れたとき。
  伴侶と死に別れたとき。
  友達を失ったとき。

長年いっしょにいるとその存在は空気のようになり、

  そばに居て当たり前。
  やってもらって当たり前。

ついには、感謝の念さえ亡くなる。
しかし、いつか別れるときがやってくる。
その時に気づく。

  こんなにお世話になってたんだ。

所得税を計算する基本算式を覚えていらっしゃるだろうか?

  ’もうけ’×税率

’もうけ’が少なくなれば支払う所得税も少なくなる。
’もうけ’は、所得控除が多くなれば少なくなる。
所得控除は、個人の事情を考慮して税負担を軽くしてあげま
しょう!というためにもうけられたものだ。

この所得控除の中にあった老年者控除が、平成16年分の所
得税の計算を最後になくなる。

 所得税法 第80条

 居住者が老年者である場合には、その者のその年分の総所
 得金額、退職所得金額又は山林所得金額から50万円を控
 除する。

 注)老年者とは、年齢65才以上の者で、合計所得金額が
  1000万円以下である者をいう。

今までに述べた、社会保険料控除、医療費控除等は、実際に
あなたの財布からお金が出ていかないと認められない所得
控除であった。ところが、この老年者控除というのは、

   65歳以上で裕福すぎる人でなければ

認められる所得控除だったのだ。しかも50万円。
お金が財布から出ていかないで、’もうけ’が圧縮できるわ
けだから、これほど税負担を軽減してくれるものもなかった。
単純に考えて頂ければ(定率減税考慮後)

   税率10%の人なら、4万円
   税率20%の人なら、8万円

所得税の負担が少なかったことになる。
ところが、これが17年分の所得税の計算からはなくなるのだ。
ということは、

   税率10%の人なら、4万円
   税率20%の人なら、8万円

今までより税負担が重くなるということだ。

特に影響を受ける人は、

   年金収入だけの人

だ。避けようがない、ミサイルみたいなもんだ。
破壊されるしかない。

   65歳以上の方々に富が偏っている。
   よって、この方々から、その富を吸い上げよう。

ということだ。老年者控除の廃止だけに限らず、最近の
税制は皆この方向だ。

あなたが、65才以上の人であれば、16年分の所得税の
確定申告書や、公的年金等の源泉徴収票、給与所得の源泉
徴収票などを見て欲しい。
そして、あなたが所得税法上老年者に該当していたなら、
お覚悟を!




メルマガ紹介

2005-03-17 16:27:05 | 税法
すいません。
今回は、私が創刊するメルマガのサンプルを掲載させて
頂きます。

___________________________

    税理士が書いた「税理士の取扱説明書」
___________________________


世に専門家といわれる人達はたくさんいます。

 弁護士、公認会計士、司法書士、社会保険労務士

その他色々。

中でも、経営者の方々にとって最も身近な存在といえば

     税理士

ではないでしょうか?

個人事業者の方や中小企業の経営者の方にとっては、

 ①自分の台所事情がすべて把握される。
 ②家族構成などの個人情報も把握される。

など、これほど自らをさらけ出さなければならない存在は
他にないのではないでしょうか?

そんな町の税理士さんですが、皆さんはどんなおつき合い
をされているでしょうか?提供されているサービスに満足
でしょうか?また、これから、独立開業しようとされてい
る皆さんにとって、税理士さんというのは気軽におつき合
いして頂ける存在でしょうか?

このメルマガでは、日本全国に6万人以上いる税理士の中
の一人である私が、仕事を通して日頃感じることを好き勝
手に書かせて頂きたいと思い始めました。

このメルマガの目的は以下のとおりです。

 ①税理士という存在を理解することで経営者の方々に
  もっともっと税理士を活用できるようになっていた
  だきたい。
 ②税理士と得意先様がより良い関係を築けるお役に立
  ちたい。

文章は正直言って下手くそです。
不快な気持ちを抱かれる方もいらっしゃるかもしれません。
そんなときは、さっさと購読を解除ください。遠慮はいり
ません。
叱咤激励もどんどん頂きたいと思います。
遠慮はいりません。一言でも結構です。自分は発展途上の
人間です。エラくもなんともありません。

ニックネームは、’ター坊’です。
皆さんに親しみを覚えて頂けるよう頑張ります。
よろしくお願い致します。


以外と知らない!小規模企業共済等掛金控除

2005-03-17 00:34:19 | 税法

  私は天才ではありません。
  ただ、人より長く一つのことと付き合っていただけです。

                アルベルトアインシュタイン


節税を心ざす者にとって、どうしても外せないものがある。
それが、

     小規模企業共済

である。
これから独立開業されるような人がこれをご存じないのは、
わかるが、もう何年も事業をやっている方がこれを知らない
というのは、どうも解せない。特に、税理士さんについても
らっているのに、これを教えてもらっていない、という方が
いるのが、やっぱり解せない。クライアントの事など、どう
でもいいのだろうかと、ついつい批判したくなる。

そこで、税金還付シマくり隊が代わってまだご存じない方の
ためにご紹介しよう。

簡単にいえば、この共済は、経営者の退職金の積立制度であ
る。個人事業主は、廃業しても誰からも退職金はもらえない。
そこで、

    自分の退職金は自分で積み立てよう!

というのが、この共済の目的である。詳細は、

 小規模企業共済の概要

を見にいって確認して欲しい。

税制面からみた共済を利用するメリットは以下のとおり。

  ①その掛金は、全額所得控除となり、課税所得を圧縮できる。
  ②もらう時には、退職所得や、公的年金等の雑所得扱いで
   税負担も軽くなる。

掛金は、月1000円から始められる。最高掛金は月7万円。
ということは、年間84万円まで所得を圧縮できるということ!
ブラボー!

なお、この制度に入会できるのは、個人事業主だけではない。
会社等の役員も入れる。しかし、’小規模’といわれるだけあっ
て従業員の数が多い会社等の役員はダメ。まあ、そういう人は、
会社から退職金をもらってください!ということですな。

これは実際にあった話しだが、かなり高額な役員報酬をもらって
いる社長さんがいらっしゃった。この方は、税理士にかかって
いながら、この制度をご存じなかった。そこで、この制度を教え
たところ、さっそく入りましたがな、それも、一時払いで、最高
額の84万円を掛けられました。こんなことが実際あるんですよ。

     
    過ちは改むるにはばかることなかれ!


でございます。めでたし、めでたし。

それでは、眠いのでこの辺で失礼いたします。

まだまだ、医療費控除

2005-03-15 19:34:16 | 税法


   教育とは自分の無知を発見していくこと。

                   デュラント



医療費控除について、まだ言い足りないことがある。
前回、所得税法上の医療費控除の条文を掲載した。
その内容をもう一度見て欲しい。
そして、この質問に答えてもらいたい。

  医療費控除は誰の所得から引くのか?

答えは、

  医療費を支払ったあなたの所得

である。社会保険料と同様、医療費を負担する人の
税負担を考慮してあげますよ、というのがこの規定
の趣旨である。以上をふまえて例題をいっしょに
考えてもらいたい。(例題といっても実際にあった
事例である。)

年老いた夫婦がいる。彼らは、平成x年の一年間で
100万円近く、医療費を負担していた。それぞれ
の医療費の額は、次のとおりである。

   旦那さん 40万円
   奥さん  50万円

旦那さんにも奥さんにもそれぞれ年金収入があった。
年金収入は、税金の世界では、雑所得と呼ばれる。
この雑所得を計算した結果が次のとおりである。

   旦那さん  200万円
   奥さん   150万円

それぞれの医療費控除の足切額は次のとおりである。

   旦那さん  200万円×5%=10万円
   奥さん   150万円×5%=7万5千円

つまり、旦那さんは、10万円を超える金額が、
奥さんは、7万5千円を超える金額が医療費控除の
金額となる。このまま、素直に計算すれば、医療費
控除の額は、

 旦那さん  40万円-10万円 =30万円
 奥さん   50万円-7万5千円=42万5千円

となる。両方合わせれば、72万5千円である。

しかし、彼らは最初、旦那さんの所得からすべて医療費
控除を受けようとしていた。その場合、旦那さんの医療
費控除の額は、

    (40万円+50万円)-10万円=80万円

おっと、医療費控除を受けることができる金額が、こちら
の方が多いではないか!当然である。二人に医療費の負担
を分ければ、足切額も二人分となる。

    10万円+7万5千円=17万5千円

だから旦那さんに集めた方が、医療費控除の金額は大きい
ではないか!確かにそうである。しかし、それは、80万
円すべてが、旦那さんの所得から引き切ることができれば
の話である。

    所得控除を使い切れ!

この言葉を思い出して欲しい。もし、旦那さんが以下のよう
な状況だったらどうだろう?

  ①雑所得の金額 200万円
  ②社会保険料控除 20万円
  ③老年者控除   50万円
  ④扶養控除    58万円
  ⑤基礎控除    38万円

①の金額から、②から⑤の金額の合計額を差し引いて欲しい。

  すると、34万円しか残らない!

うーん、医療費控除が80万円もあるのに所得が
34万円しか残っていない。残念ながら、所得控除と
いう奴は、この雑所得を超えて差し引くことはできない。
つまり、80万円-34万円=46万円は、ドブに捨てる
ことになるわけだ。そこで、

  所得控除は使い切れ!

である。この残りの46万円は、奥さんの所得から差し
引くことを考えるのだ。確かに、奥さんの医療費控除の
足切額は7万5千円あるが、46万円-7万5千円=
38万5千円は、奥さんから差し引けるのだ。

奥さんと旦那さんは、税法でいう’生計が一’である。
つまり、財布は同じ。その財布から医療費を支払う。
どっちが負担したか?など明確にはわからない。だから
どっちが負担したことにしてもかまわない。

だから、所得控除の無駄をなくす実際の手順は、次のと
おりだ。

 ①旦那さんからも奥さんからも差し引けるすべての
  所得控除を旦那さんから差し引くことにして計算
  してみる。

 ②もし、旦那さんの所得より所得控除の方が大きくなり
  差し引けない所得控除が出てくれば、奥さんから引け
  ないかを考える。

 ③医療費の領収証を②の考え方でそれぞれどれだけ負担
  したことにすれば、所得控除が最大になるかを考える。
  他の所得控除も同様に考えてみる。

  どちらから引いてもかまわない所得控除は、とことん
  どちらに適用したらいいかを考える!

それが、課税所得を最小にし、還付金額を最大にするコツで
ある。

みなさんもチャレンジして欲しい。
ちょっとでも可能性があれば、おつき合いがある税理士さん
や専門家に相談して欲しい。

     天は自ら助くるものを助く

である。

ちょっと待った!医療費控除の罠!

2005-03-14 19:11:34 | 税法

  我々のすべての探求の最後は、
  初めにいた場所であり
  その場所をはじめて知ることである

                T.S.エリオット

還付申告というのは、確定申告と違い、2月16日より
前から受け付けている。

   還付申告と確定申告って結局いっしょじゃないの?

だが、厳密には違うものだ。

   確定申告とは、「義務」
   還付申告とは、「権利」

である。

   確定申告とは、「しなければならない」
   還付申告とは、「してもよい」

である。つまり、確定申告は、しないと怒られるが、
還付申告は、しなくても怒られない。しなければ、
国がトクするだけのことだ。

この還付申告でもっともポピュラーなものが

   医療費控除による還付申告

だろう。サラリーマンは、確定申告する必要がない。
それは、会社が年末調整をしてくれるから。
つまり、会社が税金の計算までしてくれている。
しかし、医療費はどうか?
会社に医療費の領収証を持っていっても年末調整して
くれない。やってくれれば楽なんだが。

そこで、医療費の領収証をもって還付申告するわけだが
こんなことを聞いたことはないだろうか?

   10万円以上の医療費じゃないとダメですよ!

そう、10万円、この数字が頭にこびりついていない
だろうか?この数字を信じて今まで何人の人が損をした
だろうか?我々には想像がつかないが、確実にいる。

世の中には、ブービートラップ、つまり罠がはりめぐら
されている。そう、そこにも、あそこにも、地雷が埋め
られている。それを踏むことにならないように、あなた
も気をつけて頂きたい。

10万円という数字、これだけでは、厳密には間違いで
ある。すべての人々にあてはまる数字ではない。所得に
よってあてはまる人とそうでない人がいる。

所得税法を見てみよう。

(第73条)
  居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一
 にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払った場
 合において、その年中に支払った当該医療費の金額
 (保険金、損害賠償金その他これらに類するものによ
 り補てんされる部分の金額を除く。)の合計額がその
 居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び
 山林所得金額の合計額の100分の5に相当する金額
 (当該金額が10万円を超える場合には、10万円)
 を超えるときはその超える部分の金額(当該金額が
 200万円を超える場合には、200万円)をその
 居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は
 山林所得金額から控除する。

上の文章をよく読んで頂きたい。支払った医療費の金額
がすべて、医療費控除になるわけではない。
総所得金額云々の5%を超える部分しか認められないと
言っている。この

   総所得金額等の5%

というのが、よく言われる足切額である。サラリーマンを
例にとって説明しよう。源泉徴収票を見て頂きたい。会社
から、年末か翌年の1月にもらえるアレである。その中に

   給与所得控除後の金額(これが総所得金額等である)

という欄がある。そこに書かれている数字を見て欲しい。
その数字が、200万円を超えている人は、足切額は確か
に10万円である。つまり、その年に支払った医療費が
15万円あれば医療費控除の額は5万円であり、医療費
9万円であれば医療費控除の額はない。

ところが、この”給与所得控除後の金額”が100万円
だったらどうなるか?足切額は

    100万円×5%=5万円

ということになる。10万円ではない。5万円なのだ。
この人は、その年に支払った医療費が9万円なら、
医療費控除の額は、4万円あるのだ。税金で言えば、4千
円弱は、還付申告すれば戻ってくる。(もちろん源泉徴収
票の源泉徴収税額の欄に金額があればの話しですよ。)
皆さんは、4千円弱は少ないと思うだろうか?人それぞれ
だろう。
しかし、税金還付シマくり隊は少ないとは思わない。

あなたが、還付申告をしなければ、国は4千円弱丸儲けで
ある。あなたのように還付申告をしない人が100人いたら
どうだろう?1000人なら?5000人なら?

皆さんが、罠にかかるのを黙って見ているわけにはいかない。
無料申告会場に来られるような方でも10万円以上ないとダメ
なんだろう?という人が後を絶たない。

気をつけて欲しい。例え少ない金額であっても。


ふと思うことがある

2005-03-14 17:51:23 | 税法
毎回好き勝手なことを書いている。
そんなこのブログでもどなたかに見て頂いているようだ。
うれしいことである。
ただ、どんな感想をお持ちになったか?
それがわからないのが残念だ。
私としては、人に自分の持っているものを
どうしたらうまく伝えられるか?色々悩みながら
毎回書いている。
こんなことを聞いたことがある。

 あなたのその知識はあなたのものではない。
 それを必要としている他人のものである。

他人のお役に立つというのはなかなかどうして
大変なことだ。自分がよいと思ってしたことが
他人にとっては、余計なお世話、になることだ
ってある。

しかし、それを気にしすぎると何もできなくなる。
だから、私は気にしない。
だから、今日も私は、書きたいことを書き続ける。
まだ見知らぬ読者のために。

還付請求権の時効に注意せよ!

2005-03-13 13:07:54 | 税法
       後悔先にたたず



(税金還付シマくり隊員、事例報告)

私の知り合いに公務員がおります。その方の奥さんは、
長年入院生活をしており、彼の心労は大変なものでし
た。ある時奥さんが亡くなり、彼は非常に落ち込んで
おられましたが、ある時テレビを見ていて衝撃を受け
ました。

   医療費は申告すれば税金が戻ってくる!

彼は全く知りませんでした。もちろん高額医療費は、
保険で返ってくるのは病院でも教えてもらって知って
いましたので、手続きはちゃんとしていました。
しかし、5年以上の入院生活でその医療費の自己負担
というのは大変なものだったのです。
そんな彼からある日私は相談を受けました。

   「医療費って保険で補填される部分以外の自己
    負担部分って申告すれば戻ってくるの?」

   「そうです。医療費そのものが返ってくるわけ
    じゃないけど、医療費がかかって大変だった
    ことを考慮して、一定の要件に該当すれば
    税金を還付してもらえる制度なんですよ。」

   「なるほど。でも、俺みたいにこんな制度を
    長年知らなかった人で過去の医療費の負担も
    結構ばかにならないような奴はどうしたら
    いい?」

ということで私は、以下のような説明を致しました。

  1.あなたは、公務員である。
  2.公務員は、毎月もらう給料から所得税を天引き
    (源泉徴収)されている。
  3.公務員は、年末調整によって、その年に支払う
    べき所得税を確定させる。これにより、翌年の
    3月15日までに確定申告をするということは
    必要ない。
  4.しかし、年末調整で考慮されないものがある。
    その一つが医療費控除といわれる所得控除だ。
  5.医療費控除は、その支払った年にしか考慮され
    ない。つまり、16年に支払った医療費は、
    16年分の所得税にしか反映されない。
  6.確定申告をする義務がない、公務員のような
    給与所得者については、過去の分についても、
    還付申告して、税金の還付が受けられる。
  7.ただし、還付申告をして税金の還付を受ける権利
    (還付請求権)というのは、5年という時効が
    ある。つまり、いつまでも還付が認められるわけ
    ではなく、5年経過すると還付が受けられなくな
    る。
  8.それでは、その時効というのはいつから始まるの
    かというと、彼の場合、例えば、12年の所得税
    であれば、13年1月1日から始まる。従って、
    17年12月31日までに還付請求すれば、12
    年分の所得税については還付してもらえるわけだ。


税金還付シマくり隊のおかげで、公務員は、みごと5年間
分の所得税を返してもらったのである。

  めでたし、めでたし。

あなたは、所得控除を使い切っていますか?

2005-03-12 23:51:29 | 税法

  人事を尽くして天命を待つ


所得控除は、所得税の計算において

     ”もうけ”を減らす

効果があることは以前述べた。そこで疑問が湧く。

   所得控除が多すぎたらどうなるの?

結論を言おう。’もうけ’は

       マイナスにはならない

つまり、多すぎる所得控除は切り捨てられそれ以上役に
立たない。まあ、厳密に言えば全く効果がないとは言え
ないが、所得税に関して言えばこれ以上税金を減らす効
果はない。
だったら、こうは考えられないだろうか?

   切り捨てられる部分があるくらいなら、
   その部分を誰か他の人に使えないだろうか?

そのとおり。それは可能である。こんな例がある。

ここに自営業者の男がいる。彼の奥さんは会社員である。
そして子供さんが2人。今年は、彼の事業の業績が悪く、
利益があまりでなかった。そこで、彼は確定申告のため
税額の試算をした。以下にその計算過程を示す。

  ①事業所得   100万円
  ②所得控除
    社会保険料控除  30万円
    生命保険料控除   5万円
    扶養控除    101万円
    基礎控除     38万円
    合計      174万円
  ③課税所得金額(税法でいう’もうけ’)
   ①-②=0

税金は、③の金額の千円未満の端数を切り捨て、
その大きさに応じた税率をかけて計算する。
(もちろん厳密にはこの先にも計算することは
あるが、ここでは話をわかりやすくするために
省略する。)
彼は、税金が出ないと喜んだが(業績が悪いんで
大手を振って喜んだわけではない)、果たして
これでハッピーエンドだろうか?

申し訳ないがそうではない。事業所得という税法
の世界からみた事業の利益は、100万円しかな
い。なのに、そこから引ける所得控除額は174
万円。74万円も無駄になっている。

自営業者にはありがちなパターンである。税理士
さんに決算から申告まで丸投げしている人は、
この無駄に気づかない。会計事務所がもし、彼の
家族の状況をもっとちゃんと把握していれば、
この無駄は避けられたかもしれない。しかし、
専門家といえども、神様ではない。万能ではない
ということだ。自営業者自身も、専門家にどんな
ことをちゃんと伝えれば、最善の処理をしてもら
えるかわかっていない。当然といえば当然である。
それでは、専門家がもし状況を適切に把握できて
いればどうだったのか?

  子供を奥さんの扶養にすること

で奥さんの所得を圧縮できたはずだ。彼と奥さん
両方の所得から認められるすべての所得控除が差し
引けるようにできればその家族全体でみれば所得税
を最小に押さえることができたのだ。

 あなたは、所得控除を使い切っていますか?

それでは、またお会いできる日を楽しみに。