感謝の心があるという事

一説によると、
成功する者は常に感謝の気持ちを忘れないという。
本当かどうかは解らないが、
私はその事例を二つほど知っている。
ひとつは感謝を忘れた失敗例、
前職場の社長だ。
会社を立ち上げた時の彼の志は高かった。
私も含めた多くの人間が賛同し、
給料に合わない労働を惜しみ無く使った。
しかし彼は裕福になるほどに傲慢になり、
古い仲間を次々に切り捨て、
最後には何も残らず会社も失った。

成功例は私の中学時代の担任。
彼は私の担任時に公務員としてとんでもない失態を犯した。
当然首になるはずだったが、
生徒と保護者の声でかろうじて首は免れた。
それだけ慕われた先生であった。
彼はその後教師を続け、
問題のあった母校で校長として定年を迎えた。

彼は離任の挨拶で誰も知らないであろう当時の不祥事を語り、
当時の生徒と保護者に感謝の言葉を述べた。
今は保護者となった私の同級生は酒の席で、
「あいつ立派だよ」と涙ぐんで語った。


感謝の心あればいつか何処かで報われる。