「河童のクゥと夏休み」
監督の原恵一さんは「クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」で1970年を郷愁タイムスリップ日本中を号泣の嵐に巻き込んだ才能のある方です。
今回も東京タワーが出てきました
オープニングは中川信夫版「東海道四谷怪談」とほぼ同じ始まり方でギョギョっとさせられました。そしてタイトルテロップ。なんちゅう始まり方やねん。
呑気な子供映画と明らかに違います、本気です原恵一、クソリアルです
背景画がとても美しゅうございます
人物のデフォルメは少なく写実風、ジブリでゆー「ほたるの墓」路線
まじめ
ワタシ的にはお母さんの声が大好きな西田尚美さんでねー、デヘへへへー、それだけでもーOKです。たまらんもんがあります。幸せです。得した気分。
一応、前もって「泣かされんよーに泣かされんよーに」準備して気持ちはしっかり持っていきましたので泣かされずにすみましたが、この手の作品はほんまにヤバイんで気が抜けません
主人公の男子は多分小学5~6年生なんでしょう。ワタシの小学5~6年の頃は完全に性根が腐りきったエロ丸出しで「純粋」とゆー言葉からほど遠いお寒いガキだったもんで、幸い感情移入から逃れられました。人物設定があと1~2年若ければ危なかったですね。
あ、女子のパンチラシーンが1箇所あります。忘れてはなりません。
今話題の朝青龍を追いかけるマスコミを思い出させたり、唐突に犬が「いじめ問題」を語りだしたり、トレンドも一杯です
でも河童
そしてまたまたワタシの今一番行きたい場所「遠野」も出てきます。これは今やってるNHK朝ドラ「どんと晴れ」も彷彿とさせます
座敷ワラシが実にチャーミングです
一番ヨカッタのは西田尚美さんの声ですが、二番目はゴリの沖縄弁ですね。これもNHK朝ドラ「ちゅらさん」のゴリの数々の名芝居を思い出させてくれます。
しかし主人公の男の子の声と河童の声、子供さんがやっておられるんですね、恐ろしい、恐ろしい才能でげす。
監督は現代日本の一般ピープル(子供も大人も)のウィークポイントをチクチク突くのがとってもお上手です。ワタシは幸い腐れ外道の特殊な環境にいるので弱冠のアウェイ感が否めませんが、まぁまぁの感動はあります。残念ながら「クレヨンしんちゃんシリーズ」を映画館で見た感動より弱冠薄いのは、あらかじめ原恵一さんが作ったものだからとゆー先入観、ハードルの高さがあったからですね。まさか「クレヨンしんちゃん」なんかで泣くなんて夢にも思わず舐めきって映画館に入ったのと「原さん、また泣かせてくれるよ」とゆーハードルの高さの差
しかしくどいよーですが西田尚美さんの声は最高にエエですよー
これはお子様用とゆーより大人用ですね、「子供ってこーじゃないか」と思っている昔子供だった大人用、大人が子供に見せたい大人用子供映画
今のガキ供は全然違うこと考えてるんじゃないかと思うんですけど、その他大勢のいじめっ子(特に女子)の台詞がやけにリアルで怖いです。
理想と現実の隙間は手をつけられないぐらいどんどん広がっているよーな気がします。ほんまにゴリの声には救われました。
ところで菊池サヨ子って、つげ義春の「紅い花」のキクチサヨコなんかなー?
西田さんはじめ、声優さんがみんなよかったですね。ココリコの人も。
おごらんでエエです。
「キャプテン」もアニメ映画なら見に行ってたんですがねー。