大昔にDVDを購入していたが 観る勇気がなく 売り飛ばす惜し味無さもなく
放置していましたが
いよいよ観るネタが無くなってきたので 映画館で見て以来13年ぶりぐらいですか
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」
2000年
デンマーク映画
監督 脚本
ラース・フォン・トリアー
出演
ビョーク
カトリーヌ・ドヌーヴ
デヴィッド・モース
ピーター・ストーメア
おやおやDVD版はオープニングが真っ黒画面ではないのですな
ファニーな絵画のいろんな部分のアップから始まりますが やっぱり意図がわからない
でも DVDでいきなし長い暗転から始まると不良品と思ってしまうのでね
これは正解です
そして ビョークが超可愛らしいのを再認識しつつ
やっぱし ぐらぐらのパンとズームの見辛いラース・フォン・トリアー節のカメラワークにムカつきまくり
映画館で見た時は そーゆーの感じなかったのですな なぜでしょう
ドキュメントっぽいリアリティのある空気を醸し出すための技法なのやもしれませんし
確かにこのゆらゆらさで ほんまんもんっぽいガサガサしたリアルさを感じますが
やっぱし見辛く イラっときます
しかしビョークが可愛いくタダモノではない感で全然許せます
そーゆー芝居部分はグラグラゆらゆらなのに
ミュージカル部分は きっちりした固定カメラ数十台と流れるような美しい編集で
この差異の合体はどーゆーこっちゃ?と
でも 基本ラース・フォン・トリアー節は 「どーゆーこっちゃ?」テーマですから仕方ない
今まで見れなかった理由は 気の毒で耐えられなかったからですな
『奇跡の海』『イディオッツ』に次ぐ「黄金の心」3部作の3作目とされとりますが
気の毒映画三部作です
一番気の毒なのは『奇跡の海』でしたが 主役の女子がビョークのよーな可愛げとか華とかのエンタテーナーさが無く気の毒過ぎてDVDは売り払いましたので 簡単にもう一度見てみようとはなりません
私ももう50歳も半ばを迎えようとしているので
気の毒さを正視&客観視でける大人になったのですな
多分 気の毒映画だとわかっていたら 当時は映画館には行かなかったでしょう
しかも ラース・フォン・トリアの気の毒映画には情け容赦ナシ救いナシで
「え~?!!」「そんなぁ~!!」っつー終わり方しますもんでね
救いといえば ちょいふつーエンタテーメントのミュージカル箇所ですな
でも首吊りシーン直前のミュージカル仕立ては悪意があるのでは?悪ふざけか?とさえ思えてきます
やはりラストの首吊りシーンは最強です
糞小便漏らしてないだけマシですが ラース・フォン・トリアなら糞小便の絵撮るぐらいは常心でしょう
あと 金を盗んだ警官の友人をピストルで撃ってしまったり
ダメ押しでなんべんもなんべんも金属製の箱で頭をどつくとこですな
あそこのくだりが好きです
あの警官の ダメそーな顔面 とてもイイ人には思えない顔面と ダメな台詞 ダメな行動と
ほぼ盲目ビョークのオロオロさ加減と警官女房のヒステリック加減
あの一連の芝居が痺れます ここはラース・フォン・トリアー節のグラグライライラカメラワークが利いてます このテクニックありき このハートありきの芝居ですな
ここは ミュージカルを排して欲しかったところですね
ちょっこしホッとしてしまいますからね ミュージカルをかましてしまうと
そんなわけで ひさしぶりに見ましたが 早朝から絶望的な気分にも陥らず
なかなか楽しい心持ちで鑑賞でけてヨカッたでげす
相変わらずラース・フォン・トリアーの意図を汲むのはめんどくさそーなので 止めときますが
めんどくさくない日が来たら 特典映像を見てみてもいいかなと思います
「ユリイカ 」2014年10月号の特集はラース・フォン・トリアー
ダンサー・イン・ザ・ダーク(Blu-ray Disc) | |
クリエーター情報なし | |
松竹 |
セルマソングス~ミュージック・フロム・ダンサー・イン・ザ・ダーク | |
クリエーター情報なし | |
ユニバーサル インターナショナル |
ユリイカ 2014年10月号 特集=ラース・フォン・トリアー 『奇跡の海』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』から『ドッグヴィル』、そして『ニンフォマニアック』へ | |
クリエーター情報なし | |
青土社 |
この人の抉り取る不幸話の不快感は
タダモノではないと思います
映画でそんなことみんなに見せていいの?レベルです
お涙頂戴じゃないし
気の毒さをゴロンと転がすだけで
扱いが雑
この感覚はタダモノではない
何を考えてらっしゃるのか 探るのもめんどくさい人ですね
常人ではない犯罪者に近いもんがありますな
なぜ これにビョークみたいなオシャレな姉さんが出てミュージカル仕立てにしたのやら
さっぱり理由がわかりません
でも 歳を取ってから見ると 案外厭じゃなかったりするのが不思議ッ不思議
なんだかんだいっても隣の不幸話が聞きたいとか、2ちゃんをロムってたいとか、そんな心境でしょうか?
よく出来た話というのは感心・感動して終わりですが、感情を良くも悪くも揺さぶられる経験というのは心に残ります。
そういう意味じゃ映画なんてワンシーン印象に残れば勝ちなんでしょうね。
あのイヤな感じも抑えめですが
初めて映画館で見た時は本当にイヤな気分になりました
イヤな気分をもう一度受け入れるには体調とか気分がエエ時しかないと思い 見返すと
けっこーふつーに冷静におもしろおかしく楽しめましてイヤな気分にも全然ならなかったです
殺したビョークも殺された警官もチャーミングに見えました
ミュージカル部分がふざけてるよーに見えて楽しいですし
あきませんでしたか?