122 分 1966/07/15
監督: 勅使河原宏
原作: 安部公房
脚本: 安部公房
音楽: 武満徹
出演: 仲代達矢 京マチ子 平幹二朗 岸田今日子 岡田英次
自分の記憶では、これが物心ついて両親に連れて行かれて、初めて映画館で観た映画だと思ったのですが、6歳の時ですから、そんなことは無いはずですね。でも初めての大人映画、初めてエロを意識させられた怖い映画でした。なんかドロドロした初めての感覚を体中に押し込められ侵された感。少なくとも何の免疫もない小学1年生のガには観せてはいけない映画のよーな気がします。その日からエロに対するモヤモヤが始まってしまったことだけはよく覚えています。
で、しばらく忘れていて中2の思春期、カブレやすい時期ですから、当然安部公房なんかを読み漁ったりしますね。で、当然「他人の顔」にブチ当たるわけです。「あっ!これ子供の時初めて観た大人の映画ちゃうんけ」って・・・調べてみるとやっぱり映画化されてる、やっぱり子供に「イケナイ感覚」を教えたあの映画や。も、いっぺん、観たいなー、でももちろん観る術も無し。
30過ぎてから観ました。ものスゲーつまんなかったです。憧れと長年見続けていた夢から一気に醒めた感ありでした。ま、勅使河原映画ですから、面白いわけがありません(「砂の女」は面白かったけど)。原作の良さは全く出ていないショボショボチープで頭でっかちで「芸術風」なだけで、武満徹の音楽も鼻についてうざいし、子供の頃感じたエッチさ、ドキドキ感は微塵もなく、「あ~、俺も大人になったんだなぁ~」と自分のチンチンに感心しました。
とゆーわけでこれは完璧に「子供騙し」映画です。子供の時に完璧に騙されました。頭の先から足指の先まで痺れてしまうぐらい騙されて、毎晩夢に出てくるぐらい(マジで)騙されました。おかげ様でアンダーグラウンドな青春を送らせていただきました。有無を言わさず「心に残ってしまった」映画でした。
刺激馴れした今の子供に見せてももちろんシカトされるとは思うのですが。
もいっぺん観たいですね。何の期待もせずに。勅使河原DVDBOX買おうかどーか悩んでいる昨今です。勝新主演の「燃え尽きた地図」をまだ見ていないのです。
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しかし「つまんない」言われるとヨケー観たくなる(笑
初めて観た映画がコレって何気にカッコええ☆オイラ「東映まんが祭り」とかやったと思いまつ。ワーイ!