家の庭には、形のいい柘榴の木、大きな槇の木が2本ある。そのほかに、モッコク、沙羅の木、柘植、さるすべり、ブラシの木など。それらが、あまり広くない庭に植えられている。いずれも、畑の中のような所に家を新築し、当時から、一本一本買いためたものだ。二十代後半、家を建てて間もなくから、経済的余裕もないのに、木を買い、石を買って、庭作りをしていたのだから、かなり、好きな事なのだろうと思う。
剪定は自分でする。何時か、植木屋さんに頼んだことがあったが、仕上がりの形が気に入らなくて、それからは必ず自分でするようになった。家業が運送屋なので、仕事のユニック車に籠を取りつけて、高い所の枝を切る。
或る時、そのユニック車で剪定をし、枝を積んだまま車庫に入れておいて、盗まれてしまった。厳重に鎖で施錠もして置いたのに、鎖も切られてしまっていた。夫はどんなにがっかりしたことか。
夫が会社をやっていた頃は、ユニックを使って運ぶ材木の運搬が主な仕事だったので、ユニック車も何台もあったが、今は長男が仕事をするようになり、仕事の内容も変わってしまったので、1台のユニック車は、夫が庭木の剪定をする為に、保持していたものなのだ。それを盗まれてしまったのだ。
運送屋の、楽ではない経営の中で、それでも、どうしてもユニック車が欲しくて、ある車にユニックを取りつけて貰った。道楽のために、と夫は言った。
一年に一度、4・5本の植木の剪定の為の出費にしては、大きな出費だと、私は長男に同情した。それに、もう73歳。危険な仕事は止めて貰いたい。止めるのに丁度良い機会だ。と、いう気持もあった。
今日で4日間。夫は毎日木に登り続け、とうとう今日、高い所はほとんど終わらせた。今日は木枯らし一号、冷たい突風の吹く中を一日中作業し、薄暗くなる頃やっと終わった。自慢の槇の木は見事に、いい形に出来あがった。
「こんなに、上手に出来るんだったら、自分でやりたいよね。」と、私は呟いた。そして、この4日間の、なんと、張りのある楽しそうな時間だったことか。
明日は仕事に使うというトラックから、枝を降ろすのを手伝い、トラックを掃除し、ユニックから、籠をはずすのを手伝い、そうしていたら、何年か前、というより、もう今になっては昔の時間を思いだして、懐かしさが込み上げた。やっぱり、目的があって働くということは、人を元気に、幸せ気分にするものだということを改めて、感じた一時だった。
木枯らし一号、そして、トランプ氏になったアメリカ大統領。
今年の冬は、どんなことになることだろう。
今宵は、日本酒の熱燗で。夢を貫く夫に乾杯!!
剪定は自分でする。何時か、植木屋さんに頼んだことがあったが、仕上がりの形が気に入らなくて、それからは必ず自分でするようになった。家業が運送屋なので、仕事のユニック車に籠を取りつけて、高い所の枝を切る。
或る時、そのユニック車で剪定をし、枝を積んだまま車庫に入れておいて、盗まれてしまった。厳重に鎖で施錠もして置いたのに、鎖も切られてしまっていた。夫はどんなにがっかりしたことか。
夫が会社をやっていた頃は、ユニックを使って運ぶ材木の運搬が主な仕事だったので、ユニック車も何台もあったが、今は長男が仕事をするようになり、仕事の内容も変わってしまったので、1台のユニック車は、夫が庭木の剪定をする為に、保持していたものなのだ。それを盗まれてしまったのだ。
運送屋の、楽ではない経営の中で、それでも、どうしてもユニック車が欲しくて、ある車にユニックを取りつけて貰った。道楽のために、と夫は言った。
一年に一度、4・5本の植木の剪定の為の出費にしては、大きな出費だと、私は長男に同情した。それに、もう73歳。危険な仕事は止めて貰いたい。止めるのに丁度良い機会だ。と、いう気持もあった。
今日で4日間。夫は毎日木に登り続け、とうとう今日、高い所はほとんど終わらせた。今日は木枯らし一号、冷たい突風の吹く中を一日中作業し、薄暗くなる頃やっと終わった。自慢の槇の木は見事に、いい形に出来あがった。
「こんなに、上手に出来るんだったら、自分でやりたいよね。」と、私は呟いた。そして、この4日間の、なんと、張りのある楽しそうな時間だったことか。
明日は仕事に使うというトラックから、枝を降ろすのを手伝い、トラックを掃除し、ユニックから、籠をはずすのを手伝い、そうしていたら、何年か前、というより、もう今になっては昔の時間を思いだして、懐かしさが込み上げた。やっぱり、目的があって働くということは、人を元気に、幸せ気分にするものだということを改めて、感じた一時だった。
木枯らし一号、そして、トランプ氏になったアメリカ大統領。
今年の冬は、どんなことになることだろう。
今宵は、日本酒の熱燗で。夢を貫く夫に乾杯!!