1950年(昭和25年)の今日、京都市上京区にある金閣寺(鹿苑寺)にて、放火事件が起きました。
未明に出火。幸いなことに死傷者はありませんでしたが、国宝の舎利殿(金閣)が全焼し、創建者である室町幕府3代将軍足利義満の木像(当時国宝)、観音菩薩像、阿弥陀如来像、仏教経巻などの文化財6点も灰燼に帰してしまいました。
現場検証の結果、普段火の気がない事、そして寝具が何故か付近に置かれている事から、不審火の疑いがあるとして同寺の関係者を取り調べたところ、同寺子弟の見習い僧侶であった大学生がいない事が判明し行方を捜索、夕方になり金閣寺の裏にある左大文字山の山中で発見され、放火の容疑で逮捕されました。【HP「ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典」より】
寺社などの文化財は、昔から宗教間の争いなどで放火の被害に遭うことが多かったそうですが、この金閣寺放火事件は「世間を騒がせたかった」「社会への復讐のため」などという犯人の身勝手な動機から行われました。後の取り調べで、この犯人が不遇な人生を歩んできたことがわかりましたが、それでも決して許される行為ではありません。
数年後、この事件を題材に三島由紀夫の小説『金閣寺』や、水上勉の小説『五番町夕霧楼』、『金閣炎上』などの文学作品が作られたことを見ても、この金閣寺の焼失が当時の人たちにとってとても衝撃的な事件であったということがわかります。
この放火事件から5年後の1955年、現在の金閣寺が再建されましたが、この事件を継起に重要文化財への消防用設備設置の重要性が問われるようになり、現在ではこの金閣寺はもちろんのこと、全国各地の多くの文化財にスプリンクラー設備を始めとする最新鋭の消防設備が設置されています。
余談ですが、金閣寺のHPには「今日の金閣」というコーナーがあり、金閣寺のリアルタイムの画像を見ることができます。
今日の金閣(リンク)⇒http://www.shokoku-ji.or.jp/kinkakuji/webcam/index.html
このようなお寺のサービスの一環が、放火などの犯罪を未然に防ぐ役割を果たしているとも言えます。
事務局 農澤
大阪消防設備協同組合のトップページはこちら⇒ http://www.syoukumi.jp/
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