昭和30年(1964年)の今日、東京都品川区にある、㈱宝組勝島倉庫の敷地内にあった危険物から出火し、死者19人、負傷者158人を出す大惨禍が起こりました。一般に「勝島倉庫火災」と呼ばれています。
この火災は、㈱宝組勝島倉庫の、103号倉庫近くの空地に野積みにしてあったドラム缶入りの硝化綿から出火し、爆発火災となって同地区内の倉庫および周辺空地、さらには道路を隔てた第5地区の空地に、無許可で貯蔵されていた硝化綿、アセトン、アルコール類などに次々と引火しました。
この第一次爆発火災が鎮圧される矢先の午後10時55分ころ、最初の爆発火災から30メートルほど離れた倉庫に貯蔵されていた、メチルエチルケトンパーオキサイド(商品名パーメックN)類を誘爆させた2回目の大爆発が発生し、夜空に100メートルを超える巨大な火柱が噴き上がり、原子爆弾を思わせるような不気味なキノコ雲が上昇していきました。
本火災の直接の原因は、危険物の貯蔵違反によるもので、東京消防庁は爆発火災後直ちに、関係者などを東京地方検察庁に告発し、結審に至るまで12年の歳月を経て、昭和51(1976)年10月17日、最高裁判所の上告棄却の決定により、会社に対して5万円の罰金が、また関係者に対しては、執行猶予付の刑が科せられました。【HP「東京消防庁」より】
この事故は、消防史上まれに見る大規模の火災であり、危険物の恐ろしさを世の中に知らしめる大惨事となりました。
危険物は消防法により、その危険度や性質によって1類~6類まで細分化され、それぞれに資格を設けており、その資格を持っていなければ扱うことはできません。また、保管場所等にも厳しい取り決めがあり、この会社の関係者はその取り決めを守っていなかったことも重なって、厳しい処罰を受けることとなりました。
あまり知られていないことかもしれませんが、ガソリンも危険物に指定されており(第4類)、資格がなければ販売等の取扱いは行えません。
ガソリンスタンド等で簡単に手に入れることができますが、本当は大変危険なものであるという認識を、消費者である私たちも持たなければなりません。
事務局 農澤
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