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動物と一緒に生きる!

ニューヨーク在住フリーライターYoshikoのブログ

オダネルさんの気持ち

2008-10-17 08:54:34 | アメリカ 国
オダネルさんは帰国後、約50年間トランクを開けることができませんでした。

50年間です。

その間、みんなが原爆は正しいことのために使われたのだと信じているなかで、あのとき長崎でほんとうのことを見てしまったオダネルさんはどんな気持ちですごしていたのでしょう。

きっととても苦しかったと思います。

アメリカでは「原爆は戦争を終わらせるために落とされたものだった、原爆が戦争を終わらせなければもっと多くの被害が出ていた」という意見をふつうにみんなが信じています。
しかし、原爆の被害がどのようなものであったかなどを知る人はほとんどいません。

実際に開発に携わった科学者たちは、その威力のすさまじさから、対日戦において原爆を実際に使用することをやめるように大統領に進言していた人たち(フランクレポート)もいます。

アメリカで原爆の事実を考えるとき、わたしは日本軍が行った南京大虐殺を思ってしまいます。

日本では、なかったことであるという人たちがたくさんいますが、わたしの大学の教授(中国人)の親戚には虐殺から逃れてきたという人もいるそうです。

わたしたちは、自分が何か失敗したり、悪いことをしてしまったとき、それを正当化したりかくしたりしてしまうことがあります。

それは「国」として置きかえても同じことが言えると思います。

そして歴史もそれにそって簡単に塗り替えられてしまいます。

わたしたちは、過ぎ去った過去において、それが真実であるとされていることについて、時にはもっと冷静にちがった観点から見直してみるということも必要なのではないでしょうか。


Joe O'dnnell

2008-10-16 19:25:49 | アメリカ 国
このあいだNHKのテレビを見る機会があったんですが、原爆投下後の長崎に訪れた元米軍海兵隊のことが取り上げられていました。

彼の名はジョー・オダネル(Joe O'dnnell)さん。
オダネルさんは従軍カメラマンとして原爆投下直後の長崎を訪れ、その有様にショックを受け、約50年後に自ら取った写真とともに、各地で原爆の真実を伝える講演などを行った人です。

第二次世界大戦中、アメリカ海兵隊に所属していたオダネルさんは、長崎を訪れる前はほかの兵士たちと同じく「日本人をやっつけてやろう」と思っていたようです。しかし到着後、あまりの惨状にショックを受け、アメリカがしたことに疑問に思うようになりました。

帰国後もその記憶はトラウマとして残り続け、自分で撮った写真をトランクにしまったままその後50年間あけず、家族にすらそのトランクにふれることを禁じていました。
しかし、あるとき、自らの目で見た事実を知らせることは自分の使命だと感じ、自分が50年前にとった写真とともにアメリカや日本で講演をしていくことを決意しました。

しかし、アメリカ側の原爆投下の理由は、当時から今に至るまで「戦争を早く終わらせるため」に行った正当な行為であるとされており、アメリカのほとんどの人たちがなんの疑いもなく信じています。

オダネルさんは自ら講演や写真展を行っていきますが、退役軍人からの反発でスミソニアン博物館での展示がキャンセルされたり、人々から「売国奴」と呼ばれたりします。

オダネルさんの元奥さんもその行動が理解できずに去っていったそうです。

しかし、オダネルさんは日本やアメリカで講演を続けることをやめませんでした。
オダネルさんは晩年のインタビューで「わたしは自分の国であるアメリカを愛しています。愛しているがゆえに、祖国が間違ったことをしているのを黙ってみていることができなかった」といっています。

オダネルさんは去年、脳出血で亡くなりましたが、今は息子さんがその意志をついで活動を行っています。

この放送を見た後、アメリカにもこのような人がいることを知って、とても救われた気持ちになりました。



アメリカ保守派の人々

2008-10-04 09:27:56 | アメリカ 国
オバマ(民主党)とマッケイン(共和党)の大統領選挙を見てて思うんですが。
わたしはアメリカに来てもうすぐ三年になるくらいでアメリカの政治のことに関してはあまり詳しくありませんが、いつ見ても共和党(保守派)の人たちはイラク戦争支持や中絶反対、ライフル協会を支持していたりと、見当違いの考えをしているように思えてなりません。
それにアメリカにはキリスト教徒が多いのは知っていましたが、このアメリカでこんなにも宗教が政治に悪い方向に影響していることまでは知りませんでした。
共和党副大統領候補のペイリン氏にいたってはキリスト教の集まりの場で「イラク戦争は神の意思である」と言ってみたり。
このペイリン氏の発言に共感する人たちはこの戦争で普通に暮らしていただけのイラクの人々や、家族の生活のために軍に志願したアメリカ兵がたくさん死んでいっているのをどう思っているのでしょうか。こういった普通の最低限の生活を求めていただけの一生懸命な人々が無意味に死んでくことが神の意思だというのでしょうか。
きっとこの発言をしたペイリン氏は、なぜテロリストがアメリカを攻撃したのか、なぜイラクで死んだアメリカ兵が家族や生活のために軍に入隊したのか、考えたこともないのでしょう。
もっと進んでいると思っていたアメリカで、しかも国を動かす立場にある政治家にこういった考えの人たちがいまだに存在しているということに驚いてしまいます。
こういった人々は、自分たちに見えている世界がすべてであり、そのほかの世界が存在するということに気がついていないのだと感じられてとても悲しくなってしまいます。

もちろんこういった人たちとは別に、リベラルな考えを持った人たちもアメリカにはたくさんいますが。
アメリカのことを知れば知るほど、驚くことが多くあります。

American Heroという言葉

2008-08-03 09:23:26 | アメリカ 国
何かにつけてAmerican Heroという言葉をよく耳にします。

いつもこの言葉をアメリカの兵士たちを指して言っているのを聞くたびになんかしっくりいかない感じがするんですが。

American Heroという言葉を戦争にいっている兵隊や戦争で死んだ人たちに対して使うと、何も知らない人々や子供たちが「戦争で戦えば(あるいは死ねば)ヒーローなんだ」と誤解してしまう恐れがあると思うのです。
例えばその兵士たちが参加した戦争が間違った戦争(正しい戦争というのもないですが)であるとすればどうでしょうか?


日本も戦時中、特攻隊などで死んでいく兵隊さんたちを英雄視した時期がありました。そしてその時期、日本には言論の自由などなく、戦争に反対する人は非国民とののしられました。

今のアメリカは言論統制こそおおっぴらにされていないものの、とてもこの状況に似ていると感じています。

私は戦争で戦っている兵隊さんたちはヒーローじゃないといっているんではありません。

国のために命も危険にさらすという行為は誰にでもできることではないし、すごいことだと思います。

ただこの言葉を軽々と発するのはとても危ない気がするのです。

私はスポーツ選手やその他誠実に働こうとしているあらゆる職業のひとたち、家族のために必死で働くお父さんやお母さんだってヒーローだと思います。

要は自分たちが今やっていることや支持していることは本当に正しいのかどうか、一度立ち止まって考えることだと思います。