以下は今から約20年前、私の経験したことです。
アカマツ、クロマツの葉は、2本の針のようになっています。
そのうちの1本の葉の断面は、半円形です。
その形は、私が遠い昔高校生だったころ、生物の教科書に載っていいたのを不思議なことに覚えていたものでした。
ある時、クロマツの葉を眺めていたら、その根元は円柱状になっていて、そこから2本に分かれているのがわかりました。
根元が円柱で、途中の2本の葉の断面がそれぞれ半円形、ということは、2本を束ね合わせると細長い円柱になるということです。
つまり、クロマツの葉は細長い円柱を縦に真っ二つに割った形になっていたのでした。
これはクロマツが長い進化の過程で、円柱の葉からより光合成の機能の高い葉を作るために縦に2つに割った、というようことを想像したくなります。
それはさておき、植物の形はとても複雑で混とんとしていると思っていたのに、クロマツの葉は意外と単純な造形になっていたので驚いてしまいました。
マツの仲間には5葉のものもあるので、今度はそれがどうなっているか気になりました。
自分なりに考えたところ、5本のうちの1本の葉の断面は、大根のイチョウ切りのような形になっているのではないかと。
つまり、円の中心から360度の5分の1、72度の角度で5つに切り分けたイチョウ切りの形です。
そして、イチョウ切りの角を中心に5本の葉を束ねると、細長い円柱になるのではないか、と推測してみました。
すぐに確かめたくなって、5葉のハイマツが生える奥羽山脈の山に登りました。
ハイマツの5葉の葉を根元からちぎってみると、根元はコブのようになっていますが、周囲は丸くなっています。
そして、5本のうちの1本の葉の中ほどをナイフで切断してみると、案の定、断面は三角形。
円の中心から72度の角度で5つに切り分けた、大根のイチョウ切りとほぼ同じ形をしているのでした。
その5本の葉を束ねてみると、ちょっと捩じれたり曲がったりしていますが、細長い円柱になったのでした。
その後、3葉のマツ(北米大陸産のリキダマツ、テーダマツ)の葉も、細長い円柱を円の中心から360度の3分の1、120度で縦に3つに切り分けた形になっているのを確認しました。
ボーっと植物を眺めていた私が、2葉のマツの葉の形から5葉と3葉のマツの葉の形を推測したら、その通りになっていて感動してしまったのでした。
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